財務・会計 ~R4-2 貸借対照表(3)~

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今回は、「財務・会計 ~R4-2 貸借対照表(3)~」について説明します。

 

目次

貸借対照表 -リンク-

本ブログにて「貸借対照表」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

貸借対照表

「貸借対照表」とは、ある時点(企業の決算時期など)における企業の財政状態を示す財務諸表であり、「左辺(借方)」には「資産の部」が、「右辺(貸方)」には「負債の部」と「純資産の部」が記載されています。

「貸借対照表」では「左辺(借方)」の合計と「右辺(貸方)」の合計が必ず一致するため、「バランスシート(BS)」とも呼ばれています。

 

貸借対照表フォーマット

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和4年度 第2問】

A、B、Cの各商店は、いずれも資産2,000万円、負債500万円を有する小売業であるが、あるとき各商店ともそれぞれ800万円で店舗を増築した。支払いの内訳は以下のとおりである。

 

  • A店は全額を自店の現金で支払った。
  • B店は建築費の半額を銀行より借り入れ、残額を自店の現金で支払った。
  • C店は全額、銀行からの借り入れであった。

 

下表のア~オのうち、増築後の各商店の財政状態を示すものとして、最も適切なものはどれか。

 

店名 資産 負債 純資産
A 2,000 500 1,500
B 2,000 900 1,100
C 2,800 1,300 1,500
A 2,000 500 1,500
B 2,400 900 1,500
C 2,800 1,300 1,500
A 2,800 2,800
B 2,800 400 2,400
C 2,800 800 2,000
A 2,800 500 1,500
B 2,800 900 1,500
C 2,800 1,300 1,500
A 2,800 500 2,300
B 2,800 900 1,900
C 2,800 1,300 1,500

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

商店が店舗を増築することによって財政状態(貸借対照表)がどのように変化するかを問われています。

 

商店によって資金調達方法が異なりますが、店舗の増築により「現金(資産)」「建物(資産)」「借入金(負債)」が変化します。

店舗を増築しても「純資産」は変化しないため、財政状態(貸借対照表)の変化を確認しなくても、この時点で(イ)(エ)以外の選択肢は除外することができます。

 

店舗の増築により財政状態(貸借対照表)がどのように変化するかを確認していくため、店舗を増築する前の財政状態(貸借対照表)を確認します。

貸借対照表では「左辺(借方)」と「右辺(貸方)」の金額が必ず一致するため、純資産は資産から負債を控除した価額となります。

 

  • 純資産 = 資産(2,000万円)- 負債(500万円)= 1,500万円

 

店舗を増築する前の財政状態

 

A店の財政状態(貸借対照表)

A店では、銀行から借り入れることなく、自店の資産から施工業者に建築費(800万円)を支払います。A店が店舗を増築した場合の財政状態(貸借対照表)の変化を確認していきます。

 

仕訳処理

A店が店舗を増築する際の仕訳処理は以下の通りです。

建築費の支払い
借方 貸方
建物(資産) 8,000,000 現金(資産) 8,000,000

 

財政状態(貸借対照表)の変化

A店では、建築費の支払いにより「現金(資産)」が800万円減少して「建物(資産)」が800万円増加するため、資産の総額は増減しません

 

  • 資産:2,000万円 - 800万円(現金)+ 800万円(建物)= 2,000万円
  • 負債:500万円(変化なし)
  • 純資産:1,500万円(変化なし)

 

A店が店舗を増築した場合の財政状態(貸借対照表)の変化は以下の通りです。

 

店舗を増築した後の財政状態(A店)

 

B店の財政状態(貸借対照表)

B店では、建築費の半額(400万円)を銀行から借り入れて、施工業者に建築費(800万円)を支払います。B店が店舗を増築した場合の財政状態(貸借対照表)の変化を確認していきます。

 

仕訳処理

B店が店舗を増築する際の仕訳処理は以下の通りです。

銀行からの借り入れ
借方 貸方
現金(資産) 4,000,000 借入金(負債) 4,000,000
建築費の支払い
借方 貸方
建物(資産) 8,000,000 現金(資産) 8,000,000

 

財政状態(貸借対照表)の変化

B店では、銀行からの借り入れにより「現金(資産)」と「借入金(負債)」が400万円増加した後、建築費の支払いにより「現金(資産)」が800万円減少して「建物(資産)」が800万円増加します。

 

  • 資産:2,000万円 + 400万円(現金)- 800万円(現金)+ 800万円(建物)= 2,400万円
  • 負債:500万円 + 400万円(借入金)= 900万円
  • 純資産:1,500万円(変化なし)

 

B店が店舗を増築した場合の財政状態(貸借対照表)の変化は以下の通りです。

 

店舗を増築した後の財政状態(B店)

 

C店の財政状態(貸借対照表)

C店では、建築費の全額(800万円)を銀行から借り入れて、施工業者に建築費(800万円)を支払います。C店が店舗を増築した場合の財政状態(貸借対照表)の変化を確認していきます。

 

仕訳処理

C店が店舗を増築する際の仕訳処理は以下の通りです。

銀行からの借り入れ
借方 貸方
現金(資産) 8,000,000 借入金(負債) 8,000,000
建築費の支払い
借方 貸方
建物(資産) 8,000,000 現金(資産) 8,000,000

 

財政状態(貸借対照表)の変化

C店では、銀行からの借り入れにより「現金(資産)」と「借入金(負債)」が800万円増加した後、建築費の支払いにより「現金(資産)」が800万円減少して「建物(資産)」が800万円増加します。

 

  • 資産:2,000万円 + 800万円(現金)- 800万円(現金)+ 800万円(建物)= 2,800万円
  • 負債:500万円 + 800万円(借入金)= 1,300万円
  • 純資産:1,500万円(変化なし)

 

C店が店舗を増築した場合の財政状態(貸借対照表)の変化は以下の通りです。

 

店舗を増築した後の財政状態(C店)

 

増築後の各商店の財政状態

店舗を増築した後の各商店の財政状態は以下の通りです。

 

店名 資産 負債 純資産
A 2,000 500 1,500
B 2,400 900 1,500
C 2,800 1,300 1,500

 

答えは(イ)です。


 

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