事例Ⅲ ~平成30年度 解答例(5)(第4問)~

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今回は、「事例Ⅲ ~平成30年度 解答例(5)(第4問)~」について説明します。

 

目次

事例Ⅲ ~平成30年度試験問題一覧~

平成30年度のその他の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

第4問

第4問(配点20点)

 

C社が検討している生産管理のコンピュータ化を進めるために、事前に整備しておくべき内容を120字以内で述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

解答の方向性

第4問では、C社が検討している生産管理のコンピュータ化を生産現場で効率的に運用するために、事前に整備しておくべき内容について分析する能力を問われています。

 

与件文を読んでいくと、金型や材料の保管状況に問題があると記述されており、その問題に対する改善策が「第4問」で解答すべき内容です。

最初に試験問題の全体構成を確認しておかないと、「成形加工の作業方法」に関する問題点と改善策について求められている「第2問」の中で、「金型や材料の保管状況」に関する内容まで解答してしまっている可能性がありますので、注意してください。

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文では、【生産概要】の後半に記述されています。

 

【生産概要】の後半で、金型や材料の保管状況に問題があると記述されています。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

詳細に示すと以下の通りとなります。

 

  • 成形機の段取り時間が長時間となっている主な原因は、金型、使用材料などを各置き場で探し、移動し、準備する作業に長時間要していることにある。図2で示す「成形機1の段取り作業内容の詳細」は、製品Aの成形加工作業者が、昼休み直後に行った製品Bのための段取り作業の内容である。金型は顧客からの支給品もまだあり、C社内で統一した識別コードがなく、また置き場も混乱していることから、成形加工課の中でもベテラン作業者しか探すことができない金型まである。また使用材料は、仕入先から材料倉庫に納品されるが、その都度納品位置が変わり探すことになる。
    ⇒段落の前半では、「金型、使用材料などを各置き場で探し、移動し、準備する作業に長時間要していること」が成形機の段取り時間が長時間となっている主な原因と記述されています。
    「図2」で見る限りでは「準備」は「金型の取付、取外し、材料供給、調整・トライ」に該当する作業であり短縮できない作業ですが、「探す」「移動する」という作業については改善の余地があると考えられます。
    また、段落の後半では、金型や材料などの管理方法について多くの問題点が記述されています。
    具体的には「C社内で金型の統一した識別コードがない」「置き場が混乱している」「金型によってはベテラン作業者しか探すことができない」「仕入先から材料倉庫に納品する都度、納品位置が変わっていて探すことになる」です。
    これらの問題点は、生産管理をコンピュータ化するよりも前に、整備しておくべき内容であると考えられます。

 

  • その対策の一つとして、現在、生産管理のコンピュータ化を進めようとしているが、生産現場で効率的に運用するためには、成形加工課の作業者が効率よく金型、材料などを使用できるようにする必要があり、そのためにデータベース化などの社内準備を検討中である。
    ⇒生産管理をコンピュータ化して現場で効率的に運用するためには「作業者が効率よく金型、材料などを使用できるようにする必要があり、そのためにデータベース化を検討している。」と記述されています。
    この「データベース化」が、生産管理のコンピュータ化よりも前に準備すべきなのかの判断が難しいところですが、私は「事前に準備すべき内容」であると判断しました。
    つまり、生産管理のコンピュータ化を進めるために、事前に整備しておくべき内容は「必要な情報のデータベース化を行い、作業者が効率よく金型、材料などを使用できるように整備しておくこと」です。

 

生産管理のコンピュータ化よりも前に整備しておくべき内容

生産管理をコンピュータ化して生産現場で効率的に運用するために、作業者が効率的に金型や材料を使用できる環境を整備する必要があると考えた場合、生産管理のコンピュータ化よりも前に実施すべき内容は以下の通りです。

 

「移動する」作業時間の短縮

「移動する」作業時間を短縮するための作業を以下に示します。

 

  • SLPにより、金型や材料の置き場所を見直して、移動時間を短縮する。

 

「探す」作業時間の短縮

「探す」作業時間を短縮するための作業を以下に示します。

 

  • SLPにより、金型や材料の置き場所を見直して、置き場所を特定する。
  • 金型と材料に統一識別コードを付与する。
  • 識別コードをキーとして、金型と材料のデータベース化を行い、置き場所を管理する。
  • 仕入先に材料別の納品位置を指定して遵守させる。
  • 生産現場で5Sを徹底させる。

 

解答例

ここまでに整理してきた内容に基づき、120文字以内にまとめます。

 

SLPを用いた金型や材料の置き場所の見直しによる移動時間の短縮と、金型や材料への統一識別コード付与とDB化、仕入先への材料別納品位置の指示、生産現場の5S徹底による探す時間の短縮により、作業者が効率的に金型や材料を使用できる環境を整備すべきである。(120文字)

 

事例Ⅰ~事例Ⅲは正解のない試験なので、あくまで解答例として参考にしてもらえればと思います。

 


 

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