財務・会計 ~H23-10 原価計算(総合原価計算)(5)~

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今回は、「財務・会計 ~H23-10 原価計算(総合原価計算)(5)~」について説明します。

 

目次

財務・会計 ~平成23年度一次試験問題一覧~

平成23年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

総合原価計算

「総合原価計算」については、過去にも説明していますので、以下のページにもアクセスしてみてください。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成23年度 第10問】

当社は製品を単一工程で大量生産している。材料はすべて工程の始点で投入している。当月分の製造に関する次の資料により、完成品原価として最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 

<数量データ> (注)月初仕掛品はない。( )内は加工進捗度を表す。
当月投入  1,200kg
月末仕掛品  500kg(40%)
完成品    700kg

 

<原価データ>

直接材料費 加工費
当月製造費用 48,000千円 45,000千円

 

[解答群]
ア 30,000千円
イ 54,250千円
ウ 63,000千円
エ 72,333千円

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

問題文の理解

問題の中に記載されている文章から、以下の2点を読み取ってください。

 

  • 材料は工程の始点ですべて投入する
    工程の始点で材料を投入するため、「月末仕掛品」は加工進捗度に関わらず材料が100%投入されている。
  • 「当月投入原価」を「当月完成品原価」と「月末仕掛品原価」に按分する
    「月初仕掛品」が存在しないため、当月投入した原価の合計額を「当月完成品」と「月末仕掛品」に数量比率で按分して「月末仕掛品原価」を算出する。(「月初仕掛品」が存在しないため「平均法」や「先入先出法」という観点での考慮は不要)

 

原価ボックスの作成(問題中の値を投入)

問題文で与えられている情報に基づき、原価ボックスを作成します。

 

材料費

「月初仕掛品」が存在しないため、以下の原価ボックスフォーマットを利用します。
材料は工程の始点で材料を投入するため、「月末仕掛品」は加工進捗度に関わらず100%の数量が入ります。

 

 

  • 月末仕掛品:材料は工程の始点で投入されるため500kgとなる。
  • 当月投入数量:当月完成品(700kg)+ 月末仕掛品(500kg) = 1,200kg
  • 当月完成品原価:48,000千円 ÷ 1,200kg × 700kg = 28,000千円
  • 月末仕掛品原価:48,000千円 ÷ 1,200kg × 500kg = 20,000千円

 

加工費

「月初仕掛品」が存在しないため、以下の原価ボックスフォーマットを利用します。
加工費は進捗度に比例して原価が発生するため、「月末仕掛品」は加工進捗度に応じた数量が入ります。問題で与えられたデータから「月末仕掛品数量」を算出してから「当月投入数量」を求めるのがポイントです。

 

 

  • 月末仕掛品数量: 500kg × 加工進捗度40% = 200kg
  • 当月投入数量:当月完成品(700kg)+ 月末仕掛品(200kg)= 900kg
  • 当月完成品原価:45,000千円 ÷ 900kg × 700kg = 35,000千円
  • 月末仕掛品原価:45,000千円 ÷ 900kg × 200kg = 10,000千円

 

完成品原価

「材料費」と「加工費」の「完成品原価」を合計します。

 

  • 材料費(28,000千円)+ 加工費(35,000千円)= 63,000千円

 

答えは(ウ)です。


 

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