運営管理 ~H26-6 生産の合理化・改善(8)工程管理の用語~

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今回は、「運営管理 ~H26-6 生産の合理化・改善(8)工程管理の用語~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~平成26年度一次試験問題一覧~

平成26年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

  • 運営管理 ~平成26年度一次試験問題一覧~

 

生産管理の基礎用語 -リンク-

本ブログにて「3S」「5S」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

ECRSの原則(改善の4原則)

「ECRSの原則」は、生産活動の作業効率を改善するために検討すべき観点とその順番を示しており、Eliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化)という4つの観点の頭文字から構成されています。

「ECRSの原則」を活用して、作業自体をなくしたり(E)、作業をまとめて行ったり(C)、作業の順番を入れ替えたり(R)、作業を単純化する(S)といった方法で、生産活動における作業効率を改善していきます

 

 

3S

「3S」とは、生産の合理化における基本原則であり、「単純化(Simplification)」「標準化(Standardization)」「専門化(Specialization)」の「1文字目(S)」を取って並べたもののことをいいます。

 

「単純化」とは、製品・材料・部品の整理や、作業工程の見直しにより、その種類を減らして簡素化することであり、「作業ミスの撲滅」「作業時間の短縮」「コストの低減」といった効果を期待することができます。

「標準化」とは、一定の基準に従って、物(資材・部品など)や方法(作業・手続きなど)を統一化することであり、「属人化した技術の横展開」「品質の安定」「作業時間の短縮」「作業者の多能工化」「コストの低減」といった効果を期待することができます。

「専門化」とは、製品・品種の限定や、作業の分担化により専業化することをであり、「専門技術力の向上」「専門優位性の確立」「競合他社との差別化」といった効果を期待することができます。

 

3S 内容
単純化 製品・材料・部品の整理や、作業工程の見直しにより、その種類を減らして簡素化すること
→作業ミスの撲滅、作業時間の短縮、コストの低減
標準化 一定の基準に従って、物(資材・部品など)や方法(作業・手続きなど)を統一化すること
→属人化した技術の横展開、品質の安定、作業時間の短縮、作業者の多能工化、コストの低減
専門化 製品・品種の限定や、作業の分担化により専業化すること
→専門技術力の向上、専門優位性の確立、競合他社との差別化

 

5S

「5S」とは、職場環境を安全で効率的で快適にするための活動であり、「整理(Seiri)」「整頓(Seiton)」「清掃(Seisou)」「清潔(Seiketsu)」「しつけ(Shitsuke)」のローマ字表記の「1文字目(S)」を取って並べたもののことをいいます。

製造現場において「5S」の実施状況を見れば、その工場の生産性や信頼性が分かると言われるほど重視されています。

 

「整理・整頓・清掃」は、新たな手順を確立すること、「清潔」はその確立された手順を「標準化」して実施すること、「しつけ」はその「標準化」された手順を作業者が自主的に実施できるよう教育すること、という流れで覚えておくことをお薦めします。

 

5S 内容
整理 必要なものと不要なものを区別して、不要なものを片付けること
整頓 必要なものをすぐに取り出せるように、決められた場所に保管すること
清掃 必要なものについた汚れ(ゴミ、異物)を取り除くこと
清潔 整理・整頓・清掃を繰り返して、汚れのない状態を維持すること
しつけ 決められたことを守るよう習慣づけること

 

生産の4M(3M)

生産管理の目的は、生産管理の基本的要素(QCD)を満たすために、生産の構成要素である「4M」を合理的に運用することです。

「4M」とは、「Material(原材料・部品)」「Man(作業者)」「Machine(機械設備)」「Method(作業方法)」の「1文字目(M)」を取って並べたものです。

なお、「3M」という場合は、「Material(原材料・部品)」「Man(作業者)」「Machine(機械設備)」を対象としています。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成26年度 第6問】

工程管理で用いられる用語および略号に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア 改善を行うときの問いかけとして、「なくせないか、一緒にできないか、順序の変更はできないか、標準化できないか」があり、これらを総称して「ECRSの原則」と呼ぶ。
イ 職場の管理の前提として、「整理、整頓、清掃、習慣、躾」があり、これらを総称して「5S」と呼ぶ。
ウ 生産活動を効率的に行うための考え方として、「単純化、専門化、標準化」があり、これらを総称して「3S」と呼ぶ。
エ 生産管理が対象とするシステムの構成要素として、「Man、Machine、Management」があり、これらを総称して「3M」と呼ぶ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

工程管理で用いられる用語および略号に関する知識を問う問題です。

 

(ア) 不適切です。

「ECRSの原則」は、生産活動の作業効率を改善するために検討すべき観点とその順番を示しており、Eliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化)という4つの観点の頭文字から構成されています。

「ECRSの原則」を活用して、作業自体をなくしたり(E)、作業をまとめて行ったり(C)、作業の順番を入れ替えたり(R)、作業を単純化する(S)といった方法で、生産活動における作業効率を改善していきます

 

 

したがって、改善を行うときの問いかけである「ECRSの原則」は、「なくせないか、一緒にできないか、順序の変更はできないか、標準化できないか」ではなく、「なくせないか、一緒にできないか、順序の変更はできないか、単純化できないか」であるため、選択肢の内容は不適切です

 

(イ) 不適切です。

「5S」とは、職場環境を安全で効率的で快適にするための活動であり、「整理(Seiri)」「整頓(Seiton)」「清掃(Seisou)」「清潔(Seiketsu)」「しつけ(Shitsuke)」のローマ字表記の「1文字目(S)」を取って並べたもののことをいいます。

 

5S 内容
整理 必要なものと不要なものを区別して、不要なものを片付けること
整頓 必要なものをすぐに取り出せるように、決められた場所に保管すること
清掃 必要なものについた汚れ(ゴミ、異物)を取り除くこと
清潔 整理・整頓・清掃を繰り返して、汚れのない状態を維持すること
しつけ 決められたことを守るよう習慣づけること

 

したがって、職場の管理の前提である「5S」は、「整理、整頓、清掃、習慣、躾」ではなく、「整理、整頓、清掃、清潔、躾(しつけ)」であるため、選択肢の内容は不適切です

 

(ウ) 適切です。

「3S」とは、生産の合理化における基本原則であり、「単純化(Simplification)」「標準化(Standardization)」「専門化(Specialization)」の「1文字目(S)」を取って並べたもののことをいいます。

 

3S 内容
単純化 製品・材料・部品の整理や、作業工程の見直しにより、その種類を減らして簡素化すること
→作業ミスの撲滅、作業時間の短縮、コストの低減
標準化 一定の基準に従って、物(資材・部品など)や方法(作業・手続きなど)を統一化すること
→属人化した技術の横展開、品質の安定、作業時間の短縮、作業者の多能工化、コストの低減
専門化 製品・品種の限定や、作業の分担化により専業化すること
→専門技術力の向上、専門優位性の確立、競合他社との差別化

 

生産活動を効率的に行うための考え方として、「単純化、専門化、標準化」があり、これらを総称して「3S」と呼ぶため、選択肢の内容は適切です

 

(エ) 不適切です。

生産管理の目的は、生産管理の基本的要素(QCD)を満たすために、生産の構成要素である「4M」を合理的に運用することです。

「4M」とは、「Material(原材料・部品)」「Man(作業者)」「Machine(機械設備)」「Method(作業方法)」の「1文字目(M)」を取って並べたものです。

なお、「3M」という場合は、「Material(原材料・部品)」「Man(作業者)」「Machine(機械設備)」を対象としています。

 

したがって、生産管理が対象とするシステムの構成要素である「3M」は、「Man、Machine、Management」ではなく、「Material、Man、Machine」であるため、選択肢の内容は不適切です

 

答えは(ウ)です。


 

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