財務・会計 ~H24-22 デリバティブ取引(先渡取引と先物取引)(2)~

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今回は、「財務・会計 ~H24-22 デリバティブ取引(先渡取引と先物取引)(2)~」について説明します。

 

「デリバティブ取引」は二次試験(事例Ⅳ)でも出題される可能性があるため、一次試験の段階からしっかりと勉強しておきましょう。

目次

財務・会計 ~平成24年度一次試験問題一覧~

平成24年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

デリバティブ取引(一次試験) -リンク-

本ブログにて「デリバティブ取引(一次試験)」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

デリバティブ取引(二次試験) -リンク-

本ブログにて「デリバティブ取引(二次試験)」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

デリバティブ取引の目的

材料や商品や製品の輸入や輸出を行う企業においては、為替レートの変動に伴う「為替変動リスク」の対策として「デリバティブ取引」を活用します。

「デリバティブ取引」は、為替レートの変動による損失(為替変動リスク)を回避(ヘッジ)するための手段であり、代表的な方法として「為替予約」と「オプション取引」と「スワップ取引」があります。

輸入を行う企業は業績に悪い影響を与える「円安」になった時に備えて、輸出を行う企業は業績に悪い影響を与える「円高」になった時に備えて、「デリバティブ取引」でリスクヘッジを行います。

なお、中小企業診断士試験で出題される「デリバティブ取引」は、あくまで「為替変動リスク」による損失を回避するための手段であり、為替レートの変動により利益を得ることが目的ではありません

 

「デリバティブ取引」の説明では、取引先企業の通貨が「ドル」であることを前提としていますが、取引先企業がヨーロッパの場合は「ユーロ」に読み替えるなど、現地通貨と理解してください。

 

先渡取引と先物取引の特徴

 

先渡取引

先渡取引は、店頭などで相対取引により行われ、以下のような特徴があります。

  • 取引相手が決まっているため、流動性が低く、信用リスクも高い取引です。
  • 取引の当事者間で取引内容を自由に決めることができる取引です。
  • 取引は現物決済となるため、全額を受け渡します。
  • 原則として、期限日に現物を引き渡します。
  • 現物決済となるため、取引には100%の資金が必要です。
  • 委託証拠金は発生しません。

 

先物取引

先物取引は東京証券取引所、大阪証券取引所、東京金融先物取引所などの取引所を通じて行われ、以下のような特徴があります。

  • 流動性が高く、信用リスクも低い取引です。
  • 取引所を通じて、定型化された商品を取り扱う取引です。
  • 現物のない取引で、反対取引による差金決済で損益を受け渡します。
  • 期限日までであればいつでも差金決済することができます。
  • 数%の資金で取引を行うため、レバレッジ効果が高い
  • 証拠金制度(商品の価格により変動)により、取引の履行を確保している取引です。

 

「レバレッジ」とは、日本語では「てこの原理」のことを示しており、少ない資金で大きな利益を手に入れるという意味で使われています。

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成24年度 第22問】

先物取引に関する記述として、最も不適切なものはどれか

 

ア 先物取引は、必ずしも現物の受渡しを必要としない。
イ 先物取引は、定型化されており取引所において取引される。
ウ 先物取引は、特定の受渡日に取引が決済される。
エ 先物取引は、日々証拠金の値洗いが行われる。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

先渡取引と先物取引の特徴の違いから、選択肢を一つずつ確認していきます。

 

(ア) 適切です。

先物取引は、必ずしも現物の受渡しを必要としないため、適切です。

 

先渡取引 取引は現物決済となるため、全額を受け渡します。
原則として、期限日に現物を引き渡します。
先物取引 現物のない取引で、反対取引による差金決済で損益を受け渡します。

 

(イ) 適切です。

先物取引は、定型化されており取引所において取引されるため、適切です。

 

先渡取引 取引の当事者間で取引内容を自由に決めることができる取引です。
先物取引 取引所を通じて、定型化された商品を取り扱う取引です。

 

(ウ) 不適切です。

先物取引は、特定の受渡日に取引が決済されるのではなく、期限日までであればいつでも差金決済することができるため、不適切です

 

先渡取引 原則として、期限日に現物を引き渡します。
先物取引 期限日までであればいつでも差金決済することができます。

 

(エ) 適切です。

先物取引は、日々証拠金の値洗いが行われるため、適切です。

 

先渡取引 委託証拠金は発生しません。
先物取引 証拠金制度(商品の価格により変動)により、取引の履行を確保している取引です。

 

答えは(ウ)です。


 

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