運営管理 ~R1-35 輸配送管理(8)輸送形態~

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今回は、「運営管理 ~R1-35 輸配送管理(8)輸送形態~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~令和元年度一次試験問題一覧~

令和元年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

トラック運送・船舶輸送・貨客混載 -リンク-

本ブログにて「トラック運送」「船舶輸送」「貨客混載」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

トラック運送

 

輸送方式

「輸送効率(生産性)」を高める輸送方式には「ミルクラン輸送」と「ラウンド輸送」があります。

 

ミルクラン輸送

「ミルクラン輸送」とは、発注元が主体となって、1台のトラックで供給元(サプライヤ)の複数拠点を巡回して原材料や部品などを集荷する輸送方式のことをいい、牛乳メーカーが酪農家を巡回して原料である生乳を集荷していたことから名付けられた輸送方式です。

 

 

メリット

「ミルクラン輸送」のメリットは以下の通りです。

 

  • 調達元が輸送コストを負担するため、原材料や部品などの費用に含まれていた供給元(サプライヤ)の輸送コストが発生しなくなり、原材料や部品そのものの調達コストを明確に把握することができる。
  • 必要なものを必要な時に必要なだけ調達できるため、過剰在庫を抑制することができる。
  • 1台のトラックで集荷した原材料や部品をまとめて検品することができるため、検品作業を効率化することができる。
  • 輸送コスト、在庫コスト、検品コストといった調達コストを削減することができる。
  • 定期的な巡回集荷により原材料や部品などの到着タイミングを一定にすることができるため、生産計画を立案しやすい。
  • 輸送に使用するトラック台数を削減されるため、搬入口の効率化を図ることができ、二酸化炭素排出量も削減することができる。

 

ラウンド輸送

「ラウンド輸送」とは、トラックに積み込んだ貨物を目的地で下ろした後、別の貨物を積み込んで出発地まで帰ってくることによって、往路と復路の車両の積載率を高める輸送方式のことをいいます。

 

 

実際には、1対1の拠点間で「ラウンド輸送」を実現するよりも、地域ごとに存在する複数の拠点で提携して「ラウンド輸送」を実現します。

 

 

「ラウンド輸送」は、船舶輸送において積載率を高める方法(コンテナラウンドユース(CRU))として紹介されている事例が多いようです。

 

貨客混載

「貨客混載」とは、旅客と貨物を一緒に輸送する形態のことをいいます。

従来は、「乗合バス」を除いた旅客自動車運送事業者は旅客の運送に、貨物自動車運送事業者は貨物の運送に制限するよう規制されていましたが、自動車運送業の担い手不足や人口減少に伴う輸送需要の減少という環境の変化に合わせて、2017年9月から、旅客自動車運送事業と貨物自動車運送事業の両事業に関する許可を取得した場合は「乗合バス」については全国で「貸切バス」「タクシー」「トラック」については過疎地域で「貨客混載」によるサービスのかけもちができるようになりました。

 

  • 「乗合バス」では、貨物自動車運送事業の許可を取得すれば、全国において「350kg以上」の荷物を輸送することができる。
  • 「乗合バス」では、貨物自動車運送事業の許可を取得しなくても、全国において「350kg未満」の荷物を輸送することができる。(従来通り)
  • 「貸切バス」「タクシー」「トラック」では、旅客自動車運送事業と貨物自動車運送事業の許可を取得すれば、過疎地域において「貨客混載」することができる。

 

自動車運送業の生産性向上プラン

国土交通省ホームページ

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和元年度 第35問】

トラックなど自動車による輸送形態に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア 貨客混載は、バスなど公共交通機関による実施に限られ、トラックによる実施は禁止されている。

イ 共同輸送は、複数の荷主の商品をトラック1台に混載しているため、複数の荷主にとって納品先が一致している場合に限り行われる。

ウ ミルクランは、複数の荷主を回って商品を集めることである。

エ ラウンド輸送は、往路の車両の積載率を高める輸送形態であり、復路は空車になる。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

トラックなど自動車による輸送形態に関する知識を問う問題です。

 

(ア) 不適切です。

「貨客混載」とは、旅客と貨物を一緒に輸送する形態のことをいいます。

従来は、「乗合バス」を除いた旅客自動車運送事業者は旅客の運送に、貨物自動車運送事業者は貨物の運送に制限するよう規制されていましたが、自動車運送業の担い手不足や人口減少に伴う輸送需要の減少という環境の変化に合わせて、2017年9月から、旅客自動車運送事業と貨物自動車運送事業の両事業に関する許可を取得した場合は「乗合バス」については全国で「貸切バス」「タクシー」「トラック」については過疎地域で「貨客混載」によるサービスのかけもちができるようになりました。

したがって、「貨客混載」は、バスなどの公共交通機関に限らず、タクシーやトラックによる実施も可能であるため、選択肢の内容は不適切です

 

(イ) 不適切です。

「共同輸送」は、複数の荷主の商品をトラック1台に混載していますが、複数の荷主にとって納品先が異なっている場合でも行われるため、選択肢の内容は不適切です

 

(ウ) 適切です。

「ミルクラン輸送」とは、発注元が主体となって、1台のトラックで供給元(サプライヤ)の複数拠点を巡回して原材料や部品などを集荷する輸送形態のことをいい、牛乳メーカーが酪農家を巡回して原料である生乳を集荷していたことから名付けられた輸送方式です。

 

 

したがって、「ミルクラン輸送」は、複数の荷主を回って商品を集めることであるため、選択肢の内容は適切です

 

(エ) 不適切です。

「ラウンド輸送」とは、トラックに積み込んだ貨物を目的地で下ろした後、別の貨物を積み込んで出発地まで帰ってくることによって、往路と復路の車両の積載率を高める輸送形態のことをいいます。

 

 

したがって、「ラウンド輸送」は、往路と復路の車両の積載率を高める輸送形態であり、復路も空車にはならないため、選択肢の内容は不適切です

 

「ラウンド輸送」は、船舶のコンテナ輸送において積載率を高める方法(コンテナラウンドユース(CRU))として紹介されている事例が多いようです。

 

答えは(ウ)です。


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