財務・会計 ~H29-2 経過勘定科目(2)受取利息の決算整理仕訳~

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今回は、「財務・会計 ~H29-2 経過勘定科目(2)受取利息の決算整理仕訳~」について説明します。

 

目次

財務・会計 ~平成29年度一次試験問題一覧~

平成29年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

経過勘定科目 -リンク-

本ブログにて「経過勘定科目」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

経過勘定科目

「経過勘定科目」とは、継続的な役務の提供において発生する費用や収益を、発生した期に正しく割り当てるための調整項目であり、「企業会計原則注解(注5)」において「前払費用」「前受収益」「未払費用」「未収収益」といった4種類の勘定科目が定められています。

継続的な役務の提供に対する対価は時間の経過とともに発生すると考え、当期の費用・収益と次期以降の費用・収益を明確に区別して損益計算を行うとともに、貸借対照表に「経過勘定科目」として計上しなければなりません。

 

経過勘定科目の種類

「経過勘定科目」である「前払費用」「前受収益」「未払費用」「未収収益」について以下に示します。

 

前払費用

次期以降も継続して役務の提供を受ける場合において、既に次期以降の費用を支払っている場合、次期以降の費用は「貸借対照表」に「前払費用(資産)」として計上するとともに、「損益計算書」において当期の費用から除去します。

 

前受収益

次期以降も継続して役務の提供を行う場合において、既に次期以降の収益を受け取っている場合、次期以降の収益は「貸借対照表」に「前受収益(負債)」として計上するとともに、「損益計算書」において当期の収益から除去します。

 

未払費用

継続して役務の提供を受けているにもかかわらず、既に提供を受けた当期分の費用を支払っていない場合、当期分の費用を「貸借対照表」に「未払費用(負債)」として計上するとともに、「損益計算書」に当期の費用として計上します。

 

未収収益

継続して役務の提供を行っているにもかかわらず、既に提供を行った当期分の収益を受け取っていない場合、当期分の収益を「貸借対照表」に「未収収益(資産)」として計上するとともに、「損益計算書」に当期の収益として計上します。

 

「前払金」「前受金」「未払金」「未収金」との違い

「経過勘定科目」は、継続的な役務の提供において発生する費用や収益を、発生した期に正しく割り当てるための調整項目ですが、「継続的ではないもの」や「物品の売買など役務の提供には該当しないもの」については、経過勘定科目ではなく「前払金」「前受金」「未払金」「未収金」を使用します。

また、継続的な役務の提供であったとしても、既に契約が終了している場合、支払期限を過ぎて支払っていない費用または受け取っていない費用については「未払金」「未収金」を使用します。

 

企業会計原則注解(注5) ~経過勘定科目について~

  1. 前払費用
    前払費用は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、いまだ提供されていない役務に対し支払われた対価をいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過とともに次期以降の費用となるものであるから、これを当期の損益計算から除去するとともに貸借対照表の資産の部に計上しなければならない。また、前払費用は、かかる役務提供契約以外の契約等による前払金とは区別しなければならない。
  2. 前受収益
    前受収益は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、いまだ提供していない役務に対し支払を受けた対価をいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過とともに次期以降の収益となるものであるから、これを当期の損益計算から除去するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。また、前受収益は、かかる役務提供契約以外の契約等による前受金とは区別しなければならない。
  3. 未払費用
    未払費用は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供された役務に対していまだその対価の支払が終らないものをいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過に伴いすでに当期の費用として発生しているものであるから、これを当期の損益計算に計上するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。また、未払費用は、かかる役務提供契約以外の契約等による未払金とは区別しなければならない。
  4. 未収収益
    未収収益は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、すでに提供した役務に対していまだその対価の支払を受けていないものをいう。従って、このような役務に対する対価は時間の経過に伴いすでに当期の収益として発生しているものであるから、これを当期の損益計算に計上するとともに貸借対照表の資産の部に計上しなければならない。また、未収収益は、かかる役務提供契約以外の契約等による未収金とは区別しなければならない。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成29年度 第2問】

20X2年1月1日に300,000千円を期間6カ月、年利5%で取引先Z社に貸し付けた。20X2年6月30日に利息と元金を合わせて受け取る予定である。会計期間は20X2年3月31日までの1年間である。決算にあたり計上される未収利息の金額として、最も適切なものはどれか。

 

ア 3,750千円
イ 7,500千円
ウ 15,000千円
エ 30,000千円

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

「受取利息」の見越し計上(未収収益)に関する問題です。

取引先Z社に対して短期貸付を行い、受取利息は元金と同様に6か月後の返済時に一括して受け取る予定ですが、受取利息は貸付期間にわたって、時間の経過とともに発生していくと考えるため、決算に際して当期分の受取利息は当期の収益として計上しなければなりません。

 

「20X2年6月30 日(6か月後)に受け取る利息」は以下の通りです。

  • 300,000千円 × 5% × 6か月 ÷ 12か月 = 7,500千円

 

決算のタイミングで受け取ってはいませんが、時間の経過とともに発生している「受取利息」は以下の通り計算することができます。

  • 7,500千円 × 3ヶ月 ÷ 6ヶ月 = 3,750千円

 

 

仕訳

決算における「受取利息」の見越し計上(未収収益)に関する仕訳は以下の通りです。

 

借方 貸方
未収収益(貸借対照表) 3,750千円 受取利息(損益計算書) 3,750千円

 

答えは(ア)です。


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