経済学・経済政策 ~H26-18 費用曲線とサンクコスト(5)利潤曲線~

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今回は、「経済学・経済政策 ~H26-18 費用曲線とサンクコスト(5)利潤曲線~」について説明します。

 

目次

経済学・経済政策 ~平成26年度一次試験問題一覧~

平成26年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

総費用曲線・平均費用曲線・限界費用曲線・利潤曲線 -リンク-

本ブログにて「費用曲線」「平均費用曲線」「限界費用曲線」「利潤曲線」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

生産と費用

財の生産活動により発生する費用には以下の種類があります。
それぞれの費用について、および生産量と費用の関係を表す「費用曲線」について説明します。

 

  • 総費用(TC)
    • 可変費用(VC)
    • 固定費用(FC)
  • 平均費用(AC)
    • 平均可変費用(AVC)
    • 平均固定費用(AFC)
  • 限界費用(MC)

 

総費用(TC:Total Cost)

「総費用(TC)」とは、財の生産に係る費用の合計であり、「固定費用(FC)」と「可変費用(VC)」を合計して求めることができます。

 

 

総費用曲線(TC曲線)

「総費用(TC)」は「固定費用(FC)」と「可変費用(VC)」の合計であり「総費用曲線(TC曲線)」は、以下の図のようになります。

「可変費用(VC)」には、一般的に生産量が少ない状況においては効率が悪く、生産量が増えていくと効率が良くなり費用が逓減し、生産量が過大になると再び効率が悪くなり費用が逓増するという仮定があり「可変費用曲線(VC曲線)」は「逆S字型」の曲線として表されるため「総費用曲線(TC曲線)」も「逆S字型」の曲線となります。

 

総費用曲線(逆S字型)

 

可変費用(VC:Variable Cost)

「可変費用(VC)」とは、原材料費や人件費などの「可変的生産要素」に関する費用であり、生産量の増加に伴い増加する費用のことをいいます。

 

可変費用曲線(VC曲線)

「可変費用(VC)」には、一般的に生産量が少ない状況においては効率が悪く、生産量が増えていくと効率が良くなり費用が逓減し、生産量が過大になると再び効率が悪くなり費用が逓増するという仮定があるため「可変費用曲線(VC曲線)」は「逆S字型」の曲線として表されます

 

可変費用曲線(逆S字型)

 

固定費用(FC:Fixed Cost)

「固定費用(FC)」とは、設備投資などの「固定的生産要素」に関する費用であり、生産量に関わらず一定額で発生する費用のことをいいます。

 

「長期」について考える場合「固定的生産要素」はなくなり「可変的生産要素」のみから構成されるため「固定費用(FC)」はなくなります

 

固定費用曲線(FC曲線)

「固定費用(FC)」は生産量に関わらず一定額で発生するため「固定費用曲線(FC曲線)」は「水平な曲線」として表されます。

 

固定費用曲線

 

利潤曲線

「総費用曲線」と「総収入曲線」から求められる「利潤曲線」について説明していきます。

「利潤」とは、総収入から総費用を控除した差分であるため、「総費用曲線」と「総収入曲線」が描画されたグラフにおいて縦軸の差分として表されます

 

 

したがって、「総費用曲線」の方が「総収入曲線」より上に位置する生産量においては「利潤」はマイナスとなっていることを表しており、「総収入曲線」の方が「総費用曲線」より上に位置する生産量においては「利潤」はプラスとなっていることを表しています。

 

 

縦軸に「利潤」を、横軸に「生産量」を取ったグラフに表される「利潤曲線」を以下に示します。

 

 

生産量がゼロの場合、総収入がなく総費用(固定費用)のみが発生するため「利潤」がマイナスとなります。

生産量の増加に伴う総費用の増加分(限界費用)が逓減することによって「利潤」が逓増してマイナスからプラスへと転じますが、ある一定の生産量を超えると総費用の増加分(限界費用)が逓増するようになるため「利潤」が逓減していき、最終的には「利潤」がプラスからマイナスへと転じます

「総費用曲線」と「総収入曲線」の交点において「利潤」がゼロとなります。

「総収入曲線」を平行シフトした曲線と「総費用曲線」の接点において「利潤」が最大または最小となります。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成26年度 第18問】

下図は、完全競争下の企業の総費用曲線と総収入曲線を示したものである。この図に基づいて利潤曲線を描いたものとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 

 

[解答群]

 

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

総費用曲線と総収入曲線と利潤曲線の関係に関する知識を問う問題です。

 

「利潤」とは、総収入から総費用を控除した差分であるため、「総費用曲線」と「総収入曲線」が描画されたグラフにおいて縦軸の差分として表されます

 

 

したがって、「総費用曲線」の方が「総収入曲線」より上に位置する生産量においては「利潤」はマイナスとなっていることを表しており、「総収入曲線」の方が「総費用曲線」より上に位置する生産量においては「利潤」はプラスとなっていることを表しています。

 

 

縦軸に「利潤」を、横軸に「生産量」を取ったグラフに表される「利潤曲線」を以下に示します。

 

 

問題で与えられた「総費用曲線」と「総収入曲線」を見ると、生産量がゼロであるとき「総費用 > 総収入」となっているため、利潤がマイナスとなることが分かります

この時点で、「選択肢(ウ)」と「選択肢(オ)」に絞り込むことができます。

 

さらに、問題で与えられた「総費用曲線」と「総収入曲線」を分析すると、生産量の増加に伴って徐々に「利潤」が増加してマイナスからプラスへと転じていますが、ある一定の生産量を超えると「利潤」が徐々に減少していき、最終的には「利潤」がプラスからマイナスへと転じていることが分かります。

 

したがって、生産量が増加すれば増加するほど利潤が増加している「選択肢(オ)」は明らかに間違いであることが分かるため「選択肢(ウ)」が正解となります。

 

答えは(ウ)です。


 

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