このブログでは二次試験(事例Ⅲ/事例Ⅳ)についても説明していますので、参考としてください。

経済学・経済政策~H29-19 公共財と政府規制(2)公共財や私的財などの財~

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今回は、「経済学・経済政策~H29-19 公共財と政府規制(2)公共財や私的財などの財~」について説明します。

 

経済学・経済政策 ~平成29年度一次試験問題一覧~

平成29年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

公共財・私的財・共有資源 -リンク-

一次試験に向けた「公共財・私的財・共有資源」について説明しているページを以下に示しますので、アクセスしてみてください。

 

 

競合性と排他性

財・サービスの消費に関する性質を表す「競合性」と「排他性」について説明します。

 

競合性

「競合性」とは、財・サービスを消費する消費者が増加すると、その財・サービスの質や量を保つことができなくなるという性質のことをいいます。

 

  • 競合性
    財・サービスを消費する消費者が増加すると、他の消費者がその財・サービスを消費できなくなること
  • 非競合性(競合性を有していないこと)
    多数の消費者が財・サービスを同時に消費できること

 

排他性

「排他性」とは、財・サービスの対価を支払わずに消費しようとする行為を排除できるという性質のことをいいます。

 

  • 排他性
    財・サービスの対価を支払った消費者だけが消費できること
    (財・サービスの対価を支払ってない消費者が消費することを排除できること)
  • 非排他性(排他性を有していないこと)
    財・サービスの対価を支払わない消費者も消費できること
    (財・サービスの対価を支払ってない消費者が消費することを排除できないこと)

 

公共財(純粋公共財)

「公共財(純粋公共財)」とは、消費の「非競合性(競合性を有していないこと)」と「非排他性(排他性を有していないこと)」という性質を有する財・サービスのことをいいます。

「公共財(純粋公共財)」は、財・サービスの対価を支払わなくても消費することができ、多数の消費者が同時に消費できる財・サービスであり、「消防、警察、国防、放送、花火大会」などが事例として挙げられます。

 

あり なし
競合性
排他性

 

フリーライダー(ただ乗り)

「フリーライダー」とは、対価を支払わずに「公共財(純粋公共財)」のように「非排他性(排他性を有していないこと)」を有する財・サービスを消費して、その便益を享受する消費者のことをいいます。

「フリーライダー」を排除できない財・サービスについては、その供給が著しく過少になるという問題が発生する恐れがあるため、これらの財・サービスを提供する主体は、租税によって活動する「政府や地方自治体」ということになります。

ただし「公共財(純粋公共財)」の事例には「放送、花火大会」なども挙げられるため、必ずしも「公共財(純粋公共財)」を提供するのが「政府や地方自治体」だけとは限りません。

 

準公共財

「準公共財」とは、厳密には「公共財(純粋公共財)」ではありませんが、消費の「非競合性(競合性を有していないこと)」と「非排他性(排他性を有していないこと)」のいずれかの性質を有する財・サービスのことをいいます。

 

クラブ財

「クラブ財」とは、消費の「非競合性(競合性を有していないこと)」と「排他性」という性質を有する財・サービスのことをいいます。

「クラブ財」は、財・サービスの対価を支払った消費者だけが消費でき、多数の消費者が同時に消費できる財・サービスであり、「有料のケーブルテレビ」などが事例として挙げられます。

 

あり なし
競合性
排他性

 

共有資源(コモンプール財)

「共有資源(コモンプール財)」とは、消費の「競合性」と「非排他性(排他性を有していないこと)」という性質を有する財・サービスのことをいいます。

「共有資源(コモンプール財)」は、財・サービスの対価を支払わなくても消費することができ、財・サービスを消費する消費者が増加すると他の消費者が消費できなくなる財・サービスであり、所有者が決まっていない地球上の資源や一般道路・橋などが事例として挙げられます。

 

あり なし
競合性
排他性

 

「共有資源(コモンプール財)」は、財・サービスの対価を支払わない消費者も消費できてしまうため、資源の消費に関する規制を設けずに放置すると、浪費や乱獲によって資源が枯渇するといった問題が発生する恐れがあります。

 

私的財

「私的財」とは、「競合性」と「排他性」という性質を有する財・サービスのことをいいます。

「私的財」は、財・サービスの対価を支払った消費者だけが消費でき、財・サービスを消費する消費者が増加すると他の消費者が消費できなくなる財・サービスです。

 

あり なし
競合性
排他性

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成29年度 第19問】

公共財や私的財などの財の特徴として、最も適切なものはどれか。

 

ア 海洋漁業における水産資源は、すべての漁業者が無償で等しく漁を行うことができるという理由で、競合的な性格を持たない。
イ 公共財の場合だけでなく、競合性と排除性を持つ私的財の場合にも、フリーライダーは出現する。
ウ 公共財は、競合性と排除性を持たないので、等量消費が不可能になる。
エ 有料のケーブルテレビは、その対価を支払わない消費者を排除できる排除性を持つが、対価を支払った消費者の間では競合性がない。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

公共財や私的財などの財の特徴に関する知識を問う問題です。

 

(ア) 不適切です。

「海洋漁業における水産資源」は、対価を支払わなくてもすべての漁業者が等しく漁を行うことができます(非排他性)が、漁獲量などに関する規制を設けずに放置していると、一部の漁業者による乱獲などで水産資源が枯渇する恐れがある(競合性)ため「共有資源(コモンプール財)」に該当します。

「共有資源(コモンプール財)」とは、消費の「競合性」と「非排他性(排他性を有していないこと)」という性質を有する財・サービスのことをいいます。

 

あり なし
競合性
排他性

 

したがって、海洋漁業における水産資源は、すべての漁業者が無償で等しく漁を行うことができますが、水産資源には限りがあり競合的な性格を有するため、選択肢の内容は不適切です

 

(イ) 不適切です。

「フリーライダー」とは、対価を支払わずに「公共財(純粋公共財)」のように「非排他性(排他性を有していないこと)」を有する財・サービスを消費して、その便益を享受する消費者のことをいいます。

 

したがって、公共財の場合にはフリーライダーは出現しますが、競合性と排除性を持つ私的財の場合にはフリーライダーは出現しないため、選択肢の内容は不適切です

 

(ウ) 不適切です。

「公共財(純粋公共財)」とは、消費の「非競合性(競合性を有していないこと)」と「非排他性(排他性を有していないこと)」という性質を有する財・サービスのことをいいます。

「公共財(純粋公共財)」は、財・サービスの対価を支払わなくても消費することができ、多数の消費者が同時に消費できる財・サービスであり、「消防、警察、国防、放送、花火大会」などが事例として挙げられます。

 

あり なし
競合性
排他性

 

したがって、公共財は、競合性と排除性を持たないので、等量消費が不可能になるのではなく等量消費が可能になるため、選択肢の内容は不適切です

 

(エ) 適切です。

「有料のケーブルテレビ」は、対価を支払わないと視聴できません(排他性)が、対価を支払った消費者であれば誰でも同時に視聴することができる(非競合性)サービスであるため「クラブ財」に該当します。

「クラブ財」とは、消費の「非競合性(競合性を有していないこと)」と「排他性」という性質を有する財・サービスのことをいいます。

 

あり なし
競合性
排他性

 

したがって、有料のケーブルテレビは、その対価を支払わない消費者を排除できる排除性を持つが、対価を支払った消費者の間では競合性がないため、選択肢の内容は適切です

 

答えは(エ)です。


 

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