事例Ⅳ ~平成27年度 解答例(6)(営業レバレッジ)~

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平成27年度の事例Ⅳに関する解答例(案)を説明していきます。

私なりの思考ロジックに基づく解答例(案)を以下に説明しますので、参考としてもらえればと思います。

 

目次

事例Ⅳ ~平成27年度試験問題一覧~

平成27年度の他の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

営業レバレッジ

「営業レバレッジ」は費用構造に関する「安全性」を示す指標であり「限界利益 ÷ 営業利益」で算出されます。

「限界利益 = 営業利益 + 固定費」で表されるため、総費用に占める固定費の割合が高くなると「営業レバレッジ」の数値が高くなります。

「営業レバレッジ」の数値が高くなる(=総費用に占める固定費の割合が高くなる)と、売上高の増減に伴う営業利益の増減幅が大きくなるため、景気変動などの理由で売上高が減少したときに営業利益がマイナスに転落するリスクが高くなることを意味しています。

したがって、「営業レバレッジ」は、数値が低いほど「安全性」が高く、数値が高くなるほど「安全性」が低いと判断されます。

 

第2問(設問2)

第2問(配点34点)

 

(設問2)

設問1の予測損益計算書から明らかとなる傾向を(a)欄に40字以内で、そのような傾向が生じる原因を(b)欄に60字以内で述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方(設問2)

参考情報

第X2期と第X3期の損益計算書(財務会計)

「第X2期」の損益計算書(財務会計)と「第X3期」の予測損益計算書(財務会計)は以下の通りです。

 

損益計算書
(単位:百万円)
第X2期 第X3期
売上高 2,150 1,935
売上原価 1,770 1,695
売上総利益 380 240
販売費及び一般管理費 320 300
営業損益 60 ▲60
営業外収益 13 13
営業外費用 24 24
経常損益 49 ▲71
特別利益 0 0
特別損失 7 0
税引前当期純損益 42 ▲71
法人税等 12 0
当期純損益 30 ▲71

 

第X2期と第X3期の損益計算書(直接原価計算)

総費用を「変動費」と「固定費」に区分した「第X2期」の損益計算書(直接原価計算)と「第X3期」の予測損益計算書(直接原価計算)は以下の通りです。

 

損益計算書
(単位:百万円)
第X2期 第X3期
売上高 2,150 1,935
変動費 950 855
 売上原価 750 675
 販売費及び一般管理費 200 180
限界利益 1,200 1,080
固定費 1,140 1,140
 売上原価 1,020 1,020
 販売費及び一般管理費 120 120
営業損益 60 ▲60

 

(a)予測損益計算書から明らかとなる傾向

(設問1)で求めた予測損益計算書を見ると、以下のような傾向が見受けられます。

X社からの受注減少により売上高が10%減少すると見込まれているため、営業損益が「第X2期:60百万円」から「第X3期:▲60百万円」と赤字に転落し、当期純損益も「第X2期:30百万円」から「第X3期:▲71百万円」と赤字に転落します。

 

今回の問題において変動している要素は「売上高」「売上原価」「販売費及び一般管理費」であり、損益計算において「営業損益」よりも上位の科目であるため、指摘すべき指標は「営業損益」です。

 

「予測損益計算書から明らかとなる傾向」を以下の通り「40文字以内」で整理します。

  • X社からの受注減少に伴う売上高10%減少により営業損益が▲60百万円と赤字に転落する。(40文字)

 

(b)そのような傾向が生じる原因

売上高10%減少により営業損益が赤字に転落する原因を問われていますが、このパターンの問題を解くには慣れが必要です。

 

原因の考え方

売上高の減少「215百万円」に伴い営業損益が「120百万円」減少している。


⇒売上高の減少幅に対して、営業損益の減少幅が大きい
⇒総費用に占める固定費の割合が高い
⇒営業レバレッジが高い

 

つまり、(b)で問われている「そのような傾向が生じる原因」とは、総費用における固定費の割合が高いこと(営業レバレッジが高い)です。

 

営業レバレッジ

営業レバレッジは費用構造に関する「安全性」を評価する指標であり、その数値が高い場合は「安全性が低い」と判断することができます。

今回の問題では、営業レバレッジの数値は求められていませんが、原因を解答するには数値を記載した方が説得力が上がるので、以下の公式により営業レバレッジを算出します。

 

  • 営業レバレッジ = 1,200 ÷ 60 = 20

 

「そのような傾向が生じる原因」を以下の通り「60文字以内」で整理します。

  • 総費用に占める固定費の割合が高く、営業レバレッジが20倍と高い状況であり、売上高の減少に伴う営業損益の減少幅が大きいため。(60文字)

 

解答(設問2)

「予測損益計算書から明らかとなる傾向」と「そのような傾向が生じる原因」は以下の通りです。

 

(a)予測損益計算書から明らかとなる傾向

X社からの受注減少に伴う売上高10%減少により営業損益が▲60百万円と赤字に転落する。(40文字)

 

(b)そのような傾向が生じる原因

総費用に占める固定費の割合が高く、営業レバレッジが20倍と高い状況であり、売上高の減少に伴う営業損益の減少幅が大きいため。(60文字)

 


明日も、引き続き「平成27年度 解答例(7)(損益分岐点分析)」として「第2問(設問3)」について説明します。

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