財務・会計 ~R1-11 財務指標の計算(12)~

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今回は、「財務・会計 ~R1-11 財務指標の計算(12)~」について説明します。

 

「財務指標」は、二次試験(事例Ⅳ)の第1問(経営分析)で必要となる知識です。
ただし、二次試験(事例Ⅳ)の第1問(経営分析)で必要な「財務指標」は限られているため、あらかじめ確認(事例Ⅳ ~①経営分析~)してから、一次試験の勉強に取り組みましょう。

目次

財務・会計 ~令和元年度一次試験問題一覧~

令和元年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

財務指標の計算 -リンク-

本ブログにて「財務指標の計算」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和元年度 第11問】

当社の貸借対照表および損益計算書は以下のとおりであった。下記の設問に答えよ。

 

貸借対照表
(単位:千円)
資産 負債・純資産
20X1年 20X2年 20X1年 20X2年
現金預金 11,000 12,000 買掛金 40,000 60,000
売掛金 34,000 38,000 長期借入金 40,000 50,000
商品 35,000 42,000 資本金 50,000 50,000
建物・備品 80,000 108,000 利益剰余金 30,000 40,000
160,000 200,000 160,000 200,000

 

損益計算書
(単位:千円)
20X1年 20X2年
売上高 128,000 210,000
売上原価 84,000 159,000
売上総利益 44,000 51,000
販売費および一般管理費 28,000 30,000
営業利益 16,000 21,000
(以下略)

 

(設問1)

20X2年の固定比率の値として、最も適切なものはどれか。

 

ア 54%
イ 77%
ウ 120%
エ 216%

 

(設問2)

20X1年から20X2年の総資本営業利益率の変化とその要因に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア 総資本営業利益率は上昇したが、その要因は売上高営業利益率の上昇である。
イ 総資本営業利益率は上昇したが、その要因は総資本回転率の上昇である。
ウ 総資本営業利益率は低下したが、その要因は売上高営業利益率の低下である。
エ 総資本営業利益率は低下したが、その要因は総資本回転率の低下である。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答(設問1)

企業の長期安全性を分析する指標である「固定比率」の数値を算出することを求められています。

 

固定比率(安全性)

「固定比率」は、「自己資本(純資産)」に対する「固定資産」の割合で求めることができ、数値が低い方が優れていることを示しています。固定比率が100%を上回っている場合は、固定資産への投資額を自己資本で賄えていないことを意味するため、資金繰りが厳しく、安全性が低いと判断されます。

 

 

20X2年の貸借対照表を「流動資産」「固定資産」「流動負債」「固定負債」「自己資本(純資産)」に分類すると以下の通りとなります。

 

貸借対照表(20X2年)
(単位:千円)
資産 負債・純資産
流動資産 現金預金 12,000 流動負債 買掛金 60,000
売掛金 38,000 固定負債 長期借入金 50,000
商品 42,000 自己資本
(純資産)
資本金 50,000
固定資産 建物・備品 108,000 利益剰余金 40,000
200,000 200,000

 

解答

問題文に与えられている数値に基づき「固定比率」を計算すると以下の通りとなります。

  • 固定比率
    固定資産 ÷ 自己資本 × 100%
    建物・備品 ÷ ( 資本金 + 利益剰余金 )× 100%
    108,000千円 ÷ ( 50,000千円 + 40,000千円 )× 100% = 120%

 

答えは(ウ)です。


 

考え方と解答(設問2)

企業の経営状況を定量的に分析するため、収益性を分析する指標である「総資本営業利益率」「売上高営業利益率」効率性を分析する指標である「総資本回転率」を算出して、20X1年から20X2年にかけて発生した数値の変化を確認する問題です。

 

総資本営業利益率(収益性)

営業利益とは企業本来の営業活動により得られた利益であり、総資本営業利益率は企業の営業活動に関する収益性(利益率)を分析するための指標です。

総資本に対する営業利益の割合で求めることができ、数値が高い方が優れていることを示しています。数値が高い場合は、企業が投下した資本を効率的に運用して利益を生み出していることを意味しており、収益性が高いと判断されますが、数値が低い場合は、営業利益を増やすか総資本を削減するための対策が必要な状態と判断されます。

 

 

売上高営業利益率(収益性)

営業利益とは企業本来の営業活動により得られた利益であり、売上高営業利益率は企業の営業活動に関する収益性(利益率)を分析するための指標です。

売上高に対する営業利益の割合で求めることができ、数値が高い方が優れていることを示しています。数値が高い場合は、企業が本業により利益を生み出す力が強いことを意味しており、収益性が高いと判断されますが、数値が低い場合は、本業により利益を生み出すための改善を企業としての最優先課題として取り組むべき状態だと判断されます。

 

 

総資本回転率(効率性)

総資本回転率は資本の効率性を分析するための指標です。

総資本に対する売上高の割合で求めることができ、数値が高い方が優れていることを示しています。数値が高い場合は、少ない総資本で大きな売上を上げる効率的な資本の運営ができていることを意味しており、効率性が高いと判断されます。

 

 

解答

問題文に与えられている数値に基づき各財務指標を計算すると以下の通りとなります。

 

財務指標 20X1年 20X2年 数値の変化
総資本営業利益率 10.0% 10.5% 上昇
売上高営業利益率 12.5% 10.0% 低下
総資本回転率 0.80回 1.05回 上昇

 

その結果、総資本営業利益率は上昇しており、その要因は総資本回転率の上昇であることが分かります。

 

答えは(イ)です。


 

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