財務・会計 ~H28-3 企業結合(のれん)(1)~

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今回は、「財務・会計 ~H28-3 企業結合(のれん)(1)~」について説明します。

 

目次

財務・会計 ~平成28年度一次試験問題一覧~

平成28年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

企業結合(のれん) -リンク-

本ブログにて「企業結合(のれん)」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

企業結合(のれん)の会計処理

企業結合(のれん)に関する会計処理は「企業結合に関する会計基準」の中で定められています。
「企業結合に関する会計基準」では、企業結合に該当する取引を以下の3種類に分類しています。

  • 取得
    「取得」とは、ある企業が他の企業に対する支配を獲得することをいい、共同支配企業の形成及び共通支配下の取引以外の企業結合をいう。
  • 共同支配企業の形成
    「共同支配企業」とは、複数の独立した企業により共同で支配される企業をいい、「共同支配企業の形成」とは、複数の独立した企業が契約等に基づき、当該共同支配企業を形成する企業結合をいう。
  • 共同支配事業の取引
    結合当事企業(又は事業)のすべてが、企業結合の前後で同一の株主により最終的に支配され、かつ、その支配が一時的ではない場合の企業結合をいう。親会社と子会社の合併及び子会社同士の合併は、共通支配下の取引に含まれる。

 

取得

「取得」とは、共同支配企業の形成及び共通支配下の取引以外の全ての企業結合と定義されているため非常に範囲が広いですが、一番イメージしやすいのは企業の買収であり、ある企業が他の企業に対する支配を獲得することをいいます。

企業を買収する場合、買収する側の企業を「取得企業」といい、買収される側の企業を「被取得企業」といいます。(厳密にはもう少し細かい定義があります。)

企業(取得企業)は買収することによって、企業そのものだけでなく、買収される側の企業(被取得企業)の信用力や技術力といった見えないブランド力を手に入れることができます。このように、見えない価値であるブランド力を金額に換算したものを「のれん」といいます。

例えば、「純資産(資産-負債)」が「100億円」の企業を「120億円」で買収した場合は、被取得企業の純資産だけではなく、金額としては現れないブランド力を「20億円」で手に入れたと考えます。この金額を「のれん」といいます。

 

 

また、「純資産(資産-負債)」が「100億円」の企業を「80億円」で買収した場合は、被取得企業の純資産を「20億円分」分割安で手に入れたと考えます。この金額を「負ののれん」といいます。

 

 

のれんの会計処理

「のれん」が生じた場合は、貸借対照表に「無形固定資産」として計上します。

「のれん」は、20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法その他の合理的な方法によって規則的に償却を行い、「販売費及び一般管理費」として計上します。

ただし、「のれん」の金額に重要性が乏しい場合には「のれん」が生じた事業年度の損益計算書において費用として処理することもできます

 

負ののれんの会計処理

「負ののれん」は、原則として「負ののれん」が生じた事業年度の損益計算書において「特別利益」として計上します。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成28年度 第3問】

のれんに関する記述として最も適切なものはどれか。

ア 「中小企業の会計に関する指針」では、のれんの償却を行わないとしている。
イ のれんとは、被合併会社から受け継ぐ総資産額が被合併会社の株主に交付される金額よりも大きいときに計上される。
ウ のれんの償却期間は最長5年である。
エ のれんはマイナスの金額になることもあり、その場合、発生時の損益計算書に特別利益として計上される。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

 

(ア)不適切です。

「中小企業の会計に関する指針」においても、「個別注記表の例示」の中で「のれん」は無形固定資産として定額法で注記するように記載されており、「のれんの償却を行わない」というような表記はされていません。

 

(イ)不適切です。

「のれん」とは、合併会社の取得原価が、被合併会社の資産と負債に配分された純額を上回る場合に認識されるため、選択肢(イ)は不適切です。

 

 

(ウ)不適切です。

「のれん」の償却期間は最長20年のため、選択肢(ウ)は不適切です。

 

(エ)適切です。

のれんがマイナスの金額になった場合は「負ののれん」として認識します。
「負ののれん」は、原則として「負ののれん」が生じた事業年度の損益計算書において「特別利益」として計上します。

 

答えは(エ)です。


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