経済学・経済政策 ~R2-1 主要経済指標(1)政策金利~

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今回は、「経済学・経済政策 ~R2-1 主要経済指標(1)政策金利~」について説明します。

 

目次

経済学・経済政策 ~令和2年度一次試験問題一覧~

令和2年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

政策金利

「政策金利」とは、景気や物価の安定など金融政策上の目的を達成するために、各国の中央銀行が設定する「短期金利(誘導目標金利)」のことをいいます。

中央銀行は、景気を良くして物価を上昇させたい場合「政策金利」を引き下げます。

「政策金利」が引き下げられると、金融機関(市中銀行)は中央銀行などから低金利で借り入れることができるようになり、かつ一般消費者や企業も、金融機関(市中銀行)から低金利で借り入れることができるようになるため、一般消費者による消費や企業による投資が増加して、景気が良くなり物価が上昇するとされています。

逆に、中央銀行は、景気を抑制して物価を下落させたい場合「政策金利」を引き上げます。

「政策金利」が引き上げられると、一般消費者や企業が借り入れるときに適用される金利が高くなり借り渋りが発生するため、一般消費者による消費や企業による投資が減少して、景気が抑制され物価が下落するとされています。

なお、2021年時点においては、世界において「政策金利」が低く設定されているため、仮に「政策金利」を引き上げたとしても、景気を抑制して物価を下落させたいというより「政策金利」を普通のレベルに戻しても景気や物価が安定して推移するだろうという意味合いが強いことにご注意ください。

日本においては、2016年1月に日本銀行(中央銀行)が導入した「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を継続しており、2%の物価安定目標の実現に向けて大規模な金融緩和の取り組みを継続しています。

 

マイナス金利政策

2016年1月に、日本銀行(中央銀行)が「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を発表して、同年2月から「マイナス金利」が導入されました。

「マイナス金利」になると、金融機関に資金を預けたときに、預金者が金融機関から利息を受け取るのではなく、預金者が金融機関に利息を支払うこととなります。

日本銀行(中央銀行)が導入した「マイナス金利」は、民間の金融機関(市中銀行)が日本銀行(中央銀行)に預けている当座預金において一定金額を超過した部分に対して「マイナス金利(▲0.1%)」が適用されるというものであり、一般の家庭や企業が民間の金融機関(市中銀行)を利用した預金や借入金に「マイナス金利」が適用されるというものではありません。(「マイナス金利」にはなりませんが適用される金利は下がります。)

日本銀行(中央銀行)としては、民間の金融機関(市中銀行)が一定額以上の資金を日本銀行(中央銀行)に預けたら金利を支払うこととなるため、余剰資金を日本銀行(中央銀行)に預けるのではなく、企業への融資や投資に回すようになり、経済が活性化してデフレを脱却できると期待していました

日本銀行(中央銀行)としては、「マイナス金利」の導入により、2016年末には「年2%の物価上昇率(インフレ率)」を達成することを目指していましたが、実現することはできませんでした。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和2年度 第1問】

下図は、日本、米国、ユーロ圏における政策金利の推移を示している。
図中のa~cに該当する国・地域の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 

 

[解答群]

ア a:日本 b:米国 c:ユーロ圏
イ a:日本 b:ユーロ圏 c:米国
ウ a:ユーロ圏 b:日本 c:米国
エ a:ユーロ圏 b:米国 c:日本

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

「日本・アメリカ・ユーロ圏」における政策金利の推移を示すグラフを選択する問題です。

 

日本・アメリカ・ユーロ圏における金融政策の状況

日本においては、物価は緩やかに上昇しているもののデフレ脱却までには至っておらず、2016年1月に日本銀行(中央銀行)が導入した「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を継続しており、2%の物価安定目標の実現に向けて大規模な金融緩和の取り組みを継続しています。

世界経済は、2018年後半から成長率が鈍化しており、アメリカでは、2015年末から続いてきた政策金利の引き上げの動きが、2019年に入って据え置きの方針に転換されており、ユーロ圏でも、緩和政策の継続が表明されています。

こうした経済情勢を受け、アメリカやユーロ圏の中央銀行では、危機対応から正常化に向けた動きを一旦停止し、金融緩和を当面継続していく方向への転換がみられています。

 

日本・アメリカ・ユーロ圏における政策金利の状況

日本とアメリカとユーロ圏における政策金利の状況は以下の通りです。

 

日本 2016年1月に導入された「マイナス金利」を継続
アメリカ 2015年末から政策金利を引き上げてきたが、2019年に入って据え置きの方針に転換
ユーロ圏 金融緩和(低金利)を継続

 

日本・アメリカ・ユーロ圏における政策金利の推移

問題で与えられているグラフが、どの国や地域の政策金利の推移を示しているのか確認します。

 

  • (a)は、2008年~2019年にかけて金利が低い状況が続いています
    この政策金利の推移は「日本」のものを表しています。
  • (b)は、2009年に一気に政策金利が引き下げられた後、金利が低い状況が続いています
    この政策金利の推移は「ユーロ圏」のものを表しています。
  • (c)は、2008年~2009年にかけて段階的に政策金利を引き下げた後、2016年ごろから段階的に引き上げが行われています
    この政策金利の推移は「アメリカ」のものを表しています。

 

したがって、「 a:日本 b:ユーロ圏 c:米国 」が、最も適切な国・地域の組み合わせです。

 

答えは(イ)です。


 

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