ハードな2次試験、本当にお疲れ様でした。しばらくはゆっくり休みましょう。口述試験の準備は少し休んでから始めても十分に間に合います。

運営管理 ~R2-31 販売促進(5)景品表示法~

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今回は、「運営管理 ~R2-31 販売促進(5)景品表示法~」について説明します。

 

運営管理 ~令和2年度一次試験問題一覧~

令和2年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)

「不当景品類及び不当表示防止法」は「景品表示法」と呼ばれ、「虚偽表示・誇大広告によって顧客を不当に誘引する不公正な販売」や「行き過ぎた懸賞や景品を付けた商品の販売」を取り締まるための法律です。

従来は「公正取引委員会」が所管していましたが、2009年9月1日に「消費者庁」へと移管されています。

 

目的

「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」は、一般消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害する恐れのある行為を禁止することによって、一般消費者の利益を保護することを目的としており、以下の内容に関する制限及び禁止を行っています。

 

  • 不当表示の禁止
  • 景品類の制限及び禁止

 

不当表示の禁止

商品やサービスに関する品質や価格の情報は、一般消費者が商品やサービスを選択する際の重要な判断材料ですが、実際よりも著しく優良または有利であると見せかけの表示をされると、一般消費者が正しく商品やサービスを選択することができなくなる可能性があるため、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」により、一般消費者に誤認される不当な表示を禁止しています。

 

表示とは

「表示」とは、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品やサービスの品質、規格、その他の内容や価格等の取引条件について、消費者に知らせる広告や表示全般のことをいいます。

 

表示の例

  • チラシ・パンフレット、カタログ
  • 容器、パッケージ、ラベル
  • ダイレクトメール、ファクシミリ広告
  • ディスプレイ(陳列)、実演広告
  • 新聞、雑誌、出版物、テレビ・ラジオCM
  • ポスター、看板
  • セールストーク (訪問・電話)
  • インターネット上の広告、メール

 

不当表示の種類

「不当表示」は、大きく分けて「優良誤認表示」「有利誤認表示」「その他の誤認表示」の3種類に区分されます。

 

種類 説明
優良誤認表示 商品・サービスの品質、規格、その他の内容についての不当表示
有利誤認表示 商品・サービスの価格、その他の取引条件についての不当表示
その他、誤認される恐れのある表示 商品・サービスの取引に関する事項について一般消費者に誤認される恐れがあるとして、内閣総理大臣が指定する不当表示

 

優良誤認表示の禁止

「優良誤認表示」とは、商品やサービスの品質、規格、その他の内容に関する不当表示のことをいいます。

 

優良誤認表示
  • 内容について、実際のものよりも著しく優良であると示す表示
  • 内容について、事実に相違して競争事業者のものよりも著しく優良であると示す表示

 

品質、規格、その他の内容
  • 品質:原材料、純度、添加物、性能、精度、栄養価等
  • 規格:国等が定めた規格(例 JIS)、等級、基準等
  • その他の内容:原産地、有効期限、製造方法等

 

不実証広告規制

消費者庁は、事業者が行っている表示内容が「優良誤認表示」に該当するか否かを判断するために、事業者に対して表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料を提出するよう求めることができます

事業者は、原則として消費者庁が資料の提出を求める文書を交付した日から15日を経過するまでに、求められた資料を提出しなければならず、事業者が期限までに資料を提出しなかった場合は、不当表示とみなされてしまいます

 

「合理的な根拠」の判断基準

  • 提出資料が客観的に実証された内容のものであること
    • 試験・調査によって得られた結果
    • 専門家、専門家団体もしくは専門機関の見解または学術文献
  • 表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること

 

小売店などの販売業者が、製造業者などの仕入先から仕入れた商品を販売する場合においても、販売業者が「製造業者などの仕入先が行った実証試験や調査等に関するデータ等が存在すること」および「その試験方法や結果が客観的に実証されるものであると確認したこと」を示す書面を、表示の裏付けとなる根拠を示す資料として提出しなければなりません

 

有利誤認表示の禁止

「有利誤認表示」とは、商品やサービスの価格、その他の取引条件に関する不当表示のことをいいます。

 

有利誤認表示
  • 取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると誤認される表示
  • 取引条件について、競争事業者のものよりも取引の相手方に著しく有利であると誤認される表示

 

価格、その他の取引条件
  • 取引条件:数量、アフターサービス、保証期間、支払条件等

 

その他 誤認されるおそれがある表示の禁止

「その他の誤認表示」とは、商品やサービスの取引に関する事項について一般消費者に誤認される恐れがあると認められ、内閣総理大臣が指定する表示のことをいい、以下の6つの告示が指定されています。

 

その他 誤認されるおそれがある表示
  • 無果汁の清涼飲料水等についての表示
  • 商品の原産国に関する不当な表示
  • 消費者信用の融資費用に関する不当な表示
  • 不動産のおとり広告に関する表示
  • おとり広告に関する表示
  • 有料老人ホームに関する不当な表示

 

不当表示による規制の対象

消費者庁が「不当な表示である」と判断した場合、「不当な表示」についてその内容の決定に関与した事業者が規制の対象となります。

この場合の「決定に関与」には、事業者が自らまたは他の事業者と共同して積極的に当該表示の内容を決定した場合のみならず、他の事業者の表示内容に関する説明に基づき自らが当該表示の内容を決定した場合や、他の事業者にその決定を委ねた場合も含まれます。また、当該表示の決定に関与した事業者に故意または過失があるかどうかは関係ありません。

つまり、製造業者などの仕入先からの誤った情報に基づいて、小売店などの販売業者が表示内容を決定して「景品表示法」に抵触する不当表示をしてしまった場合、故意または過失の有無に関わらず販売業者も規制の対象となります

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和2年度 第31問】

店頭販促物に商品情報等を記載する場合、景品表示法を遵守しなければならない。小売店の店頭販促物の表示に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア POPに通常価格と併記して「価格は店員に御相談ください」と価格交渉に応じる旨の表示をしても不当表示に該当しない。
イ 仕入先からの誤った情報に基づいて小売店が景品表示法に抵触する不当表示をしてしまった場合、表示規制の対象は仕入先であり、小売店ではない。
ウ 商品の効果、性能に関する表示を小売店がする場合、裏付けとなる合理的な根拠を示す資料があったとしても、小売店が自ら実証試験・調査等を行う必要がある。
エ 商品を値下げして販売する際、値下げ前の価格で1日でも販売していれば、その価格を値下げ後の価格の比較対象価格として二重価格表示をしても不当表示に該当しない。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

「景品表示法」の「不当表示の禁止」に関する知識を問う問題です。

 

(ア) 適切です。

この選択肢では「有利誤認表示」に該当するか否かを問われています。

 

POPに通常価格と併記して「価格は店員に御相談ください」と価格交渉に応じる旨の表示した場合、一般的に、POPに記載している通常価格よりも安い価格で販売されると消費者も認識するため、実際にそのような形で価格交渉が行われるのであれば、不当表示に該当するおそれはありません

 

したがって、POPに通常価格と併記して「価格は店員に御相談ください」と価格交渉に応じる旨の表示をしても不当表示に該当しないため、選択肢の内容は適切です

 

 

「○○円 価格は係員に御相談ください」と記載したプライスカードの下に、「期間限定××円 価格は係員に御相談ください」という別のプライスカードを並べて二重価格表示をした場合、実際の価格交渉は、低い販売価格「××円」を出発点に行われるのが通常であると考えられるため、比較対照価格である「○○円」は、価格交渉の出発点として意味のない価格となります。

しかし、「○○円」という価格を比較対照価格として表示したことによって、価格交渉で店舗側から提示される価格の値引きの程度が、実際には「××円」からの値引きであるにもかかわらず、消費者が「○○円」からの大幅な値引きであると誤認することとなるため、このような表示は不当表示に該当します。

 

 

(イ) 不適切です。

この選択肢では「優良誤認表示」に該当するか否かを問われています。

 

消費者庁が「不当な表示である」と判断した場合、「不当な表示」についてその内容の決定に関与した事業者が規制の対象となります。

この場合の「決定に関与」には、事業者が自らまたは他の事業者と共同して積極的に当該表示の内容を決定した場合のみならず、他の事業者の表示内容に関する説明に基づき自らが当該表示の内容を決定した場合や、他の事業者にその決定を委ねた場合も含まれます。また、当該表示の決定に関与した事業者に故意または過失があるかどうかは関係ありません。

つまり、製造業者などの仕入先からの誤った情報に基づいて、小売店などの販売業者が表示内容を決定して「景品表示法」に抵触する不当表示をしてしまった場合、故意または過失の有無に関わらず販売業者も規制の対象となります

 

したがって、仕入先からの誤った情報に基づいて小売店が景品表示法に抵触する不当表示をしてしまった場合、小売店は表示規制の対象となるため、選択肢の内容は不適切です

 

(ウ) 不適切です。

この選択肢では「優良誤認表示」の「不実証広告規制」に関する知識を問われています。

 

消費者庁は、事業者が行っている表示内容が「優良誤認表示」に該当するか否かを判断するために、事業者に対して表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料を提出するよう求めることができます

事業者は、原則として消費者庁が資料の提出を求める文書を交付した日から15日を経過するまでに、求められた資料を提出しなければならず、事業者が期限までに資料を提出しなかった場合は、不当表示とみなされてしまいます

 

「合理的な根拠」の判断基準

  • 提出資料が客観的に実証された内容のものであること
    • 試験・調査によって得られた結果
    • 専門家、専門家団体もしくは専門機関の見解または学術文献
  • 表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること

 

小売店などの販売業者が、製造業者などの仕入先から仕入れた商品を販売する場合においても、販売業者が「製造業者などの仕入先が行った実証試験や調査等に関するデータ等が存在すること」および「その試験方法や結果が客観的に実証されるものであると確認したこと」を示す書面を、表示の裏付けとなる根拠を示す資料として提出しなければなりません

 

したがって、商品の効果、性能に関する表示を小売店がする場合、裏付けとなる合理的な根拠を示す資料があれば、小売店が自ら実証試験・調査等を行う必要はなく、「製造業者などの仕入先が行った実証試験や調査等に関するデータ等が存在すること」および「その試験方法や結果が客観的に実証されるものであること」を確認すればよいため、選択肢の内容は不適切です

 

(エ) 不適切です。

この選択肢では「有利誤認表示」に該当するか否かを問われています。

 

商品の値下げに際して、値下げ前の価格を「比較対照価格」として「二重価格表示」を行う場合は、「比較対照価格」が「最近相当期間にわたって販売されていた価格」でなければ、消費者に対して販売価格に関する情報が適切に伝わりません

 

「比較対照価格」が「最近相当期間にわたって販売されていた価格」に当たるか否かは、当該価格で販売されていた時期及び期間、対象商品の一般的価格変動の状況、当該店舗における販売形態等を考慮しつつ、個別に検討されることになります。

一般的に、「最近相当期間にわたって販売していた価格」とみなされるには、①二重価格表示を行う時点からさかのぼった8週間において、当該価格で販売されていた期間が、当該商品が販売されていた期間の過半を占めていること、②当該価格での販売期間が通算で2週間以上であること、③当該価格で販売された最後の日から2週間経過していないこと、とされています。

 

したがって、商品を値下げして販売する際、値下げ前の価格で1日だけ販売していても、一般的に、その価格は値下げ後の価格の「比較対照価格」とは認められません。したがって、1日だけ販売していた価格を値下げ後の価格の比較対象価格として二重価格表示すると、不当表示に該当するため、選択肢の内容は不適切です

 

答えは(ア)です。


 

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