このブログでは二次試験(事例Ⅲ/事例Ⅳ)についても説明していますので、参考としてください。

経済学・経済政策 ~H28-11-2 IS-LM曲線(8)財政政策の効果~

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今回は、「経済学・経済政策 ~H28-11-2 IS-LM曲線(8)財政政策の効果~」について説明します。

 

経済学・経済政策 ~平成28年度一次試験問題一覧~

平成28年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

IS-LM曲線 -リンク-

一次試験に向けた「IS-LM曲線」について説明しているページを以下に示しますので、アクセスしてみてください。

 

 

IS-LM曲線とは

「IS-LM曲線」とは、縦軸に「利子率(r)」を、横軸に「GDP(Y)」を取ったグラフにおいて「財市場」が均衡する点の組み合わせを表す「IS曲線」と「資本市場(貨幣市場)」が均衡する点の組み合わせを表す「LM曲線」を同時に表現して、「財政政策」や「金融政策」による「財市場」への効果と「資本市場(貨幣市場)」への効果を同時に分析するグラフのことをいいます。

 

IS-LM曲線

 

財政拡張政策→IS曲線のシフト

「財政拡張政策」を行うと「財市場」の均衡を表す「IS曲線」は右方にシフトします。
「財政拡張政策」を行っても「資本市場(貨幣市場)」の均衡を表す「LM曲線」はシフトしません。

 

財政拡張政策による財市場の変化

「財政拡張政策」を行った場合に「財市場」が変化していく流れを以下に示します。

 

  1. 「財政拡張政策」により「総需要(YD)」が増加する
  2. 「財市場」が超過需要となるため、企業が増産して「総供給(YS)」が増加する
  3. 超過需要が解消されるところ(YS=YD)まで「総供給(YS)」が増加して「財市場」が均衡する

 

したがって「財政拡張政策」を行った場合「利子率(r)」は変化せずに「GDP(Y)」が増加するため「IS曲線」は右方にシフトします

 

 

金融緩和政策→LM曲線のシフト

「金融緩和政策」を行うと「資本市場(貨幣市場)」の均衡を表す「LM曲線」は下方にシフトします。
「金融緩和政策」を行っても「財市場」の均衡を表す「IS曲線」はシフトしません。

 

「金融緩和政策」により「LM曲線」は下方にシフトしますが、グラフ上では右方にシフトしているように見えるため、一般的には「金融緩和政策」を行った場合「LM曲線」は右方にシフトすると表現されます。

 

金融緩和政策による資本市場(貨幣市場)の変化

「金融緩和政策」を行った場合に「資本市場(貨幣市場)」が変化していく流れを以下に示します。

 

  1. 「金融緩和政策」により「貨幣供給(M)」が増加する
  2. 「資本市場(貨幣市場)」が超過供給となり「利子率(r)」が低下する
  3. 「利子率(r)」が低下すると「債券価格」が上昇する
  4. 「債券価格」が上昇すると「債券需要」が減少して「貨幣の資産需要(L2)」が増加する
  5. 超過供給が解消されるところ( L=M÷P )まで「貨幣の資産需要(L2)」が増加して「資本市場(貨幣市場)」が均衡する

 

したがって「金融緩和政策」を行った場合「GDP(Y)」は変化せずに「利子率(r)」が低下するため「LM曲線」は下方(見た目は右方)にシフトします

 

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成28年度 第11問】

財政・金融政策の効果を理解するためには、IS-LM分析が便利である。IS曲線とLM曲線が下図のように描かれている。下記の設問に答えよ。

 

 

(設問2)

IS曲線をISからIS’へとシフトさせる要因として、最も適切なものはどれか。

 

ア 外国人観光客の増加による消費の増加
イ 歳出削減による財政健全化
ウ 量的緩和策によるマネタリーベースの増加
エ 老後の生活に備えるための貯蓄の増加

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答(設問2)

IS曲線の右方シフトに関する知識を問う問題です。

 

「財政拡張政策」を行うと「総需要(YD)」が増加するため「財市場」の均衡を表す「IS曲線」は右方にシフトしますが、「資本市場(貨幣市場)」の均衡を表す「LM曲線」はシフトしません。

また、「金融緩和政策」を行うと「利子率(r)」が低下するため「資本市場(貨幣市場)」の均衡を表す「LM曲線」は下方(見た目は右方)にシフトしますが、「財市場」の均衡を表す「IS曲線」はシフトしません。

 

したがって、「YD=C+I+G」で表される「総需要(YD)」を増加させるものを、IS曲線をISからIS’へと右方にシフトさせる要因として選択します。

 

 

(ア) 適切です。

「外国人観光客の増加による消費の増加」により「消費(C)」が増加します。
「消費(C)」が増加すると「総需要(YD)」が増加するため「IS曲線」は右方にシフトします。

 

 

したがって、「外国人観光客の増加による消費の増加」は「総需要(YD)」を増加させ「IS曲線」を右方にシフトさせるため、選択肢の内容は適切です

 

(イ) 不適切です。

「歳出削減による財政健全化」により「政府支出(G)」が減少します。
「政府支出(G)」が減少すると「総需要(YD)」が減少するため「IS曲線」は左方にシフトします。

 

 

したがって、「歳出削減による財政健全化」は「総需要(YD)」を減少させ「IS曲線」を左方にシフトさせるため、選択肢の内容は不適切です

 

(ウ) 不適切です。

「量的緩和策によるマネタリーベースの増加」により「貨幣供給(M)」が増加します。
「貨幣供給(M)」が増加すると「利子率(r)」が低下するため「LM曲線」は下方(見た目は右方)にシフトしますが、「総需要(YD)」は変化しないため「IS曲線」はシフトしません

 

したがって、「量的緩和策によるマネタリーベースの増加」は「貨幣供給(M)」を増加させ「LM曲線」を下方(見た目は右方)にシフトさせますが「IS曲線」をシフトさせることはないため、選択肢の内容は不適切です

 

(エ) 不適切です。

「貯蓄関数」は「所得(Y)」から「消費(C)」を差し引いた式として表されるため、「老後の生活に備えるための貯蓄の増加」により「消費(C)」が減少します。

 

 

「消費(C)」が減少すると「総需要(YD)」が減少するため「IS曲線」は左方にシフトします。

 

 

したがって、「老後の生活に備えるための貯蓄の増加」は「総需要(YD)」を減少させ「IS曲線」を左方にシフトさせるため、選択肢の内容は不適切です

 

答えは(ア)です。


 

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