運営管理 ~H26-34 物流センター管理(13)物流センター機能・設計~

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今回は、「運営管理 ~H26-34 物流センター管理(13)物流センター機能・設計~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~平成26年度一次試験問題一覧~

平成26年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

  • 運営管理 ~平成26年度一次試験問題一覧~

 

物流センター機能・設計 -リンク-

本ブログにて「物流センター機能・設計」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

物流センター運営 -リンク-

本ブログにて「物流センター運営」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

物流センター

「物流センター」には、「ベンダー(サプライヤー)」から入荷した商品を在庫として保管して店舗からの出荷指示に基づき出荷するタイプの「在庫型物流センター(DC)」と、商品を在庫せずに「ベンダー(サプライヤー)」から入荷した商品を迅速に店舗に出荷するタイプの「通過型物流センター(TC)」があります。

さらに、「在庫型物流センター(DC)」には、単に在庫品を出荷するだけでなく、鮮魚や精肉の加工、部品の組立や設置といった高度な加工作業に対応できるよう準工場化された機能を有する「流通加工・在庫型物流センター(PDC)」があります。

 

在庫型物流センター(DC/Distribution Center)

「在庫型物流センター(DC)」とは、「ベンダー(サプライヤー)」から入荷した商品を在庫として保管しておき、店舗からの出荷指示に基づいて、在庫品から商品をピッキングして店舗に出荷するタイプの物流センターのことをいいます。

主に、卸売業者が採用していることが多く、物流センターの中で最も一般的なタイプです。

「在庫型物流センター(DC)」の一番の特徴は、商品の在庫を保有することです。

「在庫型物流センター(DC)」は在庫を保有しているため、店舗からの「緊急を要する出荷指示」に対応することができるというメリットがありますが、在庫を保管するための広いスペースが必要になるというデメリットもあります。

「在庫型物流センター(DC)」では、「過大在庫」や「品切れ」が発生しないように「在庫管理」することが非常に重要です。

 

メーカーとDC間における商品の入荷処理

「在庫型物流センター(DC)」は「過大在庫」や「品切れ」が発生しないように「在庫管理」を行い、商品の在庫数が減少すると、メーカーに商品を発注して商品を補充します。

 

 

店舗とDC間における商品の出荷処理

「在庫型物流センター(DC)」は、店舗から受注すると「在庫型物流センター(DC)」の在庫から商品をピッキング・仕分けして店舗に出荷します。

 

 

流通加工・在庫型物流センター(PDC/Process Distribution Center)

「流通加工・在庫型物流センター(PDC)」とは、単に在庫品を出荷するだけでなく、鮮魚や精肉の加工、部品の組立や設置といった高度な加工作業に対応できるよう準工場化された機能を有するタイプの物流センターのことをいいます。

加工処理を行うという付加価値を付けることができますが、労働力や設備投資が必要となります。

 

通過型物流センター(TC/Transfer Center)

「通過型物流センター(TC)」とは、商品を在庫せず、「ベンダー(サプライヤー)」から入荷した商品を迅速に店舗に出荷するタイプの物流センターのことをいいます。

「通過型物流センター(TC)」の一番の特徴は、商品の在庫を保有しないことです。

「通過型物流センター(TC)」は在庫を保有していないため、在庫を保管するためのスペースが不要であるというメリットがありますが、店舗からの「緊急を要する出荷指示」に対応することができないというデメリットもあります。

「通過型物流センター(TC)」は、鮮度が重視される商品を取り扱う店舗や、店舗面積が狭く商品を陳列するスペースが少ない店舗への商品配送で多く利用される「多頻度小口配送」に活用されます。「多頻度小口配送」では、商品を配送する回数は多くなりますが、1回の配送で納品する商品の量が少ないため、店舗で保有する平均在庫量を少なくすることができます。

「通過型物流センター(TC)」では、店舗からの注文情報に基づき「ベンダー(サプライヤー)」から入荷した商品を迅速に出荷する必要があるため、情報システム(WMS)などを導入してリアルタイムに最新の入荷・出荷情報を管理することが非常に重要です。

 

 

「通過型物流センター(TC)」には「ベンダー仕分け型」と「センター仕分け型」があります。

 

ベンダー仕分け型

「ベンダー仕分け型」とは、「ベンダー(サプライヤー)」が商品を店舗別に仕分けた状態で「通過型物流センター(TC)」に納品する方式のことをいいます。

「ベンダー仕分け型」の場合、「通過型物流センター(TC)」は「荷合わせ作業」を実施してから店舗に出荷します。

 

 

センター仕分け型

「センター仕分け型」とは、「ベンダー(サプライヤー)」が商品の注文総量に基づき、商品別に「通過型物流センター(TC)」に納品する方式のことをいいます。

「センター仕分け型」の場合、「通過型物流センター(TC)」は納品された商品に対してピッキング・仕分け作業を実施してから店舗に出荷します。

 

 

クロスドッキング

「クロスドッキング」とは、ベンダーから入荷した貨物(商品)を、物流センターで開梱することなく、パレットやケース単位で仕分けてトラックの積み替えのみを行って出荷する仕組みのことをいいます。

「クロスドッキング」の語源は、物流センターの「荷受場(ドック)」から「出荷場(ドック)」に貨物(商品)を通過(クロス)させるという意味に由来していると言われています。

「通過型物流センター(TC)」は、ベンダーから入荷した貨物(商品)を開梱した後、検品や仕分けを行いますが、「クロスドッキング」では、貨物(商品)を開梱しないという違いがあります。

 

ピッキング

「ピッキング」とは、作業者(ピッカー)が、伝票や指示書にしたがって、保管場所から必要な商品を取り出す作業のことをいいます。

 

ピッキングの種類

「ピッキング」は、「トータルピッキング(種まき方式)」と「シングルピッキング(摘み取り方式)」の2種類の方法に分類されます。

 

 

トータルピッキング(種まき方式)

「トータルピッキング」とは、複数の出荷先からの出荷オーダーの商品をまとめてピッキング(取り出す)した後、個別の出荷オーダーごとに商品を仕分ける作業方法のことであり、「種まき方式」とも呼ばれています。

同一商品を何度もピッキングする無駄を省くことができるため作業員の移動距離を短くすることができるというメリットがありますが、商品の仕分け作業に熟練度を要するというデメリットもあります。

 

仕分け

「仕分け」とは、物品を品種別、送り先方面別、顧客別などに分ける作業のことをいいます。

 

シングルピッキング(摘み取り方式)

「シングルピッキング」とは、1つの出荷オーダーごとに保管場所から商品をピッキング(取り出す)する最も基本的な作業方法のことであり、「摘み取り方式」「オーダーピッキング」とも呼ばれています。

作業内容がシンプルのため作業精度を高く維持できるというメリットがありますが、同一商品を何度もピッキングするため作業員の移動距離が長くなるというデメリットもあります。

 

デジタルピッキング

「デジタルピッキング」とは、保管棚に取り付けたデジタル表示器の指示にしたがって、作業者が商品をピッキングする仕組みのことをいいます。

作業者はライトの付いた保管棚に行って、デジタル表示器に表示された数量をピッキングするため、商品知識が無くても正確に仕分け作業を実施することができます。

 

ピッキングカートシステム

「ピッキングカートシステム」とは、台車(カート)に表示された指示にしたがって、作業者が保管棚から商品をピッキングする仕組みのことをいいます。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成26年度 第34問】

物流センターに関する用語の説明として、最も適切なものはどれか。

 

ア 小売業が物流センターの運営を卸売業に委託した際に、小売業が卸売業に支払う費用をセンターフィーという。

イ 顧客から注文された商品の総数をいったん集めて顧客別に商品を配分するピッキング方法を摘み取り方式という。

ウ 物流センターで商品を加工し、付加価値をつけることを流通加工という。

エ 物流センターの在庫を仕分けし、各店舗に配送する仕組みのことをクロスドッキングという。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

 

(ア) 不適切です。

「センターフィー」とは、小売業者が運営する物流センターの利用料金のことをいい、利用者である「ベンダー(サプライヤー)」や「卸売業者」が、利用状況に応じて、物流センターを運営する小売業者に対して支払います

 

したがって、「センターフィー」とは、小売業が物流センターの運営を卸売業に委託した際に、小売業が卸売業に支払う費用ではなく、卸売業が小売業に支払う費用であるため、選択肢の内容は不適切です

 

(イ) 不適切です。

「ピッキング」は、「トータルピッキング(種まき方式)」と「シングルピッキング(摘み取り方式)」の2種類の方法に分類されます。

「トータルピッキング」とは、複数の出荷先からの出荷オーダーの商品をまとめてピッキング(取り出す)した後、個別の出荷オーダーごとに商品を仕分ける作業方法のことであり、「種まき方式」とも呼ばれています。

また、「シングルピッキング」とは、1つの出荷オーダーごとに保管場所から商品をピッキング(取り出す)する最も基本的な作業方法のことであり、「摘み取り方式」「オーダーピッキング」とも呼ばれています。

 

したがって、顧客から注文された商品の総数をいったん集めて顧客別に商品を配分するピッキング方法は「摘み取り方式」ではなく「種まき方式(トータルピッキング)」というため、選択肢の内容は不適切です

 

(ウ) 適切です。

「流通加工・在庫型物流センター(PDC)」とは、「在庫型物流センター(DC)」の機能に加えて、鮮魚や精肉の加工、部品の組立や設置といった高度な加工作業に対応できるよう準工場化された機能を有するタイプの物流センターのことをいいます。

加工処理を行うという付加価値を付けることができますが、労働力や設備投資が必要が必要となります。

 

したがって、物流センターで商品を加工し、付加価値をつけることを「流通加工」というため、選択肢の内容は適切です

 

(エ) 不適切です。

「クロスドッキング」とは、ベンダーから入荷した貨物(商品)を、物流センターで開梱することなく、パレットやケース単位で仕分けてトラックの積み替えのみを行って出荷する仕組みのことをいいます。

「クロスドッキング」の語源は、物流センターの「荷受場(ドック)」から「出荷場(ドック)」に貨物(商品)を通過(クロス)させるという意味に由来していると言われています。

「通過型物流センター(TC)」では、ベンダーから入荷した貨物(商品)を開梱した後、検品や仕分けを行いますが、「クロスドッキング」では、貨物(商品)を開梱しないという違いがあります。

 

物流センターの在庫を仕分けし、各店舗に配送する仕組みのことは「クロスドッキング」ではなく「在庫型物流センター(DC)」というため、選択肢の内容は不適切です

 

答えは(ウ)です。


 

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