このブログでは二次試験(事例Ⅲ/事例Ⅳ)についても説明していますので、参考としてください。

経済学・経済政策 ~R2-6-1 IS-LM曲線(1)垂直のIS曲線~

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今回は、「経済学・経済政策 ~R2-6-1 IS-LM曲線(1)垂直のIS曲線~」について説明します。

 

経済学・経済政策 ~令和2年度一次試験問題一覧~

令和2年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

IS-LM曲線 -リンク-

一次試験に向けた「IS-LM曲線」について説明しているページを以下に示しますので、アクセスしてみてください。

 

 

IS曲線とは

「IS曲線」とは、縦軸に「利子率(r)」を、横軸に「GDP(Y)」を取ったグラフにおいて「財市場」が均衡する点の組み合わせを表す曲線のことをいいます。

「財市場」において「利子率(r)」が低下すると「投資(I)」が増加して「均衡GDP(YE」が増加するため「IS曲線」は右下がりの曲線として表されます。

なお、「IS曲線」の「I」は「Investment(投資)」を、「S」は「Savings(貯蓄)」を表しています。

 

IS曲線

 

IS曲線の描写

「IS曲線」は、縦軸に「利子率(r)」を、横軸に「投資(I)」を取った「投資曲線」と、縦軸に「総供給(YS)、総需要(YD)」を、横軸に「GDP(Y)」を取った「45度線図」を用いて、「利子率(r)」が変化したときに「GDP(Y)」がどのように変化するのかを確認することで描写することができます。

結論として、「利子率(r)」が低下すると「均衡GDP(YE」が増加するため「IS曲線」は右下がりの曲線として表されます。

「利子率(r)」が低下した場合に「均衡GDP(YE)」が変化していく流れを以下に示します。

 

  1. 「利子率(r)」が「ra」から「rb」に低下する
  2. 「利子率(r)」が低下したため「投資(I)」が「Ia」から「Ib」に増加する
  3. 「投資(I)」が増加したため「 Y=C+I 」で表される「総需要(YD)」が「Ya」から「Yb」に増加する
  4. 「総需要(YD)」が増加したため、企業が増産して「総供給(YS)」も「Ya」から「Yb」に増加して「財市場」が均衡する。

 

IS曲線の描写

 

投資の利子弾力性の大きさによるIS曲線の傾きの変化

「IS曲線」の傾きは「投資の利子弾力性」の大きさにより変化します。

「投資の利子弾力性」とは「利子率(r)」が変動したときに「投資(I)」がどれだけ反応するかを表しています

「投資の利子弾力性」が大きい場合は「利子率(r)」が少し低下するだけで「投資(I)」が大きく増加するため「総需要(YD)」が一気に増加して「均衡GDP(YE)」も大きく増加します

逆に「投資の利子弾力性」が小さい場合は「利子率(r)」が大きく低下しても「投資(I)」は少ししか増加しないため「総需要(YD)」が少ししか増加せず「均衡GDP(YE)」も少ししか増加しません

そのため、「投資の利子弾力性」が大きい場合は「IS曲線」の傾きは緩やかになり、「投資の利子弾力性」が小さい場合は「IS曲線」の傾きは急になります

 

 

投資の利子弾力性が無限大の場合

極端な例として、「投資の利子弾力性」が無限大の場合は「利子率(r)」が少しでも低下すると「投資(I)」は一気に増加するため「総需要(YD)」が一気に増加して「均衡GDP(YE)」も一気に増加します。その結果、「IS曲線」は、水平の曲線として表されます。

 

投資の利子弾力性が無限大の場合

 

投資の利子弾力性がゼロの場合(投資が利子非弾力性な場合)

逆に、「投資の利子弾力性」がゼロの場合(投資が利子非弾力性な場合)は「利子率(r)」が低下しても「投資(I)」は一切増加しなくなるため「総需要(YD)」が一切増加せず「均衡GDP(YE)」も一切増加しません。その結果、「IS曲線」は、垂直の曲線として表されます。

 

投資の利子弾力性がゼロの場合

 

IS曲線の描写(簡便法)

「投資曲線」と「45度線図」を用いて「IS曲線」を描写していく方法ではなく、縦軸に「利子率(r)」を、横軸に「GDP(Y)」を取ったグラフにおいて「IS曲線」を簡易に描写する方法について説明します。

「IS曲線」を簡易に描写する方法と言いながらも、「財政政策」などにより「IS曲線」がどのように変化するかを考える場合は、こちらの考え方を理解しておかないと付いていけなくなるため、非常に重要です

 

利子率が低下する場合

縦軸に「利子率(r)」を、横軸に「GDP(Y)」を取ったグラフにおいて「利子率(r)」が低下すると「均衡GDP(YE)」がどのように変化していくかを考えていきます

 

  1. 「利子率(r)」が「ra」から「rb」に低下するため「ポイント(●)」はグラフの下側に移動する
  2. 「利子率(r)」の低下により「投資(I)」が増加するため「総需要(YD)」が増加して「財市場」が超過需要の状態(YD > YSとなる
  3. 「財市場」が超過需要の状態(YD > YS)になると企業が増産して「総供給(YS)」を増やすため「GDP(Y)」が高くなり「ポイント(●)」はグラフの右側に移動する
  4. 需要と供給が一致するところ(YD=YS)まで「GDP(Y)」が増加して「財市場」が均衡する

 

したがって、「利子率(r)」の低下により「ポイント(●)」はグラフの右下に移動するため「IS曲線」は右下がりの曲線として表されます。

 

利子率が低下する場合

 

利子率が上昇する場合

縦軸に「利子率(r)」を、横軸に「GDP(Y)」を取ったグラフにおいて「利子率(r)」が上昇すると「均衡GDP(YE)」がどのように変化していくかを考えていきます

 

  1. 「利子率(r)」が「rb」から「ra」に上昇するため「ポイント(●)」はグラフの上側に移動する
  2. 「利子率(r)」の上昇により「投資(I)」が減少するため「総需要(YD)」が減少して「財市場」が超過供給の状態(YD < YSとなる
  3. 「財市場」が超過供給の状態(YD < YS)になると企業が減産して「総供給(YS)」を減らすため「GDP(Y)」が低くなり「ポイント(●)」はグラフの左側に移動する
  4. 需要と供給が一致するところ(YD=YS)まで「GDP(Y)」が減少して「財市場」が均衡する

 

したがって、「利子率(r)」の上昇により「ポイント(●)」はグラフの左上に移動するため「IS曲線」は左上がり(右下がり)の曲線として表されます。

 

利子率が上昇する場合

 

IS曲線の右上と左下の領域

「IS曲線」とは、縦軸に「利子率(r)」を、横軸に「GDP(Y)」を取ったグラフにおいて「財市場」が均衡する点の組み合わせを表す曲線のことをいいますが、「IS曲線」の右上の領域では「財市場」において「超過供給の状態(YD < YS)」が発生しており、「IS曲線」の左下の領域では「財市場」において「超過需要の状態(YD > YS)」が発生しています。

 

IS曲線(超過供給/超過需要)

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和2年度 第6問】

下図は、IS曲線とLM曲線を描いたものである。この図に基づいて、下記の設問に答えよ。

 

 

(設問1)

IS曲線が垂直になる例として、最も適切なものはどれか。

 

ア 貨幣需要の利子弾力性がゼロである。
イ 貨幣需要の利子弾力性が無限大である。
ウ 投資需要の利子弾力性がゼロである。
エ 投資需要の利子弾力性が無限大である。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答(設問1)

垂直のIS曲線に関する知識を問う問題です。

 

「IS曲線」とは、縦軸に「利子率(r)」を、横軸に「GDP(Y)」を取ったグラフにおいて「財市場」が均衡する点の組み合わせを表す曲線のことをいいます。

「財市場」において「利子率(r)」が低下すると「投資(I)」が増加して「均衡GDP(YE」が増加するため「IS曲線」は右下がりの曲線として表されます。

 

IS曲線

 

「IS曲線」の傾きは「投資の利子弾力性」の大きさにより変化します。

「投資の利子弾力性」が大きい場合は「IS曲線」の傾きは緩やかになり、「投資の利子弾力性」が小さい場合は「IS曲線」の傾きは急になります

 

 

特に、「投資の利子弾力性」がゼロの場合(投資が利子非弾力性な場合)は「利子率(r)」が低下しても「投資(I)」は一切増加しなくなるため「総需要(YD)」が一切増加せず「均衡GDP(YE)」も一切増加しません。その結果、「IS曲線」は、垂直の曲線として表されます。

 

投資の利子弾力性がゼロの場合

 

したがって、IS曲線が垂直になる例として最も適切なものは「投資需要の利子弾力性がゼロである」です。

 

答えは(ウ)です。


 

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