運営管理 ~R1-6 生産管理方式(7)生産座席予約方式~

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今回は、「運営管理 ~R1-6 生産管理方式(7)生産座席予約方式~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~令和元年度一次試験問題一覧~

令和元年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

整番管理方式・追番管理方式・オーダエントリー方式・生産座席予約方式・モジュール生産方式 -リンク-

本ブログにて「整番管理方式」「追番管理方式」「オーダエントリー方式」「生産座席予約方式」「モジュール生産方式」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

整番管理方式

「製番管理方式」とは、製品の生産指示に際して、製品ごとに「製造番号(製番)」を付与して、製品ごとの生産状況を管理を行う方式であり、「個別生産」「小ロット生産」「月間生産量が少ない品種のロット生産」において採用される管理方式のことをいいます。

「製番管理方式」では、製品ごとに発行する「製造命令書」に「製造番号(製番)」を付与して生産状況を管理することによって、製品ごとの「進捗管理」「製造原価」を確実に把握することができます。

「製造番号(製番)」は、自社で加工する製品だけでなく、製品を構成する部品や材料にも適用して管理を行うため、品質上の問題が発見された場合に「製造番号(製番)」から該当する製品や部品や材料を特定できるなど、容易に必要な情報のトレースが可能になるというメリットがありますが、部品や材料の調達が遅れた場合、次の工程に進むことができないというデメリットもあります。

 

製番管理方式に適した生産形態

  • 個別生産
  • 小ロット生産
  • 月間生産量が少ない品種のロット生産

 

製番管理方式(JISZ8141:2022-3212)

製造命令書において、対象製品に関する全ての加工及び組立の指示書を準備し、同一の製造番号をそれぞれにつけて管理する方式

  • 注釈1 個別生産のほか、ロットサイズの小さい、つまり品種ごとの月間生産量が少ない場合のロット生産で用いられることが多い。

 

追番管理方式

「追番管理方式」とは、製品種類や部品種類といった単位にまとめて、単位ごとの生産状況を「累計製造番号(追番)」で管理する方式であり、仕様が同じ製品を量産する「連続生産」「生産量の多いロット生産」において採用される管理方式のことをいいます。

「連続生産」「生産量の多いロット生産」では仕様が同じ製品を量産するため、製品種類や部品種類といった単位にまとめて生産状況を管理することによって、効率的に「進捗管理」「製造原価」を把握することができます。

 

追番管理方式に適した生産形態

  • 連続生産
  • 生産量の多いロット生産

 

生産座席予約方式

「生産座席予約方式」とは、顧客から注文を受けた時点で、製品を生産するために必要な設備や資材(材料)を予約して割り付けることにより、顧客と調整した納期どおりに製品を納品する生産方式のことをいいます。

「製品を生産するために必要な設備や資材(材料)」を割り付ける方法が、電車や飛行機などの座席予約方法と似ているという理由から「生産座席予約方式」と呼ばれています。

営業担当者が顧客と交渉する際に納期を確認できたり、顧客からの注文をタイムリーに生産計画に反映できるといったメリットがあります。

ただし、設備や資材(材料)の割り付けが先着順となってしまうため、得意先からの急な注文に割り付ける設備や資材(材料)が足りないといった事態にならないよう、得意先向けの優先枠を確保するというような柔軟性を確保する対策が必要です。

 

生産座席予約方式(JISZ8141:2022-3208)

受注したオーダを顧客が要求する納期どおりに生産するため、製造設備の使用日程・資材の使用予定などに割り付けて生産する方式

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和元年度 第6問】

生産座席予約方式に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア 外注に際して発注者が、外注先へ資材を支給する方式である。

イ 組立を対象としたラインや機械、工程、作業者へ、1つの組立品に必要な各種の部品を1セットとして、そのセット単位で部品をそろえて出庫および供給する方式である。

ウ 受注時に、製造設備の使用日程・資材の使用予定などにオーダーを割り付けて生産する方式である。

エ 製造命令書を発行するときに、その製品に関する全ての加工と組立の指示書を同時に準備し、同一の製造番号をそれぞれに付けて管理を行う方式である。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

「生産座席予約方式」に関する知識を問う問題です。

 

(ア) 不適切です。

外注に際して発注者が、外注先へ資材を支給する方式とは「材料支給方式」のことを示しているため、選択肢の内容は不適切です

 

材料支給方式

外注に際して発注者が、外注先へ資材を支給する方式。
備考 これには無償支給(支給する資材の代金を取らずに無償で支給する。)と、有償支給(支給する資材の価格を決めて売り渡す。)とがある。(JISZ8141-7104)

 

(イ) 不適切です。

組立を対象としたラインや機械、工程、作業者へ、1つの組立品に必要な各種の部品を1セットとして、そのセット単位で部品をそろえて出庫および供給する方式とは「部品供給」の「マーシャリング」のことを示しているため、選択肢の内容は不適切です

 

部品供給

職場、ライン、機械、工程又は作業者へ原料、材料及び部品を供給する行為。

備考 部品の供給方法には、機械又は作業者の生産速度に同期化させて1個ずつ供給する同期化供給、所定のロット単位で供給するロット供給、必要部品を事前にそろえてセットで供給するマーシャリングがある。(JISZ8141-5402)

 

(ウ) 適切です。

「生産座席予約方式」とは、顧客から注文を受けた時点で、製品を生産するために必要な設備や資材(材料)を予約して割り付けることにより、顧客と調整した納期どおりに製品を納品する生産方式のことをいいます。

「製品を生産するために必要な設備や資材(材料)」を割り付ける方法が、電車や飛行機などの座席予約方法と似ているという理由から「生産座席予約方式」と呼ばれています。

営業担当者が顧客と交渉する際に納期を確認できたり、顧客からの注文をタイムリーに生産計画に反映できるといったメリットがあります。

ただし、設備や資材(材料)の割り付けが先着順となってしまうため、得意先からの急な注文に割り付ける設備や資材(材料)が足りないといった事態にならないよう、得意先向けの優先枠を確保するというような柔軟性を確保する対策が必要です。

 

生産座席予約方式(JISZ8141:2022-3208)

受注したオーダを顧客が要求する納期どおりに生産するため、製造設備の使用日程・資材の使用予定などに割り付けて生産する方式

 

したがって、受注時に、製造設備の使用日程・資材の使用予定などにオーダーを割り付けて生産する方式とは「生産座席予約方式」のことを示しているため、選択肢の内容は適切です

 

(エ) 不適切です。

「製番管理方式」とは、製品の生産指示に際して、製品ごとに「製造番号(製番)」を付与して、製品ごとの生産状況を管理を行う方式であり、「個別生産」「小ロット生産」「月間生産量が少ない品種のロット生産」において採用される管理方式のことをいいます。

「製番管理方式」では、製品ごとに発行する「製造命令書」に「製造番号(製番)」を付与して生産状況を管理することによって、製品ごとの「進捗管理」「製造原価」を確実に把握することができます。

「製造番号(製番)」は、自社で加工する製品だけでなく、製品を構成する部品や材料にも適用して管理を行うため、品質上の問題が発見された場合に「製造番号(製番)」から該当する製品や部品や材料を特定できるなど、容易に必要な情報のトレースが可能になるというメリットがありますが、部品や材料の調達が遅れた場合、次の工程に進むことができないというデメリットもあります。

 

製番管理方式に適した生産形態

  • 個別生産
  • 小ロット生産
  • 月間生産量が少ない品種のロット生産

 

製番管理方式(JISZ8141:2022-3212)

製造命令書において、対象製品に関する全ての加工及び組立の指示書を準備し、同一の製造番号をそれぞれにつけて管理する方式

  • 注釈1 個別生産のほか、ロットサイズの小さい、つまり品種ごとの月間生産量が少ない場合のロット生産で用いられることが多い。

 

したがって、製造命令書を発行するときに、その製品に関する全ての加工と組立の指示書を同時に準備し、同一の製造番号をそれぞれに付けて管理を行う方式とは「製番管理方式」のことを示しているため、選択肢の内容は不適切です

 

答えは(ウ)です。


 

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