このブログでは二次試験(事例Ⅲ/事例Ⅳ)についても説明していますので、参考としてください。

運営管理 ~R2-36 輸配送管理(9)輸送手段~

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今回は、「運営管理 ~R2-36 輸配送管理(9)輸送手段~」について説明します。

 

運営管理 ~令和2年度一次試験問題一覧~

令和2年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

一貫パレチゼーション

輸送する商品をパレットに積載してユニット化することを「パレチゼーション」といいますが、特に輸送する商品を出発地から到着地まで、同一のパレットに乗せたまま輸送・保管することを「一貫パレチゼーション」といいます。

「一貫パレチゼーション」によって、輸送や保管に関わる要員の作業費用と荷役作業に関する作業時間を削減することができます。

また、輸送途中で荷物を積み崩す必要がないため、荷物に付くキズなどを防止することもできます。

 

問題点

  • 「一貫パレチゼーション」の実現により「輸送効率」が向上しますが、パレットを積載したときに隙間ができるなど「積載効率」や「保管効率」が悪くなります。
  • 「JIS」によって、パレットの規格が定められてはいますが、業界ごとに別の標準規格が定められているなど、パレットの統一規格が普及していないため、発送元の企業と受取先の企業が異なる規格のパレットを利用しているケースにおいては「一貫パレチゼーション」を実現できません
  • 荷物の輸送に使用したパレットを荷物の到着地から回収する必要があります。また、パレットを回収するまでの間にも別の荷物を輸送しなければならないため、パレットを余計に準備しておく必要があります。
    このような理由からパレットの回収コストや保有コストが高くなってしまいます。

 

複合一貫輸送

「複合一貫輸送」とは、単一の輸送人が、トラック輸送だけでなく、鉄道や内航海運といった2つ以上の輸送方法を組み合わせて、出発地から到着地まで荷物を輸送することをいいます。

 

モーダルシフト

「モーダルシフト」とは、トラックによる貨物輸送を、鉄道や船舶(内航海運)といった環境負荷の低い大量輸送機関に転換することをいい、「二酸化炭素の排出量を削減すること」を目的とした環境保護の取り組みの1つです。

貨物輸送における環境負荷の低減には「モーダルシフト」「輸配送の共同化」「輸送網の集約」などによる物流効率化が有効ですが、その中でも「モーダルシフト」は、特に環境負荷の低減効果が大きい取り組みです。

トラック輸送による二酸化炭素排出量を100%とした場合、鉄道輸送では「11分の1」に、船舶輸送では「6分の1」に抑制することができるため、大幅な二酸化炭素排出量の削減を期待されています。

「モーダルシフト」を推進するためには、一括輸送するために必要な貨物量を確保することや、輸送途中における荷物の積み替えを効率化することが課題とされていますが、複数荷主による混載便により必要な貨物量を確保したり、カーフェリーを利用してトラックそのものを航送することで荷物の積み替えをなくすなどの方法も数多く利用されています。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和2年度 第36問】

輸送手段等に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア RORO(roll-on roll-off)船は、フェリーと同様に、トラックと運転者を一緒に輸送することができる船舶であり、いわゆる旅客船のことである。
イ 中継輸送とは、長距離あるいは長時間に及ぶトラック輸送のときに、1人の運転者が輸送途中で休憩しながら発地から着地まで一貫して輸送することをいう。
ウ 鉄道輸送には、トラック輸送に比べて、荷主が出発時間を自由に指定することができるという長所がある一方で、輸送トンキロ当たりの二酸化炭素排出量が多いという短所もある。
エ トラックの時間当たりの実車率を高める方策の1つは、納品先での納品待機時間など手待ち時間を削減することである。
オ トラック輸送では、1台のトラックに荷主1社の荷物だけを積載する貸切運送しか認められていない。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

「輸送手段」に関する知識を問う問題です。

 

(ア) 不適切です。

「RORO(roll-on roll-off)船」とは、船と陸地を橋渡しして車両を自走させるランプウェイを有しており、トラックやトレーラーから貨物を積み下ろすことなく、貨物を積載した車両ごと船内に積み込んで運搬する貨物船のことをいいます。

旅客を輸送しない「カーフェリー」といった方がイメージが湧きやすいと思います。

 

したがって、RORO(roll-on roll-off)船は、フェリーと同様に、トラックと運転者を一緒に輸送することができる船舶ではなく、トラックのみを輸送することができる船舶であるため、選択肢の内容は不適切です

 

(イ) 不適切です。

「中継輸送」とは、1人の運転者が出発地から到着地まで一貫してトラック輸送するのではなく、複数人で分担してトラック輸送する方式のことをいいます。「中継輸送」の代表的な方式を以下に示します。

 

  • トレーラー・トラクター方式
    中継拠点でトラクターを交換する方式です。
    牽引免許を持っている運転者同士で行う必要がありますが、中継拠点におけるトラクターの交換作業は短時間で終わります。
  • 貨物積み替え方式
    中継拠点で貨物を積み替える方式です。
    貨物の積み替え作業を実施するため、中継拠点における作業時間は長くかかります。
  • ドライバー交替方式
    中継拠点でトライバーが交替する方式です。
    運転者は、他の事業者のトラックを運転することになりますが、1台のトラックで輸送する方式であるため、中継拠点における作業時間も短時間で終わります。

 

したがって、中継輸送とは、長距離あるいは長時間に及ぶトラック輸送のときに、1人の運転者が輸送途中で休憩しながら発地から着地まで一貫して輸送することではないため、選択肢の内容は不適切です

 

(ウ) 不適切です。

「モーダルシフト」とは、トラックによる貨物輸送を、鉄道や船舶(内航海運)といった環境負荷の低い大量輸送機関に転換することをいい、「二酸化炭素の排出量を削減すること」を目的とした環境保護の取り組みの1つです。

トラック輸送による二酸化炭素排出量を100%とした場合、鉄道輸送では「11分の1」に、船舶輸送では「6分の1」に抑制することができるため、大幅な二酸化炭素排出量の削減を期待されています。

 

したがって、荷主が出発時間を自由に指定することができるという長所がある一方で、輸送トンキロ当たりの二酸化炭素排出量が多いという短所もあるのは、「鉄道輸送」ではなく「トラック輸送」であるため、選択肢の内容は不適切です

 

(エ) 適切です。

国土交通省が発行している「トラック運送における生産性向上方策に関する手引き」において、トラック輸送の生産性を示す評価指標として「実働率」「実車率(時間あたり)」「実車率(距離あたり)」「積載率」が示されています。

 

「トラック運送における生産性向上方策に関する手引き」で紹介されているトラック輸送の生産性を表す「評価指標」は以下の通りです。

 

 

出典元:トラック運送における生産性向上方策に関する手引き

 

トラック輸送においては、トラックの稼動時間を長くして「実働率」を高め、稼働時間に占める走行時間を長くして「実車率(時間あたり)」を高め、貨物を積載した状態での走行距離を増やして「実車率(距離あたり)」を高め、さらに積載する貨物の数量を増やして「積載率」を高めることにより生産性を向上することができます。

 

「トラック運送における生産性向上方策に関する手引き」で紹介されているトラック輸送における生産性向上の方策と取り組みイメージは以下の通りです。

 

 

出典元:トラック運送における生産性向上方策に関する手引き

 

したがって、トラックの時間当たりの実車率を高める方策の1つは、納品先での納品待機時間など手待ち時間を削減することであるため、選択肢の内容は適切です

 

(オ) 不適切です。

トラック輸送では、1台のトラックに荷主1社の荷物だけを積載する貸切運送だけでなく、1台のトラックに複数の荷主の荷物を積載する共同輸送も認められているため、選択肢の内容は不適切です

 

答えは(エ)です。


 

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