令和2年度の運営管理の1次試験について解説しています。

運営管理 ~R2-24 都市再生特別措置法(2)立地適正化計画~

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今回は、「運営管理 ~R2-24 都市再生特別措置法(2)立地適正化計画~」について説明します。

 

運営管理 ~令和2年度一次試験問題一覧~

令和2年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

都市計画法

「都市計画法」は、都市の健全な発展と秩序ある整備を図ることを目的として、都市計画の内容とその決定手続、都市計画による規制、都市計画による都市整備事業の実施などに関する事項を定めています

 

都市計画区域

「都市計画区域」とは、一体的に整備・開発・保全する必要がある市町村の中心部を含む区域のことをいい、都道府県が指定を行います。

さらに、「都市計画区域」を「市街化区域」と「市街化調整区域」に区分していくことを「区域区分」といい、都道府県が指定を行います。このように区域区分された区域のことを「線引き都市計画区域」といいます。

なお、「都市計画区域」の中には、「市街化区域」や「市街化調整区域」のいずれにも区分されない区域も多数存在します。このように区域区分されない区域のことを「非線引き都市計画区域(区域区分が定められていない都市計画区域)」といいます。

 

都市計画区域の区分
区域 説明
線引き都市計画区域 市街化区域 以下の条件に該当する区域

  • 既に市街地を形成している区域
  • おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図る区域
市街化調整区域 市街化を抑制すべき区域
市街化調整区域内における開発・建築行為を抑制する規制が適用されます。

  • 土地の区画形質の変更をする場合には、原則として許可が必要
  • 特別な事情にある場合を除いて、住宅のための宅地造成等は許可されない。
非線引き都市計画区域 「都市計画区域」のうち「市街化区域」や「市街化調整区域」に区分されない区域

 

立地適正化計画制度

我が国の都市における今後のまちづくりは、人口の急激な減少と高齢化を背景として、高齢者や子育て世代にとって、安心できる健康で快適な生活環境を実現すること、財政面及び経済面において持続可能な都市経営を可能とすることが大きな課題です。

こうした中、医療・福祉施設、商業施設や住居等がまとまって立地し、高齢者をはじめとする住民が公共交通によりこれらの生活利便施設等にアクセスできるなど、福祉や交通なども含めて都市全体の構造を見直し、「コンパクト・プラス・ネットワーク」の考えで進めていくことが重要です。

このため、「都市再生特別措置法」が改正され、行政と住民や民間事業者が一体となったコンパクトなまちづくりを促進するため、立地適正化計画制度が創設されました。

 

立地適正化計画

「都市再生特別措置法」において、市町村は、「都市計画法」に規定される区域について「都市再生基本方針」に基づき、住宅および都市機能増進施設の立地の適正化を図るための計画(立地適正化計画)を作成することができます。

市町村が作成する「立地適正化計画」は、都市全体の構造を見渡しながら、居住機能や福祉・医療・商業等の都市機能の立地、公共交通の充実等に関する包括的なマスタープランの高度化版と位置付けられています。

 

誘導区域

「立地適正化計画」では、誘導区域として「居住誘導区域」と「都市機能誘導区域」を基本的に同時に設定します。

 

  • 居住誘導区域
    居住を誘導すべき区域
  • 都市機能誘導区域
    都市機能増進施設の立地を誘導すべき区域

 

ただし、「都市機能誘導区域」の法律上の効果を早期に発揮させる必要性が高く、かつ「居住誘導区域」の設定において住民への丁寧な説明等のために時間を要する場合などには、「居住誘導区域」よりも先行して「都市機能誘導区域」を設定することも例外的に認められています

また、都市機能の充足により「居住誘導区域」に居住を誘導する、人口密度の維持により都市機能の持続性を向上する、住宅及び都市機能の立地の適正化を効果的に図るという観点から、原則として「居住誘導区域」の中に「都市機能誘導区域」を設定する必要があります。

 

 

 

出典元:都市計画運用指針における立地適正化計画に係る概要

 

「市街化区域」とは、都市計画法に基づき、都道府県が指定する都市計画区域の区分です。

 

居住誘導区域

「居住誘導区域」とは、人口減少の中にあっても、一定のエリアにおいて人口密度を維持することにより、生活サービスやコミュニティが持続的に確保されるように居住を誘導すべき区域のことをいいます。

「居住誘導区域」は、将来の人口等の見通しを踏まえた適切な範囲に設定されるべきであるため、今後、人口が減少すると見込まれる都市においては、現在の「市街化区域」の全域をそのまま「居住誘導区域」として設定するべきではありません

なお、「市街化調整区域」に「居住誘導区域」を設定することはできません

 

「市街化区域」「市街化調整区域」とは、都市計画法に基づき、都道府県が指定する都市計画区域の区分です。

 

都市機能誘導区域

「都市機能誘導区域」とは「都市機能増進施設の立地を誘導すべき区域」であり、医療・福祉・商業等の都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導し集約することにより、これらの各種サービスの効率的な提供を図る区域のことをいいます。

「都市機能誘導区域」は、区域内の人口や経済活動のほか、公共交通へのアクセス等を勘案して、市町村の主要な中心部のみならず、地域の実情や市街地形成の成り立ちに応じて必要な数を定め、それぞれの「都市機能誘導区域」に必要な誘導施設を定めていきます。

「都市機能誘導区域」を設定する際には、同時に「誘導施設」を定めることとしているため、「誘導施設」を設定していない「都市機能誘導区域」は、都市再生特別措置法で規定している「都市機能誘導区域」には該当しないものと解釈されます。

 

誘導施設

「誘導施設」とは「当該都市機能誘導区域ごとにその立地を誘導すべき都市機能増進施設」であり、都市の居住者の共同の福祉や利便のため必要な施設のことをいいます。

具体的には、以下の施設が想定されています。

 

  • 病院・診療所等の医療施設、老人デイサービスセンター等の社会福祉施設、小規模多機能型居宅介護事業所、地域包括支援センターその他の高齢化の中で必要性の高まる施設
  • 子育て世代にとって居住場所を決める際の重要な要素となる幼稚園や保育所等の子育て支援施設、小学校等の教育施設
  • 集客力がありまちの賑わいを生み出す図書館、博物館等の文化施設や集会施設、スーパーマーケット等の店舗や銀行等のサービス業を営む商業施設
  • 行政サービスの窓口機能を有する市役所等の行政施設

 

災害危険区域等の取扱

「浸水想定区域」については、「それぞれの区域の災害リスク、警戒避難態勢の整備状況、災害を防止し、又は軽減するための施設の整備状況や整備見込み等を総合的に勘案し、居住を誘導することが適当でないと判断される場合は、原則として、居住誘導区域に含まないこととすべき」としています。

「浸水想定区域」に「居住誘導区域」を設定する際には、避難態勢の整備状況、災害を防止し、又は軽減するための施設の整備状況や整備見込み等を踏まえた上で、災害頻度が高い地域にコストをかけて将来的に居住を誘導していく合理性や、河川事業の進捗等を総合的に勘案し、慎重に検討することが重要です。

その上で、「浸水想定区域」に「居住誘導区域」の設定が必要な場合には、災害時の避難経路の記載やハザードマップの周知等を行うだけでなく、より高いレベルで避難の確実性・迅速性を向上させるための措置を講じるとともに、立地適正化計画内には、それらの措置や詳細を明示するなど、実効性を担保することが必要です。

 

その他の区域・地区

その他の区域・地区として、以下について説明します。

 

  • 居住調整地域
  • 跡地等管理区域
  • 特定用途誘導地区

 

居住調整地域

「居住調整地域」とは、人口減少・高齢化の進展という社会背景の中で、都市構造を集約化して都市の機能を維持していく必要性が高まっていることを踏まえ、今後工場等の誘導は否定しないものの、居住を誘導しないこととする区域において住宅地化を抑制するために定める地域地区のことをいいます。

「立地適正化計画」において、必ずしも「居住調整地域」を設定する必要はありません。

「居住調整地域」は「線引き都市計画区域」においては「市街化区域」内であり、かつ「居住誘導区域」外の区域に定めることができ、「非線引き都市計画区域」においては「居住誘導区域」外の区域に定めることができます。

 

「線引き都市計画区域」「市街化区域」「非線引き都市計画区域」とは、都市計画法に基づき、都道府県が指定する都市計画区域の区分です。

 

跡地等管理区域

「跡地等管理区域」とは、空き地が増加しつつあるものの相当数の住宅が存在する既存集落や住宅団地等において、跡地等における雑草の繁茂、樹木の枯損等を防止し、良好な生活環境の確保や美観風致の維持を図ることを目的として、跡地等の適正な管理を必要とする区域及び跡地等の管理に係る指針を定めることができる地域地区のことをいいます。

なお、「居住誘導区域」に「跡地等管理区域」を設定することはできません

 

特定用途誘導地区

「特定用途誘導地区」とは、「都市機能誘導区域」内において「誘導施設」に該当する建築物については容積率や用途規制の緩和を行う一方、「誘導施設」に該当しない建築物については従来通りの規制を適用することによって「誘導施設」を有する建築物の建築を誘導することを目的とする地域地区のことをいいます。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和2年度 第24問】

市町村は、都市計画法に規定される区域について、都市再生基本方針に基づき、住宅および都市機能増進施設の立地適正化を図るための計画を作成することができる。

国土交通省が平成28年に公表している『都市計画運用指針における立地適正化計画に係る概要』における立地適正化計画に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア 居住調整区域とは、住宅地化を抑制するために定める地域地区であり、市街化調整区域に定める必要がある区域である。
イ 居住誘導区域とは、医療・福祉・商業等の都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導し集約することにより、これらの各種サービスの効率的な提供を図る区
域である。
ウ 都市機能誘導区域における誘導施設とは、当該区域ごとに、立地を誘導すべき都市機能増進施設である。
エ 立地適正化計画では、原則として、市街化区域全域を居住誘導区域として設定する必要がある。
オ 立地適正化計画では、原則として、都市機能誘導区域の中に居住誘導区域を定める必要がある。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

「都市再生特別措置法」において、市町村は、「都市計画法」に規定される区域について「都市再生基本方針」に基づき、住宅および都市機能増進施設の立地の適正化を図るための計画(立地適正化計画)を作成することができます。

市町村が作成する「立地適正化計画」は、都市全体の構造を見渡しながら、居住機能や福祉・医療・商業等の都市機能の立地、公共交通の充実等に関する包括的なマスタープランの高度化版と位置付けられています。

 

(ア) 不適切です。

「居住調整地域」とは、人口減少・高齢化の進展という社会背景の中で、都市構造を集約化して都市の機能を維持していく必要性が高まっていることを踏まえ、今後工場等の誘導は否定しないものの、居住を誘導しないこととする区域において住宅地化を抑制するために定める地域地区のことをいいます。

「居住調整地域」は「線引き都市計画区域」においては「市街化区域」内であり、かつ「居住誘導区域」外の区域に定めることができ、「非線引き都市計画区域」においては「居住誘導区域」外の区域に定めることができます。

 

「線引き都市計画区域」「市街化区域」「非線引き都市計画区域」とは、都市計画法に基づき、都道府県が指定する都市計画区域の区分です。

 

したがって、居住調整区域とは、住宅地化を抑制するために定める地域地区ですが、市街化調整区域に定める必要がある区域ではなく、「線引き都市計画区域」においては市街化区域内であり、かつ居住誘導区域外の区域に定めることができ「非線引き都市計画区域」の場合は、居住誘導区域外の区域に定めることができる区域であるため、、選択肢の内容は不適切です

 

(イ) 不適切です。

「居住誘導区域」とは、人口減少の中にあっても、一定のエリアにおいて人口密度を維持することにより、生活サービスやコミュニティが持続的に確保されるように居住を誘導すべき区域のことをいいます。

一方、「都市機能誘導区域」とは「都市機能増進施設の立地を誘導すべき区域」であり、医療・福祉・商業等の都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導し集約することにより、これらの各種サービスの効率的な提供を図る区域のことをいいます。

 

したがって、医療・福祉・商業等の都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導し集約することにより、これらの各種サービスの効率的な提供を図る区域とは「居住誘導区域」ではなく「都市機能誘導区域」のことを表しているため、選択肢の内容は不適切です

 

(ウ) 適切です。

「誘導施設」とは「当該都市機能誘導区域ごとにその立地を誘導すべき都市機能増進施設」であり、都市の居住者の共同の福祉や利便のため必要な施設のことをいいます。

 

したがって、都市機能誘導区域における誘導施設とは、当該区域ごとに、立地を誘導すべき都市機能増進施設であるため、選択肢の内容は適切です

 

(エ) 不適切です。

「居住誘導区域」とは、人口減少の中にあっても、一定のエリアにおいて人口密度を維持することにより、生活サービスやコミュニティが持続的に確保されるように居住を誘導すべき区域のことをいいます。

「居住誘導区域」は、将来の人口等の見通しを踏まえた適切な範囲に設定されるべきであるため、今後、人口が減少すると見込まれる都市においては、現在の「市街化区域」の全域をそのまま「居住誘導区域」として設定するべきではありません

 

したがって、立地適正化計画では、市街化区域全域を居住誘導区域として設定するとは限らないため、選択肢の内容は不適切です

 

(オ) 不適切です。

「立地適正化計画」では、誘導区域として「居住誘導区域」と「都市機能誘導区域」を基本的に同時に設定します。

また、都市機能の充足により「居住誘導区域」に居住を誘導する、人口密度の維持により都市機能の持続性を向上する、住宅及び都市機能の立地の適正化を効果的に図るという観点から、原則として「居住誘導区域」の中に「都市機能誘導区域」を設定する必要があります。

 

したがって、立地適正化計画では、原則として、「都市機能誘導区域」の中に「居住誘導区域」を定めるのではなく、「居住誘導区域」の中に「都市機能誘導区域」を設定する必要があるため、選択肢の内容は不適切です

 

答えは(ウ)です。


 

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