事例Ⅲ ~平成29年度 解答例(4)(第3問)~

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今回は、「事例Ⅲ ~平成29年度 解答例(4)(第3問)~」について説明します。

 

目次

事例Ⅲ ~平成29年度試験問題一覧~

平成29年度のその他の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

第3問

第3問(配点20点)

 

C社では、ホームページを活用したCNC木工加工機の受注拡大を考えている。展示会での成功を参考に、潜在顧客を獲得するためのホームページの活用方法、潜在顧客を受注に結び付けるための社内対応策を160字以内で述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

解答の方向性

第3問の問題を読むと「事例Ⅱ」の問題ではないかと目を疑ってしまいますが、よく見ると社外向けのプロモーション施策ではなく社内に向けた対応策を提言せよ。という問題です。

 

問題文に「展示会での成功を参考に」と記載されているため、展示会における成功事例を整理して、「潜在顧客を獲得するためのホームページの活用方法」と「潜在顧客を受注に結び付けるための社内対応策」を解答として取りまとめていくという流れで解答を考えていきます。

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文において、【新規事業の概要】の中盤の文章に記載されている「展示会における成功事例」の内容から活用できそうな箇所を抜粋していきます。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

詳細に示すと以下の通りとなりますが、まずは、展示会での成功を参考に「潜在顧客を獲得するためのホームページの活用方法」を整理します。その後、ホームページを見て興味を持った顧客から問い合わせを受けた後の対応を「潜在顧客を受注に結び付けるための社内対応策」として整理していくこととします。

 

  • 展示会では、特徴である精密加工の内容を来展者に理解してもらうため、複雑な形状の加工を容易に行うCNC 木工加工機の実演を行ったが、それによって多くの来展者の注目を集めることができた
    ⇒「CNC 木工加工機の実演」は注目を集めるために有効な手段だということが分かる。
  • 特に、NC機械を使用した経験のない家具や工芸品などの木工加工関係者から、プログラムの作成方法、プログラムの提供の可能性、駆動部や刃物のメンテナンス方法、加工可能な材質などに関する質問が多くあり、それに答えることで、CNC木工加工機の加工精度や操作性、メンテナンスの容易性が来展者から評価され、C社内では大きな手応えを感じた。
    ⇒実演で注目を集めた顧客に対して、加工精度や操作性、メンテナンスの容易性を説明することで、顧客からの評価を得るために有効な手段であるということが分かる。
  • そして展示会後、来展者2社から注文が入り、本格的に生産がスタートしている。このCNC木工加工機については、各方面から注目されており、今後改良や新機種の開発を進めていく予定である
    ⇒「CNC 木工加工機の実演」は注目を集めて、加工精度や操作性、メンテナンスの容易性を説明することで、顧客からの評価を得ることができれば、受注につなげることができることが分かる。
  • この展示会での成功を参考に、現在は会社案内程度の掲載内容となっているホームページを活用して、インターネットで広くPRすることを検討している。
    ⇒与件文に記載されている「PRする」というフレーズを解答に取り入れたい

 

潜在顧客を獲得するためのホームページの活用方法

潜在顧客を獲得するためのホームページの活用方法については、与件文の最後に「インターネットで広くPRすることを検討している」との記述もあるため「PRする」というフレーズを解答に取り入れていきます。

 

「展示会での成功」とは具体的にどういうことだったのかについて確認します。

 

  • 複雑な形状の加工を容易に行うCNC 木工加工機の実演を行った。
    ⇒多くの来展者の注目を集めることができた。
  • NC機械を使用した経験のない木工加工関係者から多くの質問を受けてそれに答えた。
    ⇒来展者からCNC木工加工機の加工精度や操作性、メンテナンスの容易性が評価され、展示会後、来展者2社から注文が入った。

 

「実演」により来展者の注目を集め、質疑応答により評価を得ることができ、受注できた。という流れとなっているため、ホームページの活用方法を以下の通り検討していきます。

 

NC機械を使用した経験のない木工加工関係者に対して、複雑な形状の加工を容易に行うCNC木工加工機の実演する動画でPRすることにより注目を集めます

また、展示会で質問を多く受けた項目は、ホームページで初めて実演動画を観た人も同様の疑問を持つことが多いと考えられるため、CNC木工加工機の加工精度や操作性、メンテナンスの容易性に関するコンテンツを掲載して、ホームページを閲覧した人がCNC木工加工機に興味を持ってもらう構成とします。

また、CNC木工加工機に興味を持った人が、C社にコンタクトするための仕組みとして「問い合わせフォーム」を掲載します。

 

潜在顧客を受注に結び付けるための社内対応策

潜在顧客を受注に結び付けるための社内対応策としては、ホームページから問い合わせを受けた後の顧客対応と位置付けて検討していきます。

C社では、社長と常務が営業を担当しており、営業体制が組織化されていないため、ホームページから問い合わせを受けた後の顧客対応をする人材について考えていきます。

与件文を見る限りでは、ホームページから問い合わせを受けた後の顧客対応をする人材は、以下の通り「設計担当者」と「製造部門の作業者」が考えられます。

 

  • CNC木工加工機の開発に携わった設計担当者
  • 既存事業で直接顧客と具体的な調整を行っている製造部門の作業者

 

「CNC木工加工機」の開発に携わっていた経緯を考えると「設計担当者」の方が適任ではないかと感じますが、C社には「設計担当者」は「1名」しかいない状況であり、C社としては今後も製品の改良や新機種の開発を進めて、付加価値の高い最終製品に育てていきたいと考えている(第4問)ため、「設計担当者」にはそちらに注力して欲しいところです。

 

したがって、問い合わせに迅速に対応するためのマニュアルを設計担当者が整備して、既存顧客と直接打ち合わせを行うなど顧客対応の経験が豊富な作業者が問い合わせに対応できるよう体制とした方が業務が効率化できると考えました。

 

解答例

ここまでに整理してきた内容を160文字以内にまとめます。

 

HPに、CNC木工加工機の実演動画を掲載して複雑な形状の加工を容易に行えることをPRするのと併せて展示会で受けた質問の説明と問い合わせフォームを掲載する。社内対応策としては、問い合わせに迅速に対応するマニュアルを整備して既存顧客と直接打ち合わせを行うなど顧客対応の経験が豊富な作業者が問い合わせに対応できるよう体制の整備を行う。(160文字)

 


事例Ⅰ~事例Ⅲは正解のない試験なので、あくまで解答例として参考にしてもらえれば
と思います。

 


 

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