今回は、「財務・会計 ~H24-3 仕入割引・仕入控除(1)仕入割引~」について説明します。
目次
財務・会計 ~平成24年度一次試験問題一覧~
平成24年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。
売上割引・売上控除・仕入割引・仕入控除 -リンク-
本ブログにて「売上割引」「売上控除」「仕入割引」「仕入控除」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。
売上割引・売上控除・仕入割引・仕入控除
販売した商品の返品など
販売した商品に対する「返品(戻り)」「値引」「割戻」「割引」について説明します。
覚えておくのは、「売上割引」の場合は「営業外費用」として計上して、それ以外の「返品(戻り)」「値引」「割戻」の場合は「売上」から控除するということです。
「割引」という言葉の定義が、一般的に使っている意味と違いますので、注意してください。
項目 | 会計処理 | 説明 |
売上戻り | 売上控除 | 販売した商品の品質などに問題があった場合に、取引先から商品を返品されること。 |
売上値引 | 販売した商品の品質などに問題があった場合に、取引先に安い価格で提供すること。 | |
売上割戻 | 商品の大量販売等の条件に基づき、取引先に安い価格で提供すること。(リベート) | |
売上割引 | 営業外費用 | 販売した商品の売掛金を取引先から期日前に受け取った場合、受取金額から利息分に相当する金額を免除すること。(ディスカウント) |
仕訳
掛けで販売した商品に対して「売上戻り」「売上値引」「売上割戻」「売上割引」した場合の仕訳例を以下に示します。
売上戻り・売上値引・売上割戻
「売上戻り/売上値引/売上割戻」の場合は売上金額から控除します。
借方 | 貸方 | ||
売上 | 1,000円 | 売掛金 | 1,000円 |
売上割引
売掛金について、決済期日よりも前の割引有効期限内に取引先から支払いを受けたため、利息分に相当する「50円」の割引を行った。この場合、売上高から控除するのではなく、売上割引「50円」を営業外費用として計上します。
借方 | 貸方 | ||
現金 売上割引 |
950円 50円 |
売掛金 | 1,000円 |
仕入れた商品の返品など
仕入れた商品に対する「返品(戻し)」「値引」「割戻」「割引」について説明します。
覚えておくのは、「仕入割引」の場合は「営業外収益」として計上して、それ以外の「返品(戻し)」「値引」「割戻」の場合は「仕入」から控除するということです。
「割引」という言葉の定義が、一般的に使っている意味と違いますので、注意してください。
項目 | 会計処理 | 説明 |
仕入戻し | 仕入控除 | 仕入れた商品の品質などに問題があった場合に、仕入先に商品を返品すること。 |
仕入値引 | 仕入れた商品の品質などに問題があった場合に、仕入先から安い価格で提供されること。 | |
仕入割戻 | 商品の大量仕入等の条件に基づき、仕入先から安い価格で提供されること。(リベート) | |
仕入割引 | 営業外収益 | 仕入れた商品の買掛金を仕入先に期日前に支払った場合、支払金額から利息分に相当する金額を免除されること。(ディスカウント) |
仕訳
掛けで仕入れた商品に対して「仕入戻し」「仕入値引」「仕入割戻」「仕入割引」した場合の仕訳例を以下に示します。
仕入戻し・仕入値引・仕入割戻
「仕入戻し/仕入値引/仕入割戻」の場合は仕入金額から控除します。
借方 | 貸方 | ||
買掛金 | 1,000円 | 仕入 | 1,000円 |
仕入割引
決済期日よりも前の割引有効期限内に仕入先に買掛金を支払ったため、利息分に相当する「50円」の割引を受けた。この場合、仕入から控除するのではなく、仕入割引「50円」を営業外収益として計上します。
借方 | 貸方 | ||
買掛金 | 1,000円 | 現金 仕入割引 |
950円 50円 |
試験問題
それでは、実際の試験問題を解いてみます。
【平成24年度 第3問】
仕入割引に関する記述として最も適切なものはどれか。
ア 一定期間に多額または多量の取引のあった仕入先による仕入代金の返戻額等である。
イ 仕入品の両目不足、品質不良、破損等の理由による代価からの控除額である。
ウ 代金支払期日前の支払に対する買掛金の一部免除等である。
エ 品質不良、破損等の理由による返品から生じる仕入代金の減少額である。
中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html)
考え方と解答
「仕入割引」に関する知識を問う問題です
仕入れた商品の返品など
仕入れた商品に対する「返品(戻し)」「値引」「割戻」「割引」について説明します。
覚えておくのは、「仕入割引」の場合は「営業外収益」として計上して、それ以外の「返品(戻し)」「値引」「割戻」の場合は「仕入」から控除するということです。
「割引」という言葉の定義が、一般的に使っている意味と違いますので、注意してください。
項目 | 会計処理 | 説明 |
仕入戻し | 仕入控除 | 仕入れた商品の品質などに問題があった場合に、仕入先に商品を返品すること。 |
仕入値引 | 仕入れた商品の品質などに問題があった場合に、仕入先から安い価格で提供されること。 | |
仕入割戻 | 商品の大量仕入等の条件に基づき、仕入先から安い価格で提供されること。(リベート) | |
仕入割引 | 営業外収益 | 仕入れた商品の買掛金を仕入先に期日前に支払った場合、支払金額から利息分に相当する金額を免除されること。(ディスカウント) |
(ア) 不適切です。
「一定期間に多額または多量の取引のあった仕入先による仕入代金の返戻額等」は「仕入割戻」のことを示しているため、選択肢の記述は不適切です。
(イ) 不適切です。
「仕入品の両目不足、品質不良、破損等の理由による代価からの控除額」は「仕入値引」のことを示しているため、選択肢の記述は不適切です。
(ウ) 適切です。
「代金支払期日前の支払に対する買掛金の一部免除等」は「仕入割引」のことを示しているため、選択肢の記述は適切です。
(エ) 不適切です。
「品質不良、破損等の理由による返品から生じる仕入代金の減少額」は「仕入戻し」のことを示しているため、選択肢の記述は不適切です。
答えは(ウ)です。
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