財務・会計 ~H24-9 貢献利益(1)~

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今回は、「財務・会計 ~H24-9 貢献利益(1)~」について説明します。

 

目次

財務・会計 ~平成24年度一次試験問題一覧~

平成24年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

貢献利益

二次試験の事例IVで出題される論点のため、一次試験の段階からしっかりと勉強しておいて損はありません。

貢献利益と限界利益の違いを、正確に理解しておく必要がありますので、以下に説明します。

 

貢献利益とは

貢献利益は「共通固定費を回収して利益の獲得に貢献する度合いを示す利益」であり、限界利益から個別部門で発生する固定費を控除した金額で表されます。

 

貢献利益と限界利益の関連性

売上高
 変動費
限界利益
 個別固定費
貢献利益
 共通固定費
営業利益

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成24年度 第9問】

セグメントとしての事業部が各事業部に共通的に発生する固定費を回収し、さらに利益を獲得することに貢献する度合を示す利益額として最も適切なものはどれか。

 

ア 売上高-売上原価
イ 売上高-変動費
ウ 売上高-変動費-管理可能固定費
エ 売上高-変動費-個別固定費

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

今回の問題で出題されている利益と費用の関連性を以下に示します。

 

財務会計

損益計算上における利益と費用の関連性を以下に示します。

 

売上高
 売上原価
売上総利益(ア)
 販売費及び一般管理費
営業利益

 

管理会計

経営分析や予算編成などの管理会計における利益と費用の関連性を以下に示します。

 

売上高
 変動費
限界利益(イ)
 個別固定費  管理可能固定費
管理可能利益(ウ)
 管理不能固定費(個別)
貢献利益(エ)
 共通固定費  管理不能固定費(共通)
営業利益

 

 

(ア)不適切です。

「売上高-売上原価」は「売上総利益」を表しています。

「売上総利益」は「粗利益」とも言われ、売上高から生産コスト(売上原価)を差し引いた利益です。「売上総利益」から販売コストと管理コスト(販売費及び一般管理費)を差し引いた金額が「営業利益」です。

「売上総利益」では「各事業部に共通的に発生する固定費」以外に「事業部で個別に発生する変動費や固定費」も回収できなければならないため、不適切です。

 

(イ)不適切です。

「売上高-変動費」は「限界利益」を表しています。

言いかえると、「限界利益」は「利益」と「固定費」の合計であり、「損益分岐点分析(CVP分析)」などに利用されます。

「限界利益」では「各事業部に共通的に発生する固定費」以外に「事業部で個別に発生する固定費」も回収できなければならないため、不適切です。

 

(ウ)不適切です。

「売上高-変動費-管理可能固定費」は「管理可能利益」を表しています。

「管理可能利益」は、セグメントの責任者(今回の問題では事業部長)が自らの裁量で管理することができる利益です。

「管理不能原価」には「①事業部で個別に発生する固定費」と「②本社から配賦される共通固定費」があり、事業部長がコントロールすることができない固定費を示しています。

「①事業部で個別に発生する固定費」には、事業部の固定資産に関する減価償却費、固定資産税、前任の事業部長が決定した意思決定による費用などが挙げられます。

「管理可能利益」では「各事業部に共通的に発生する固定費」以外に「事業部で個別に発生する管理不能な固定費」も回収できなければならないため、不適切です。

 

(エ)適切です。

「売上高-変動費-個別固定費」は「貢献利益」を表しています。

つまり、「貢献利益」は「売上高」から「各事業部で個別に発生する固定費」を差し引いた利益であり「共通固定費を回収して利益の獲得に貢献する度合いを示す利益」を示しているため、適切です。

 

答えは(エ)です。


 

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