このブログでは二次試験(事例Ⅲ/事例Ⅳ)についても説明していますので、参考としてください。

経済学・経済政策 ~R2-17 資源配分機能(2)余剰分析(補助金の効果)~

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今回は、「経済学・経済政策 ~R2-17 資源配分機能(2)余剰分析(補助金の効果)~」について説明します。

 

経済学・経済政策 ~令和2年度一次試験問題一覧~

令和2年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

余剰分析(補助金の交付)・余剰分析(課税) -リンク-

一次試験に向けた「余剰分析(補助金の交付)」「余剰分析(課税)」について説明しているページを以下に示しますので、アクセスしてみてください。

 

 

余剰分析

「余剰分析」とは、財市場において資源配分の効率性を分析する手法のことをいいます。

「余剰」とは、財市場の取引により得られる「利益」のことを表しており、「余剰分析」では「消費者余剰」と「生産者余剰」と「政府余剰」を重ね合わせた「社会的総余剰(総余剰)」に基づき、資源配分が効率的になっているかを確認していきます。

 

例:社会的総余剰(消費者余剰+生産者余剰)

 

余剰分析(政府が介入する場合)

完全競争市場に政府が介入する場合の「余剰(利益)」の変化について考えていきます。
政府が介入する場合には「補助金の交付」「課税」などがあります。

 

補助金の交付による効果

「X財の市場(完全競争市場)」において、政府が「X財」に対する補助金を交付した場合の効果について説明します。

 

補助金を交付しない場合

「X財の市場(完全競争市場)」では、消費者による「X財」の価格と購買意欲の関係を表す「需要曲線(D)」と、生産者が「X財」を生産するための限界費用を表す「供給曲線(S)」の「交点(E)」で財の需要と供給が均衡して、「X財」の価格が「PE円」、「X財」の消費量が「XE個」に決定します。

 

 

補助金を交付する場合

「X財の市場(完全競争市場)」において、政府が「X財(1単位)」に対して一定額の補助金を交付する場合に「余剰」がどのように変化するかについて考えていきます。

 

供給曲線の下方シフト

生産者は「X財」を1単位販売するごとに一定額の補助金を受け取るため、「X財」の限界費用(1単位を生産するための費用)が減少して「供給曲線」は平行に下方にシフトします。

一方、「需要曲線」は、補助金を交付されてもシフトしません。

その結果、「需要曲線」と「供給曲線」の交点が「E」から「G」にシフトして「X財」の消費量が「XE個」から「XG個」に増加します。

 

 

消費者余剰と生産者余剰

「X財」の消費量が「XE個」から「XG個」に増加するため、「消費者余剰」と「生産者余剰」が増加します。

 

 

政府余剰

政府としては「XG個」分の補助金を交付するため「損失(マイナス)」の「政府余剰」が発生します。

 

 

社会的総余剰

「消費者余剰」と「生産者余剰」と「政府余剰」を重ね合わせた「社会的総余剰」は、補助金を交付しない場合よりも減少します。

政府か補助金を交付することで、補助金を交付しない場合の「社会的総余剰」より減少してしまう「余剰」のことを「余剰の損失(死荷重)」といいます。

 

 

補助金を交付しない場合 補助金を交付する場合
消費者余剰 APEE APE‘G
生産者余剰 PEBE PE’DG
政府余剰 -BDGH
社会的総余剰 ABE ABE-EGH

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和2年度 第17問】

農業保護を目的とした農家への補助金政策の効果を考える。下図において、Dは農産物の需要曲線、Sは補助金交付前の農産物の供給曲線、S’は補助金交付後の農産物の供給曲線である。政府は、農産物1単位当たりEFまたはHGの補助金を交付する。

この図に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

 

 

a 政府が交付した補助金は四角形ACFEである。
b 補助金の交付によって、消費者の余剰は四角形ABGEだけ増加する。
c 補助金の交付によって、総余剰は三角形EFGだけ増加する。
d 補助金の交付によって、農家の余剰は四角形BCFGだけ増加する。

 

[解答群]

ア aとb
イ aとc
ウ bとc
エ bとd

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

「政府が介入する場合(補助金の支給)」の余剰分析に関する知識を問う問題です。

 

「余剰分析」とは、財市場において資源配分の効率性を分析する手法のことをいいます。

「余剰」とは、財市場の取引により得られる「利益」のことを表しており、「余剰分析」では「消費者余剰」と「生産者余剰」と「政府余剰」を重ね合わせた「社会的総余剰(総余剰)」に基づき、資源配分が効率的になっているかを確認していきます。

 

供給曲線の下方シフト(補助金の交付)

政府が、生産者である農家に対して、農産物1単位当たりEFまたはHGの補助金を交付した場合、補助金の分だけ農産物の限界費用(1単位を生産するための費用)が減少するため「供給曲線」が下方にシフトします。その結果「需要曲線」と「供給曲線」の交点が「E」から「G」にシフトします。

 

 

(a) 不適切です。

「政府余剰」である「政府が交付した補助金」について確認します。
政府は、生産者である農家の生産量に対して補助金を交付するため「政府余剰(補助金の交付金額)」は「JKGH」という「マイナス(損失)」の「余剰」となります。

 

 

したがって、政府が交付した補助金は四角形ACFEではない(問題に与えられている点であえて表現するなら「四角形ACFE+四角形EFGH」)ため、選択肢の内容は不適切です

 

(b) 適切です。

「消費者余剰」について確認します。
補助金の交付により「消費者余剰」は「IAE」から「IBG」に増加するため、補助金の交付により増加する「生産者余剰」は「ABGE」となります。

 

 

したがって、補助金の交付によって、消費者の余剰は四角形ABGEだけ増加するため、選択肢の内容は適切です

 

(c) 不適切です。

「総余剰(社会的総余剰)」について確認します。
補助金の交付により「消費者余剰」と「生産者余剰」は増加しますが「政府余剰(補助金の交付)」は「マイナス(損失)」となるため、補助金の交付により「消費者余剰」と「生産者余剰」と「政府余剰」を重ね合わせた「総余剰(社会的総余剰)」は「EGH」だけ減少します。

 

 

したがって、補助金の交付によって、総余剰は三角形EFGだけ増加するのではなく、三角形EGHだけ減少するため、選択肢の内容は不適切です

 

(d) 適切です。

「生産者余剰」である「生産者である農家の余剰」について確認します。
補助金の交付により「生産者余剰」は「AJE」から「BKG」に増加します。
「AJE」と「CKF」は生産量が同じであるため、その面積も同じであるため、補助金の交付により増加する「生産者余剰」は「BCFG」となります。

 

 

したがって、補助金の交付によって、農家の余剰は四角形BCFGだけ増加するため、選択肢の内容は適切です

 

(b)と(d)に記述されている内容が適切であるため、答えは(エ)です。


 

コメント

  1. 受験生 より:

    大変だと思いますが頑張ってください!
    自学自習の時何度もお世話になっています。
    これからもちょくちょくお世話になると思いますのでよろしくお願いします!

    • 資格とるなら.tokyo 管理者 より:

      コメントをいただきましてありがとうございます。

      できるだけ多くの問題の解説記事を投稿できるよう頑張っていきます!

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