財務・会計 ~H24-17-2 MM理論(4)~

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今回は、「財務・会計 ~H24-17-2 MM理論(4)~」について説明します。

 

目次

財務・会計 ~平成24年度一次試験問題一覧~

平成24年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

MM理論 -リンク-

「MM理論」とは、1958年にフランコ・モディリアーニとマートン・ミラーが提唱した理論であり、完全市場では企業の資本構成および配当政策は企業価値に影響を与えないというものです。

「MM理論」については、過去にも説明していますので、以下のページにもアクセスしてみてください。

 

MM理論のポイント

「MM理論」の問題を解くうえでポイントとなる3点を以下に示します。

以下のポイントを押さえておけば、一次試験に出題される問題の多くは解くことができるはずです。

 

MM理論の問題を解くためのポイント

  1. 法人税が存在しない場合、企業の資本構成(負債と株主資本の割合)が変わっても企業価値は変わらない。
  2. 法人税が存在する場合、負債の割合が大きい企業の方が、節税効果が得られるため、負債の割合が少ない企業より、企業価値が高くなる。
  3. 負債による節税効果は「負債額×法人税率」で算出される。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成24年度 第17問】

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

現在、X社は総資本10億円(時価ベース)の全額を株主資本で調達して事業活動を行っており、その税引前総資本営業利益率は12%である。また、ここでの税引前営業利益は税引前当期利益に等しく、また同時に税引前キャッシュフローにも等しいものとする。X社は今後の事業活動において、負債の調達と自己株式の買い入れによって総資本額を変えずに負債と株主資本との割合を4:6に変化させることを検討しており、その影響について議論している。

 

(設問2)

完全市場において法人税のみが存在する場合、X社が資本構成を変化させることで、企業全体の価値にどのような影響があるか。最も適切なものを選べ。なお、実効税率は40%である。

 

ア 2,400万円企業価値が減少する。
イ 2,400万円企業価値が上昇する。
ウ 16,000万円企業価値が減少する。
エ 16,000万円企業価値が上昇する。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答(設問2)

(設問2)はMM理論に関する問題です。

 

資本構成を以下の通り変更した場合、完全市場において法人税が存在すると企業全体の価値にどのような影響があるか。という設問であり、これは、MM理論の典型的な問題です。

 

負債 株主資本 総資本
変更前 10億円 10億円
変更後 4億円 6億円 10億円

 

MM理論の問題を解くためのポイント

  1. 法人税が存在しない場合、企業の資本構成(負債と株主資本の割合)が変わっても企業価値は変わらない。
  2. 法人税が存在する場合、負債の割合が大きい企業の方が、節税効果が得られるため、負債の割合が少ない企業より、企業価値が高くなる。
  3. 負債による節税効果は「負債額×法人税率」で算出される。

 

MM理論のポイント「2」と「3」に基づき問題を解いていきます。

MM理論が成り立つ条件の下で法人税が存在する場合は、負債の節税効果(負債額×税率)の分だけ、企業価値が高くなります。

問題文の「完全市場において」というキーワードが「MM理論が成り立つ条件の下で」ということを表しています。その場合、企業価値は負債の節税効果の分だけ高くなります。

 

  • 負債の節税効果 = 負債額(40,000万円)× 実行税率(40%)= 16,000万円

 

答えは(エ)です。


 

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