今回は、「運営管理 ~R1-17 設備管理の基礎(1)5S~」について説明します。
目次
運営管理 ~令和元年度一次試験問題一覧~
令和元年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。
生産管理の基礎用語 -リンク-
本ブログにて「5S」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。
5S
「5S」とは、職場環境を安全で効率的で快適にするための活動であり、「整理(Seiri)」「整頓(Seiton)」「清掃(Seisou)」「清潔(Seiketsu)」「しつけ(Shitsuke)」のローマ字表記の「1文字目(S)」を取って並べたもののことをいいます。
製造現場において「5S」の実施状況を見れば、その工場の生産性や信頼性が分かると言われるほど重視されています。
「整理・整頓・清掃」は、新たな手順を確立すること、「清潔」はその確立された手順を「標準化」して実施すること、「しつけ」はその「標準化」された手順を作業者が自主的に実施できるよう教育すること、という流れで覚えておくことをお薦めします。
5S | 内容 |
整理 | 必要なものと不要なものを区別して、不要なものを片付けること |
整頓 | 必要なものをすぐに取り出せるように、決められた場所に保管すること |
清掃 | 必要なものについた汚れ(ゴミ、異物)を取り除くこと |
清潔 | 整理・整頓・清掃を繰り返して、汚れのない状態を維持すること |
しつけ | 決められたことを守るよう習慣づけること |
試験問題
それでは、実際の試験問題を解いてみます。
【令和元年度 第17問】
以下のa~eの記述は、職場管理における5Sの各内容を示している。5Sを実施する手順として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 問題を問題であると認めることができ、それを自主的に解決できるように指導する。
b 必要なものが決められた場所に置かれ、使える状態にする。
c 必要なものと不必要なものを区分する。
d 隅々まで掃除を行い、職場のきれいさを保つことにより、問題点を顕在化させる。
e 職場の汚れを取り除き、発生した問題がすぐ分かるようにする。
[解答群]
ア a → b → c → d → e
イ b → e → d → c → a
ウ c → b → d → e → a
エ d → b → c → a → e
中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html)
考え方と解答
職場管理における「5S」の内容を実施手順の順番に並べる問題です。
「5S」は「整理 → 整頓 → 清掃 → 清潔 → しつけ」の順番で実施します。
(a)から(e)をこの順番に並べていくと「整理(c)→ 整頓(b)→ 清掃(d)→ 清潔(e)→ しつけ(a)」となります。
選択肢には「c → b → d → e → a」があり、「c → b → e → d → a」という順番がないので、選択肢を選ぶには、さほど大きな問題とはなりませんが、「d」と「e」の見分けが難しいところです。
ポイントは、「d」では「問題点を顕在化させる」と記述されており、「e」では「発生した問題がすぐ分かるようにする」と記述されている点です。
「整理・整頓・清掃」は、新たな手順を確立すること、「清潔」はその確立された手順を「標準化」して実施すること、「しつけ」はその「標準化」された手順を作業者が自主的に実施できるよう教育することです。
したがって、「清掃(d)」で、新たに顕在化した問題を取り除く手順を確立して、「清潔(e)」では「整理・整頓・清掃」で確立した手順を標準化して繰り返し実施することにより、清掃によって顕在化した問題が再度出現しても、すぐに見つけられるようにするという流れになります。
5S | 内容 | 選択肢 |
整理 | 必要なものと不要なものを区別して、不要なものを片付けること | c |
整頓 | 必要なものをすぐに取り出せるように、決められた場所に保管すること | b |
清掃 | 必要なものについた汚れ(ゴミ、異物)を取り除くこと | d |
清潔 | 整理・整頓・清掃を繰り返して、汚れのない状態を維持すること | e |
しつけ | 決められたことを守るよう習慣づけること | a |
「c → b → d → e → a」であるため、答えは(ウ)です。
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