財務・会計/経済学 ~R1-13 無差別曲線(2)~

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今回は、「財務・会計/経済学 ~R1-13 無差別曲線(2)~」について説明します。

財務・会計 ~令和元年度一次試験問題一覧~

令和元年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

無差別曲線 -リンク-

「無差別曲線」はミクロ経済学の最初の方で勉強する分野で、経済学の根本的な考え方となる部分です。「経済学」を勉強していない段階では、太刀打ちすることができないかもしれませんが、「経済学」を勉強すれば解くことができるようになる問題です。

「無差別曲線」については、過去にも説明していますので、以下のページにもアクセスしてみてください。

無差別曲線とは

「無差別曲線」は、以下のように表現することができます。
まだ「経済学」を勉強していない方にとっては、何のことかさっぱりわかりませんね。

  • 「無差別曲線」とは「等しい効用が得られる財・サービスの消費の組み合わせを結んだ曲線」です。

効用とは

「無差別曲線」の定義に出てくる「効用」については以下のように表現することができます。
これは何となく分かってもらえるかと思いますが、「効用=満足度」です。

  • 「効用」とは、「財・サービスの消費によって消費者が得られる満足度を数値で表したもの」です。

無差別曲線の描写

「無差別曲線」の定義が分かりづらいので、以下の仮定の条件に基づき、「無差別曲線」を実際に描いてみます。

仮定の条件

  • (ア)さんは、財布の中に1,000円の現金を持っています。(1,000円の予算がある)
  • (ア)さんは、商品A(単価:200円)と商品B(単価:100円)の2種類の商品を購入することを検討しています。
  • (ア)さんは、どちらの商品を購入しても、満足(効用)を得ることができますが、1,000円を使いきらずに、残した場合には満足(効用)は得られないとします。
  • (ア)さんが商品Aと購入した場合に得られる満足度は「2」、商品Bを購入した場合に得られる満足度は「1」とします。

商品の購入比率による効用(満足度)の変化

1,000円で購入できる商品Aと商品Bの購入数の組み合わせにより、満足度がどのように推移するかを計算してみると、以下の通りいずれの場合でも効用は「10満足」となります。
ここで重要なのは、1,000円を使い切ることが満足度(効用)を最大化するということです。

  • 商品A:5個×2満足+商品B:0個×1満足=10満足
  • 商品A:4個×2満足+商品B:2個×1満足=10満足
  • 商品A:3個×2満足+商品B:4個×1満足=10満足
  • 商品A:2個×2満足+商品B:6個×1満足=10満足
  • 商品A:1個×2満足+商品B:8個×1満足=10満足
  • 商品A:0個×2満足+商品B:10個×1満足=10満足

無差別曲線の描写

上記の計算結果から、商品Aと商品Bの購入数により満足度(効用)がどのように変化するかをグラフにすると以下の通りです。これが無差別曲線です。

効用水準(満足度)が増えた場合

最後に、「仮定の条件」において「予算1,000円」という制約がありますが、これが「予算2,000円」に増えた場合を考えてみます。

(ア)さんは、お金を持っていても「満足(効用)」は得られないため、「予算2,000円」を使い切って購入する商品の数量を増やして「満足(効用)」を高めようと行動するため、結果として「無差別曲線」は右上に推移します。

つまり、効用水準が高くなればなるほど、無差別曲線は右上に推移していきます。

無差別曲線の特徴

上記の事例では、無差別曲線は右下がりの直線となっていますが、実際には少し形状が違います。それは無差別曲線が様々な仮定や法則の下で定義されているためです。
無差別曲線の形状を決めている仮定や法則を、無差別曲線の特徴として以下に列挙します。

  • 単調性の仮定:右下がりの曲線となる。
  • 非飽和の仮定:グラフの右上にある無差別曲線ほど効用が高い。
  • 推移性の仮定:効用水準の異なる無差別曲線は互いに交わらない。
  • 限界代替率逓減の法則:原点に対して凸の曲線となる。

上記の特徴を踏まえ、無差別曲線を描写すると以下の通りとなります。

今回の説明に関する注意事項

今回説明した無差別曲線は、商品Aを購入しても、商品Bを購入しても、効用(満足)が高まる場合の事例です。

例えば、横軸は「労働時間」で、縦軸は「給料」として考えると、「労働時間」は増えると効用は下がりますが、「給料」は増えると効用が高くなります。そのようなケースでは、グラフの左下を原点とした無差別曲線とはなりません

以下で説明する試験問題でも「リターン(期待収益率)」と「リスク(標準偏差)」の関係を求められています。「リターン(期待収益率)」は高まるほど効用が高まりますが、「リスク(標準偏差)」は高くなると効用が下がるため、上記で説明したようなグラフの左下を原点とした無差別曲線にはなりません。

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和元年度 第13問】

以下の図は、横軸にリスク、縦軸にリターンを取ったリスク・リターン平面上に、資産Aから資産Dのそれぞれのリスクとリターンをプロットしたものである。このとき、図中にある無差別曲線を有する投資家が、保有する際に最も望ましいと考えられる資産として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

[解答群]

ア A
イ B
ウ C
エ D

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

考え方と解答

「無差別曲線」に関する知識を問う問題です。

横軸に「リスク(標準偏差)」、縦軸に「リターン(期待収益率)」を設定したグラフに「無差別曲線」が描画されています。

「無差別曲線」は、「限界代替率逓減の法則:原点に対して凸の曲線となる」という特徴を有しているため、今回の問題で与えられたグラフは、右下を原点として左上に行けば行くほど効用水準が高くなる「無差別曲線」であることが分かります。

つまり、グラフの一番左上に位置している「無差別曲線」にプロットされている「資産A」が、保有する際に最も望ましいと考えられる(最も効用が高くなる)資産ということになります。

ちなみに、同一の「無差別曲線」上にプロットされている「資産B」と「資産C」については、どちらの資産を保有しても「効用(満足度)」が同じであることを示しています。

答えは(ア)です。


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