今回は、「運営管理 ~H30-10 IE/作業研究(5)工程分析~」について説明します。
目次
運営管理 ~平成30年度一次試験問題一覧~
平成30年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。
IE(Industrial Engineering:経営工学)
「IE」は「経営工学」と呼ばれ、生産性を向上させる技術として発展してきました。
その中で、工場の生産活動を対象とした改善の技術は「作業研究」と呼ばれ、工程や動作を分析して改善する「方法研究」と稼動状況や標準時間の設定を研究する「作業測定」で構成されています。

インダストリアルエンジニアリング、経営工学
経営目的を定め、それを実現するために、環境(社会環境及び自然環境)との調和を図りながら、人、物(機械、設備、原材料、補助材料及びエネルギー)、金及び情報を最適に設計し、運用し、統制する工学的な技術・技法の体系。(JISZ8141-1103)
方法研究
「方法研究」は、さらに「工程の分析を行う工程分析」と「作業の分析を行う動作研究」に分類されます。
「工程分析」とは、効率化のために工程を記号で把握して分析することであり、「動作研究」とは、作業の無駄を無くすために動作を分解して分析することです。

工程分析
工程分析では、「加工」「運搬」「停滞」「検査」の基本要素に区分して把握した作業活動を分析することにより、効率化を図っていきます。
工程図記号(基本図記号)
「工程分析」では、「工程図記号」を用いて工程図を作成していきます。
「工程図記号」は「基本図記号」と「補助図記号」に分類されており、「基本図記号」の一覧を以下に示します。

試験問題
それでは、実際の試験問題を解いてみます。
【平成30年度 第10問】
ある製品について行った製品工程分析の結果を下図に示す。この図から読み取ることができる記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
[解答群]
ア 作業者が4名いる。
イ 製品検査に抜取検査を採用している。
ウ 台車を自動搬送機にすることにより、運搬記号の数を減らすことができる。
エ 停滞を表す工程が3カ所ある。
中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html)
考え方と解答
「工程図記号(基本図記号)」に関する知識を問う問題です。
「工程図記号(基本図記号)」を暗記していれば、簡単に答えを求めることができる問題です。
(ア) 不適切です。
「工程分析」の結果では、作業者の人数までは分からないため、選択肢の内容は不適切です。
(イ) 不適切です。
「工程分析」の結果から「品質検査」を実施していることは分かりますが、その検査方法に「抜取検査」を採用しているかまでを見分けることはできないため、選択肢の内容は不適切です。
(ウ) 不適切です。
運送手段を「台車」から「自動搬送機」に変更したとしても、工程分析では「運搬」に区分されるため、運搬記号の数は変わりません。したがって、選択肢の内容は不適切です。
(エ) 適切です。
「停滞」には、計画に沿って貯えている「貯蔵」と計画に反して滞っている「滞留」があります。
今回の工程分析では、「貯蔵」が2回、「滞留」が1回記録されており、「停滞」を表す工程が合計3か所あるため、選択肢の内容は適切です。
答えは(エ)です。
