今回は、「財務・会計 ~H22-6 キャッシュ・フロー計算書(7)投資CF~」について説明します。
目次
財務・会計 ~平成22年度一次試験問題一覧~
平成22年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。
キャッシュ・フロー計算書(一次試験) -リンク-
一次試験に向けて「キャッシュ・フロー計算書」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。
- キャッシュ・フロー計算書のまとめ
- キャッシュ・フロー計算書(1)営業CF
- キャッシュ・フロー計算書(2)投資CF
- キャッシュ・フロー計算書(3)財務CF
- R5-9 キャッシュ・フロー計算書(13)
- R3-9 キャッシュ・フロー計算書(12)
- R2-13 キャッシュ・フロー計算書(11)
- H30-12 キャッシュ・フロー計算書(10)
- H29-13/H27-9 キャッシュ・フロー計算書(4)営業CF
- H28-9-1 キャッシュ・フロー計算書(5)
- H25-4 キャッシュ・フロー計算書(8)資金の範囲
- H24-4 キャッシュ・フロー計算書(9)営業CF
- H24-13 キャッシュ・フロー計算書(6)営業CF
キャッシュ・フロー計算書(二次試験) -リンク-
二次試験(事例Ⅳ)に向けた「キャッシュ・フロー計算書」の記事は、以下のページに整理していますので、アクセスしてみてください。
キャッシュ・フロー計算書
「キャッシュ・フロー」とは「キャッシュ(資金)」の「フロー(流れ)」であり「資金の収入・支出」を示しています。
「キャッシュ・フロー計算書」は、企業の一会計期間における「資金の収入・支出」の状況を報告する財務諸表であり、「貸借対照表」や「損益計算書」と同様に、株主を始めとした利害関係者が、企業の経営状況を知るために重要な情報源です。
「キャッシュ・フロー計算書」では「資金の収入・支出」を「営業活動」と「投資活動」と「財務活動」に区分して表示します。
- 営業活動によるキャッシュ・フロー
- 投資活動によるキャッシュ・フロー
- 財務活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フロー
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、企業がどれだけの現金を投資しているかを表しています。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」が「プラス」となっている場合は、企業が過去に投資した設備等により収益を上げることに注力しているケースが考えられます。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」が「マイナス」となっている場合は、新規事業を始めるために新しい設備を導入したり、既存製品を効率的に製造するための設備更改を実施したり、企業が積極的な投資を実施しているケースが考えられます。
上述の通り、「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、一概には「プラス」が良いとも「マイナス」が良いとも判断できるものではではなく、その内容が重要です。
投資活動によるCFに区分される項目
「投資活動によるキャッシュ・フロー」に区分される主な項目は以下の通りです。
- 固定資産の売却/取得による支出
- 有価証券の売却/取得による支出
- 貸付金の回収による収入
- 貸付けによる支出
投資活動によるCFの算出方法
「投資活動によるキャッシュ・フロー」の算出方法を以下に示します。
【投資活動によるキャッシュ・フロー】
試験問題
それでは、実際の試験問題を解いてみます。
【平成22年度 第6問】
当期の資産と損益に関する次の資料(単位:千円)に基づいて、キャッシュ・フロー計算書の空欄Aに入る数値として最も適切なものを下記の解答群から選べ(単位:千円)。
資産 損益 期首 期末 減価償却費 2,040 有形固定資産 48,700 47,000 固定資産売却益 150 減価償却累計額 12,000 13,200 36,700 33,800
キャッシュ・フロー計算書 営業活動によるキャッシュ・フロー 営業収入 186,600 原材料または商品の仕入れによる支出 △138,600 人件費の支出 △9,300 その他の営業支出 △7,800 小計 30,900 利息及び配当金の受取額 1,500 利息の支払額 △460 法人税等の支払額 △11,800 営業活動によるキャッシュ・フロー 20,140 投資活動によるキャッシュ・フロー 有価証券の売却による収入 1,850 有形固定資産の売却による収入 [ A ] 投資活動によるキャッシュ・フロー [ ] (以下省略)
[解答群]
ア 840
イ 960
ウ 1,010
エ 1,200
中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html)
考え方と解答
投資活動によるキャッシュ・フローに関する知識を問う問題です。
期首における減価償却累計額を控除した有形固定資産残高が「36,700千円」で、当期における減価償却費が「2,040千円」だとした場合、期末における有形固定資産残高が「34,660千円」となるはずですが、問題文の資料を見ると「33,800千円」となっており一致しません。
その差額「860千円」が、当期中に売却した有形固定資産の簿価となります。
固定資産を売却した結果、固定資産売却益「150千円」が発生しているため、固定資産売却価格(有形固定資産の売却による収入)は「860千円+150千円=1,010千円」となります。
答えは(ウ)です。
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