財務・会計 ~H28-8-2 損益分岐点分析(CVP分析)(2)~

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平成28年度 第8問について説明するため、「損益分岐点分析(CVP分析)」「直接原価計算」と順を追って説明しています。

今回は、「財務・会計 ~H28-8-2 損益分岐点分析(CVP分析)(2)~」として「損益分岐点比率」と「安全余裕率」について説明します

 

「損益分岐点分析(CVP分析)」は二次試験(事例Ⅳ)で出題される論点のため、一次試験の段階からしっかりと勉強しておきましょう。

 

目次

財務・会計 ~平成28年度一次試験問題一覧~

平成28年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

損益分岐点分析(一次試験) -リンク-

一次試験に向けて「損益分岐点分析(CVP分析)」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

損益分岐点分析(二次試験) -リンク-

二次試験(事例Ⅳ)に向けた「損益分岐点分析(CVP分析)」の記事は、以下のページに整理していますので、アクセスしてみてください。

 

 

損益分岐点分析(CVP分析)とは

「損益分岐点分析(CVP分析)」では、総費用を変動費と固定費に区分して、目標利益を達成するために必要な売上高や製品の販売数量を分析するなど企業が利益計画を立てるために必要な数値を求めることができます。

「損益分岐点分析(CVP分析)」は、企業の費用構造に関する安全性を分析する手法です。

企業の費用構造上、総費用に占める固定費の割合が低くなると、世の中の不況などの外部環境の変化により売上高が低下しても利益を確保することができるなど、外部環境の変化に対する抵抗力が強くなります。

 

損益分岐点比率

「損益分岐点比率」とは「実際の売上高」と「損益分岐点売上高」の比率を計算した指標です。

「利益」が「プラス」の場合は「損益分岐点比率」は100%未満となり、「利益」が「マイナス」の場合は「損益分岐点比率」が100%を超えます。
また、「実際の売上高」が「損益分岐点売上高」と等しい場合は「損益分岐点比率」は「100%」です。

つまり、「損益分岐点比率」はその数値が低いほど優れており、安全性が高いことを示しています。

 

「損益分岐点比率」の意味

「損益分岐点比率」について、もう少し掘り下げて考えてみます。

 

「損益分岐点比率」は、その数値が低いほど優れており、安全性が高いとされていますが、ここでいう「安全性が高い」とは「不況抵抗力が強い」ということを意味しています

言い換えると、「損益分岐点比率」の数値が低い方が、不況により売上が減少しても利益を確保することができる費用構造であるということです。

 

それでは、売上を増やさずに「損益分岐点比率」を低くするためにはどうすればよいのか。
損益分岐点比率の公式をみると「損益分岐点売上高」を低くすればよいのです。

 

 

それでは、「損益分岐点売上高」を低くするためにはどうすればよいのか。
損益分岐点売上高の公式をみると「固定費」を減らすか「変動費率」を下げればよいことが分かります。

 

 

つまり、費用構造上、固定費を減らすか、変動費率を下げることにより、企業の不況抵抗力が強くなり、不況により売上が落ちても利益を確保することができるようになる。ということです。

 

 

安全余裕率

「安全余裕率」とは「実際の売上高」と「損益分岐点売上高」の差がどれくらいあるかを表す指標です。

「利益」が「プラス」の場合は「安全余裕率」が「プラス」となり、「利益」が「マイナス」の場合は「安全余裕率」も「プラス」となります。
また、「実際の売上高」が「損益分岐点売上高」と等しい場合は「安全余裕率」はゼロです。

つまり、「安全余裕率」はその数値が高いほど優れており、安全性が高いことを示しています。

 

 

損益分岐点比率と安全余裕率の関係

損益分岐点比率と安全余裕率には、以下の関係があります。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。
今回は損益分岐点分析に関する[設問2]について説明します。

【平成28年度 第8問】

次の資料に基づいて、下記の設問に答えよ。

 

【資料】

第1期 第2期
期首在庫 0個 10個
生産量 110個 90個
110個 100個
販売量 100個 100個
期末在庫 10個 0個
  • 販売単価 1,000円
  • 単位当たり変動費 600 円
  • 1期当たり固定費 33,000 円

 

(設問2)

第2期の損益分岐点比率として最も適切なものはどれか。

ア 17.5 %
イ 45.0 %
ウ 55.0 %
エ 82.5 %

 

考え方と解答

損益分岐点売上高

まず、最初に損益分岐点売上高を算出します。

固定費 ÷(1-変動費率) = 33,000 ÷(1- 60% )= 82,500円

 

損益分岐点比率

続いて、損益分岐点比率を算出します。

 

実際の売上高

販売単価 × 販売量 = 1,000円 × 100個 = 100,000円

 

損益分岐点比率

損益分岐点売上高 ÷ 実際の売上高 = 82,500円 ÷ 100,000円 = 82.5%

 

答えは(エ)です。


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