経済学・経済政策 ~R4-15-2 費用曲線とサンクコスト(9)利潤~

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今回は、「経済学・経済政策 ~R4-15-2 費用曲線とサンクコスト(9)利潤~」について説明します。

 

目次

経済学・経済政策 ~令和4年度一次試験問題一覧~

令和4年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

総費用曲線・平均費用曲線・限界費用曲線・利潤曲線 -リンク-

本ブログにて「費用曲線」「平均費用曲線」「限界費用曲線」「利潤曲線」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

完全競争市場・独占市場(供給独占)・独占的競争市場 -リンク-

本ブログにて「完全競争市場」「独占市場(供給独占)」「独占的競争市場」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

生産と費用

財の生産活動により発生する費用には以下の種類があります。
それぞれの費用について、および生産量と費用の関係を表す「費用曲線」について説明します。

 

  • 総費用(TC)
    • 可変費用(VC)
    • 固定費用(FC)
  • 平均費用(AC)
    • 平均可変費用(AVC)
    • 平均固定費用(AFC)
  • 限界費用(MC)

 

総費用(TC:Total Cost)

「総費用(TC)」とは、財の生産に係る費用の合計であり、「固定費用(FC)」と「可変費用(VC)」を合計して求めることができます。

 

 

総費用曲線(TC曲線)

「総費用(TC)」は「固定費用(FC)」と「可変費用(VC)」の合計であり「総費用曲線(TC曲線)」は、以下の図のようになります。

「可変費用(VC)」には、一般的に生産量が少ない状況においては効率が悪く、生産量が増えていくと効率が良くなり費用が逓減し、生産量が過大になると再び効率が悪くなり費用が逓増するという仮定があり「可変費用曲線(VC曲線)」は「逆S字型」の曲線として表されるため「総費用曲線(TC曲線)」も「逆S字型」の曲線となります。

 

総費用曲線(逆S字型)

 

可変費用(VC:Variable Cost)

「可変費用(VC)」とは、原材料費や人件費などの「可変的生産要素」に関する費用であり、生産量の増加に伴い増加する費用のことをいいます。

 

可変費用曲線(VC曲線)

「可変費用(VC)」には、一般的に生産量が少ない状況においては効率が悪く、生産量が増えていくと効率が良くなり費用が逓減し、生産量が過大になると再び効率が悪くなり費用が逓増するという仮定があるため「可変費用曲線(VC曲線)」は「逆S字型」の曲線として表されます

 

可変費用曲線(逆S字型)

 

固定費用(FC:Fixed Cost)

「固定費用(FC)」とは、設備投資などの「固定的生産要素」に関する費用であり、生産量に関わらず一定額で発生する費用のことをいいます。

 

「長期」について考える場合「固定的生産要素」はなくなり「可変的生産要素」のみから構成されるため「固定費用(FC)」はなくなります

 

固定費用曲線(FC曲線)

「固定費用(FC)」は生産量に関わらず一定額で発生するため「固定費用曲線(FC曲線)」は「水平な曲線」として表されます。

 

固定費用曲線

 

平均費用(AC:Average Cost)

「平均費用(AC)」とは、生産物1単位当たりの費用であり「総費用(TC)」を生産量で除するか、または「平均固定費用(AFC)」と「平均可変費用(AVC)」を合計して求めることができます。

 

 

平均費用曲線(AC曲線)

「平均費用曲線(AC曲線)」は、以下の図に示す方法で求めることができます。

「平均費用(AC)」は「総費用(TC)」を生産量で除して求められるため、「上のグラフ」において原点と「総費用曲線(TC曲線)」の交点をつなぐ曲線(直線)の傾きとして求められ、生産量と「平均費用(AC)(上のグラフの傾きの大きさ)」の関係を示した「下のグラフ」が「平均費用曲線(AC曲線)」となります

また、「上のグラフ」で「総費用曲線(TC曲線)」と接する曲線(直線)の接点における生産量で「平均費用(AC)」が最小となります

 

 

平均可変費用(AVC:Average Variable Cost)

「平均可変費用(AVC)」とは、生産物1単位当たりの可変費用のことをいい「可変費用(VC)」を生産量で除して求めることができます。

なお、「平均可変費用(AVC)」は、生産量の増加に伴い増加する費用の平均であり、後述する「限界費用(MC)」の平均と等しくなるため「平均限界費用(AMC)」ということもできます

 

 

平均可変費用曲線(AVC曲線)

「平均可変費用曲線(AVC曲線)」は、以下の図に示す方法で求めることができます。

「平均可変費用(AVC)」は「可変費用(VC)」を生産量で除して求められるため、「上のグラフ」において、縦軸の切片(生産量がゼロのときの総費用=固定費用)と「総費用曲線(TC曲線)」の交点をつなぐ曲線(直線)の傾きとして求められ、生産量と「平均可変費用(AVC)(上のグラフの傾きの大きさ)」の関係を示した「下のグラフ」が「平均可変費用曲線(AVC曲線)」となります

また、「上のグラフ」で「総費用曲線(TC曲線)」と接する曲線(直線)の接点における生産量で「平均可変費用(AVC)」が最小となります

 

 

AC曲線とAVC曲線の位置関係

「平均費用(AC)」は「平均固定費用(AFC)」と「平均可変費用(AVC)」の合計を表しているため「平均費用曲線(AC曲線)」は「平均可変費用曲線(AVC曲線)」よりも上方にあり交差することはありません

また、「平均費用(AC)」が最小点となる生産量の方が「平均可変費用(AVC)」が最小点となる生産量より必ず大きくなります

 

 

 

平均固定費用(AFC:Average Fixed Cost)

「平均固定費用(AFC)」とは、生産物1単位当たりの固定費用のことをいい「固定費用(FC)」を生産量で除して求めることができます。

 

 

平均固定費用曲線(AFC曲線)

「平均固定費用(AFC)」は「平均費用(AC)」から「平均可変費用(AVC)」を差し引いた差分として表されるため、「平均固定費用曲線(AFC曲線)」は明示されません

「固定費用」は生産量に関わらず一定額で発生する費用であるため「平均固定費用(AFC)」は生産量の増加に伴い減少します

 

 

限界費用(MC:Marginal Cost)

「限界費用(MC)」とは、生産量を1単位増加したときの総費用の増加分のことをいいます。

生産量を1単位増加しても「固定費用(FC)」は増減しないため、「限界費用(MC)」の内訳は生産量を1単位増加したときに追加で発生する「可変費用(VC)」の増加分となります

 

 

限界費用曲線(MC曲線)

「限界費用曲線(MC曲線)」は、以下の図に示す方法で求めることができます。

「限界費用(MC)」は生産量を1単位増加したときの総費用の増加分であるため、「上のグラフ」において「総費用曲線(TC曲線)」の傾き(総費用関数を生産量で微分)として求められ、生産量と「限界費用(MC)(上のグラフの傾きの大きさ)」の関係を示した「下のグラフ」が「限界費用曲線(MC曲線)」となります

「下のグラフ」の通り、「総費用曲線(TC曲線)」が「逆S字型」の場合、「限界費用曲線(MC曲線)」は「U字型」となります。また、「上のグラフ」で「総費用曲線(TC曲線)」の傾きが最も緩やかになる生産量で「限界費用(MC)」が最小となります

 

 

費用曲線をまとめて図示

「平均費用曲線(AC曲線)」「平均可変費用曲線(AVC曲線)」「限界費用曲線(MC曲線)」を1つのグラフにまとめて描画すると以下の図のようになります。

それぞれの「費用曲線」を描画する場合のポイントを以下に示します。

 

  • 「限界費用曲線(MC曲線)」は「U字型」と仮定
  • 「限界費用曲線(MC曲線)」は「平均可変費用曲線(AVC曲線)」の最小点で下から上に突き抜ける
  • 「平均固定費用(AFC)」は生産量の増加に伴い減少する。
  • 「平均固定費用(AFC)」は「平均費用曲線(AC曲線)」と「平均可変費用曲線(AVC曲線)」の差として表される。
  • 「限界費用曲線(MC曲線)」は「平均費用曲線(AC曲線)」の最小点で下から上に突き抜ける。

 

 

利潤曲線

「総費用曲線」と「総収入曲線」から求められる「利潤曲線」について説明していきます。

「利潤」とは、総収入から総費用を控除した差分であるため、「総費用曲線」と「総収入曲線」が描画されたグラフにおいて縦軸の差分として表されます

 

 

したがって、「総費用曲線」の方が「総収入曲線」より上に位置する生産量においては「利潤」はマイナスとなっていることを表しており、「総収入曲線」の方が「総費用曲線」より上に位置する生産量においては「利潤」はプラスとなっていることを表しています。

 

 

縦軸に「利潤」を、横軸に「生産量」を取ったグラフに表される「利潤曲線」を以下に示します。

 

 

生産量がゼロの場合、総収入がなく総費用(固定費用)のみが発生するため「利潤」がマイナスとなります。

生産量の増加に伴う総費用の増加分(限界費用)が逓減することによって「利潤」が逓増してマイナスからプラスへと転じますが、ある一定の生産量を超えると総費用の増加分(限界費用)が逓増するようになるため「利潤」が逓減していき、最終的には「利潤」がプラスからマイナスへと転じます

「総費用曲線」と「総収入曲線」の交点において「利潤」がゼロとなります。

「総収入曲線」を平行シフトした曲線と「総費用曲線」の接点において「利潤」が最大または最小となります。

 

完全競争市場

「完全競争市場」とは、財を提供する供給者と需要者が多数存在しており、財が差別化されておらず同質である市場のことをいいます。

 

完全競争市場 独占的競争市場 独占(供給独占)
供給者 多数 多数 1社
市場で扱う財 同一 ある程度差別化 差別化
価格支配力 なし あり あり
市場への参入と退出 長期的には可能 長期的には可能 不可能

 

「完全競争市場」においては、財が差別化されておらず同質であるため、各企業は市場全体で決定した価格を受容する「プライステイカー」として、自らの利潤を最大化させるように生産量を決定します。

 

完全競争市場における需要曲線

「完全競争市場」においては、財の価格が上昇するとその需要量が減少し、財の価格が下落するとその需要量が増加するため、「需要曲線(D)」は右下がりの曲線となります。

また、右下がりの曲線である「需要曲線(D)」と右上がりの曲線である「供給曲線(S)」が均衡する「交点(E)」で、財の「価格(P0)」と「生産量(Q0)」が決定します。

 

完全競争市場の需要曲線(D)と供給曲線(S)

 

完全競争市場の各企業が直面する需要曲線

「完全競争市場」において「需要曲線(D)」と「供給曲線(S)」が均衡する「交点(E)」における価格が「P0」であった場合、市場全体で決定した価格を受容する「プライステイカー」である各企業においては、「生産量」を増減しても財の価格は変動せず「価格(P0)」で固定されるため、各企業が直面する「需要曲線(d)」は水平となります

「完全競争市場」における「需要曲線(D)」が右下がりの曲線であるのに対して、各企業の「需要曲線(d)」が水平となるのは「生産量」の規模が大きく異なるためであり、仮に「完全競争市場」に参入している1つの企業が「生産量(q)」を大量に増やしたとしても、市場全体の「生産量(Q)」には影響を与えない程度であるということを表しています。

 

完全競争市場の各企業が直面する需要曲線(d)

 

各企業が直面する需要曲線は「d」で表されます。
なお、市場全体の需要曲線を表す場合は「D」と表記されます。
各企業の生産量は「q」で表されます。
なお、市場全体の生産量を表す場合は「Q」と表記されます。

 

限界収入(MR:Marginal Revenue)

「限界収入(MR)」とは、生産量を1単位増加したときの総収入の増加分のことをいいます。

「完全競争市場」の各企業は、各企業が直面する「需要曲線(d)」は水平であり、財の「生産量」に関わらず「価格(P0)」で販売できるため、「生産量」を1単位増加すると収入が「価格(P0)」だけ増加します。

したがって、「限界収入(MR)=価格(P0)」となるため、「完全競争市場」において各企業が直面する「限界収入曲線(MR)」は「需要曲線(d)」と同じく水平(MR=d)となります。

 

完全競争市場の各企業が直面する限界収入曲線(MR)

 

限界費用(MC:Marginal Cost)

「限界費用(MC)」とは、生産量を1単位増加したときの総費用の増加分のことをいいます。

 

 

「限界費用(MC)」は生産量を1単位増加したときの総費用の増加分であるため、「総費用曲線(TC曲線)」の傾き(総費用関数を生産量で微分)として求めることができます。

以下に示す図の通り、「限界費用曲線(MC曲線)」は「U字型」となります

 

総費用曲線(上)と限界費用曲線(下)

 

利潤を最大化させる生産量の決定

各企業は、利潤を最大化させるように「生産量(q)」を決定します。

利潤を最大化させる生産量は「限界収入(MR)」から「限界費用(MC)」を控除した「限界利益(MR-MC)」で考えていきます。

「限界利益(MR-MC)」とは、生産量を1単位増加したときの利潤の増加分であるため、「限界利益(MR-MC)」が「プラス」であれば、企業が財を生産すればするほどその利潤は大きくなりますが、「限界利益(MR-MC)」が「マイナス」であれば、企業が財を生産すればするほどその利潤は小さくなってしまいます

これまでに説明した「限界収入曲線(MR)」と「限界費用曲線(MC)」を組み合わせて「限界利益(MR-MC)」のイメージを図にすると以下のようになります。

 

完全競争市場の各企業における利潤の最大化

 

「限界利潤(MR-MC)」が「ゼロ」となる「生産量(Q0)」までは、生産量を1単位増加する度に、企業の利潤は増加していきますが、「生産量(Q0)」を超えると「限界利潤(MR-MC)」が「マイナス」となり、生産量を1単位増加する度に、企業の利潤が減少してしまうことが分かります。

したがって、「完全競争市場」の各企業は利潤を最大化させる生産量として「限界利潤(MR-MC)」が「ゼロ(MR=MC)」となる「交点E」の「生産量(Q0)」に決定します

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和4年度 第15問】

利潤最大化を達成するための最適生産について考えるためには、総収入と総費用の関係を見ることが重要である。下図には、総収入曲線TRと総費用曲線TCが描かれている。

この図に基づいて、下記の設問に答えよ。

 

 

(設問2)

利潤に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 

a Q1の生産量では、価格が限界費用を上回っており、生産を増やせば利潤が増加する。

b Q0の生産量では、総収入曲線の傾きと、総費用曲線の接線の傾きが等しくなっており、利潤最大化と最適生産が実現している。

c Q2の生産量では、限界費用が価格を上回っており、生産を減らせば利潤が増加する。

 

[解答群]

ア a:正 b:正 c:正
イ a:正 b:正 c:誤
ウ a:正 b:誤 c:正
エ a:誤 b:正 c:正
オ a:誤 b:正 c:誤

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答(設問2)

総費用曲線と総収入曲線から求められる利潤に関する知識を問う問題です。

 

「利潤」とは、総収入から総費用を控除した差分であるため、「総費用曲線」と「総収入曲線」が描画されたグラフにおいて縦軸の差分として表されます

 

 

したがって、「総費用曲線」の方が「総収入曲線」より上に位置する生産量においては「利潤」はマイナスとなっていることを表しており、「総収入曲線」の方が「総費用曲線」より上に位置する生産量においては「利潤」はプラスとなっていることを表しています。

 

 

縦軸に「利潤」を、横軸に「生産量」を取ったグラフに表される「利潤曲線」を以下に示します。

 

 

生産量がゼロの場合、総収入がなく総費用(固定費用)のみが発生するため「利潤」がマイナスとなります。

生産量の増加に伴う総費用の増加分(限界費用)が逓減することによって「利潤」が逓増してマイナスからプラスへと転じますが、ある一定の生産量を超えると総費用の増加分(限界費用)が逓増するようになるため「利潤」が逓減していき、最終的には「利潤」がプラスからマイナスへと転じます

「総費用曲線」と「総収入曲線」の交点において「利潤」がゼロとなります。

「総収入曲線」を平行シフトした曲線と「総費用曲線」の接点において「利潤」が最大または最小となります。

 

(a) 適切です。

「総収入曲線」を平行シフトした曲線と「総費用曲線」の接点において「利潤」が最大または最小となります。

 

 

したがって、問題で与えられた図において「生産量(Q1)」は利潤が最大化する「生産量(Q0)」よりも生産量が少ないため、生産量を増やせば利潤が増加することは確認できます。

 

しかし、「価格が限界費用を上回っている」という記述が適切かどうか判断できないため、「完全競争企業」において各企業が利潤を最大化させる生産量を決定するグラフから「生産量(Q1)」における「価格」と「限界費用」の関係を確認していきます。

 

完全競争市場の各企業における利潤の最大化

 

上記のグラフから、「限界利潤(MR-MC)」が「ゼロ」となる「生産量(Q0)」までは「価格(P0)= 限界収入(MR)」が「限界費用(MC)」を上回るため、生産量を1単位増加する度に、企業の利潤は増加していきますが、「生産量(Q0)」を超えると「限界費用(MC)」が「価格(P0)= 限界収入(MR)」を上回るため、生産量を1単位増加する度に、企業の利潤が減少してしまうことが分かります。

 

この結果から、利潤が最大となる「生産量(Q0)」よりも少ない「生産量(Q1)」おいては価格が限界費用を上回っていることを確認できました。

 

したがって、Q1の生産量では、価格が限界費用を上回っており、生産を増やせば利潤が増加するため、選択肢の内容は適切です

 

(b) 適切です。

「総収入曲線」を平行シフトした曲線と「総費用曲線」の接点において「利潤」が最大または最小となります。

 

 

問題で与えられた図において、「総収入曲線(TR)」を平行シフトした曲線と「総費用曲線(TC)」が接している「生産量(Q0)」において「利潤」が最大となります。

 

したがって、Q0の生産量では、総収入曲線の傾きと、総費用曲線の接線の傾きが等しくなっており、利潤最大化と最適生産が実現しているため、選択肢の内容は適切です

 

(c) 適切です。

解説している内容は(a)と同じです。

「総収入曲線」を平行シフトした曲線と「総費用曲線」の接点において「利潤」が最大または最小となります。

 

 

したがって、問題で与えられた図において「生産量(Q2)」は利潤が最大化する「生産量(Q0)」よりも生産量が大きいため、生産量を減らせば利潤が増加することは確認できます。

 

しかし、「限界費用が価格を上回っている」という記述が適切かどうか判断できないため、「完全競争企業」において各企業が利潤を最大化させる生産量を決定するグラフから、「生産量(Q2)」における「価格」と「限界費用」の関係を確認していきます。

 

完全競争市場の各企業における利潤の最大化

 

上記のグラフから、「限界利潤(MR-MC)」が「ゼロ」となる「生産量(Q0)」までは「価格(P0)= 限界収入(MR)」が「限界費用(MC)」を上回るため、生産量を1単位増加する度に、企業の利潤は増加していきますが、「生産量(Q0)」を超えると「限界費用(MC)」が「価格(P0)= 限界収入(MR)」を上回るため、生産量を1単位増加する度に、企業の利潤が減少してしまうことが分かります。

 

この結果から、利潤が最大となる「生産量(Q0)」よりも多い「生産量(Q2)」おいては限界費用が価格を上回っていることを確認できました。

 

したがって、Q2の生産量では、限界費用が価格を上回っており、生産を減らせば利潤が増加するため、選択肢の内容は適切です

 

「a:正 b:正 c:正」であるため、答えは(ア)です。


 

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