財務・会計 ~R1-5 株主総会の計算書類等(2)~

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今回は、「財務・会計 ~R1-5 株主総会の計算書類等(2)~」について説明します。

財務・会計 ~令和元年度一次試験問題一覧~

令和元年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

株主総会の計算書類等 -リンク-

「株主総会の計算書類等」については、過去にも説明していますので、以下のページにもアクセスしてみてください。

計算書類等

計算書類等の作成と保存

会社法第435条において、全ての株式会社が作成しなければならない書類として「計算書類」「事業報告」「これらの附属明細書」が規定されています。

会社法における「計算書類」は「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」「個別注記表」と規定されており、「キャッシュフロー計算書」は含まれていません。(会社法第435条、会社計算規則第59条)

書類 保存期限
計算書類 貸借対照表 10年間
損益計算書
株主資本等変動計算書
個別注記表
計算書類の附属明細書
事業報告 なし
事業報告の附属明細書

計算書類等の承認と監査

会社法第436条では、株式会社が作成した「計算書類」「事業報告」「これらの附属明細書」に関する承認と監査について規定されています。

なお、「取締役会設置会社」と「会計監査人設置会社」には、必ず「監査役」も配置されています。(会社法第327条)

取締役会設置会社 監査役設置会社 会計監査人設置会社
取締役会の承認 監査役の監査
(または監査委員会)
会計監査人の監査
計算書類
計算書類の附属明細書
事業報告
事業報告の附属明細書

定時株主総会の招集通知で提出する計算書類等

会社法第437条では、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に対して提出しなければならない書類が規定されています。

株式会社は、「計算書類」「事業報告」「これらの附属明細書」を作成しますが、定時株主総会の招集の通知に際して「これらの附属明細書」を株主に提出する必要はありません

「監査報告」とは「監査役(または監査委員会)」による監査の結果であり、「会計監査報告」とは「会計監査人」による監査の結果を示しています。

右記以外の会社 取締役会設置会社
監査役設置会社
取締役会設置会社
監査役設置会社
会計監査人設置会社
計算書類
計算書類の附属明細書
事業報告
事業報告の附属明細書
監査報告
会計監査報告

定時株主総会で提出する計算書類等

会社法第438条では、定時株主総会に際して、株主に対して提出しなければならない書類が規定されています。

株主に対して提出しなければならない書類は「定時株主総会の招集通知で提出する計算書類等」と同じですが、定時株主総会において「計算書類」と「事業報告」を提出する目的は若干異なります。

  • 計算書類:定時株主総会の承認を受ける
  • 事業報告:定時株主総会に報告する

連結計算書類

会社法第444条では、連結計算書類の作成から株主への提出に関する内容が規定されています。

連結計算書類の作成条件

「金融商品取引法の規定により有価証券報告書を提出する大会社」は「連結計算書類」を作成しなければならないと規定されています。

なお、「大会社」とは、以下のいずれかの条件に該当する会社のこと示しています。(会社法第2条)

  • 貸借対照表において「資本金」が5億円以上の場合
  • 貸借対照表において「負債の部」が200億円以上の場合

ちなみに、「金融商品取引法の規定により有価証券報告書を提出する大会社」に該当しなくても、「会計監査人設置会社」は「連結計算書類」を任意で作成することができます

連結計算書類の作成

「連結計算書類」は、「連結貸借対照表」「連結損益計算書」「連結株主資本等変動計算書」「連結注記表」と規定されています。(会社計算規則第61条)

連結計算書類の承認と監査

「連結計算書類」に関する承認と監査については以下の通り規定されています。
「大会社」は「監査役会」と「会計監査人」の設置が義務付けられており(会社法第328条)、「連結計算書類」は「監査役の監査」「会計監査人の監査」「取締役会の承認」を必ず実施しなければなりません。

取締役会の承認 監査役の監査
(または監査委員会)
会計監査人の監査
連結計算書類

ちなみに、「会計監査人設置会社」が「連結計算書類」を任意で作成した場合でも、「監査役の監査」「会計監査人の監査」「取締役会の承認」を実施しなければなりません

定時株主総会の招集通知で提出する連結計算書類

「金融商品取引法の規定により有価証券報告書を提出する大会社」または「会計監査人設置会社」で任意で連結計算書類を作成する会社は、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に対して「連結計算書類」「監査報告」「会計監査報告」を提出しなければなりません

取締役会設置会社
監査役設置会社
会計監査人設置会社
連結計算書類
監査報告
会計監査報告

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和元年度 第5問】

会社法上の計算書類に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 会社法上の計算書類には、株主資本等変動計算書は含まれない。
イ 計算書類の作成と報告に当たっては、会社法のほかに財務諸表規則(財務諸表等の用語、様式および作成方法に関する規則)に準拠しなければならない。
ウ 公開会社は、計算書類に加えて連結計算書類を作成し、定時株主総会に報告することが求められている。
エ 取締役会設置会社は、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に計算書類を提供しなければならない。

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

考え方と解答

「経営法務」の問題ではないかと感じてしまいますが、会社法上の計算書類に関する知識を問う問題です。

非常に紛らわしい問題です。正解できなくてもよいと思います。

(ア) 不適切です。

会社法第435条において、全ての株式会社が作成しなければならない書類として「計算書類」「事業報告」「これらの附属明細書」が規定されています。

その中で、「計算書類」は、「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」「個別注記表」と規定されているため、「会社法上の計算書類には、株主資本等変動計算書は含まれない」という選択肢の内容は不適切です

(イ) 不適切です。

「財務諸表規則(財務諸表等の用語、様式および作成方法に関する規則)」は、金融商品取引法の規定に基づき提出する「貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書など」の作成や表示に関する規則であり、金融商品取引法の適用を受ける上場会社がこれらの財務計算に関する書類を作成する際に従うべき規則として定められています。

「財務諸表規則」が対象としているのは「計算書類」ではなく、「計算書類」に含まれない「キャッシュ・フロー計算書」なども含まれていること、および金融商品取引法の適用を受ける上場会社ではない株式会社は準拠する必要がないことから、「計算書類の作成と報告に当たっては、会社法のほかに財務諸表規則(財務諸表等の用語、様式および作成方法に関する規則)に準拠しなければならない」という選択肢の内容は不適切です

(ウ) 不適切です。

会社法第444条において、連結計算書類の作成から株主への提出に関する内容が規定されています。

その中で、「金融商品取引法の規定により有価証券報告書を提出する大会社」は「連結計算書類」を作成しなければならないと規定されています。

なお、「大会社」とは、以下のいずれかの条件に該当する会社のこと示しています。(会社法第2条)

  • 貸借対照表において「資本金」が5億円以上の場合
  • 貸借対照表において「負債の部」が200億円以上の場合

したがって、連結計算書類を作成して定時株主総会に報告することが求められているのは、条件を満たす一部の公開会社であるため、選択肢の内容は不適切です

(エ) 適切です。

会社法第437条では、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に対して提出しなければならない書類が規定されており、取締役会設置会社は、定時株主総会の招集の通知に際して「計算書類」「事業報告」「監査報告」を株主に提供しなければなりません

右記以外の会社 取締役会設置会社
監査役設置会社
取締役会設置会社
監査役設置会社
会計監査人設置会社
計算書類
計算書類の附属明細書
事業報告
事業報告の附属明細書
監査報告
会計監査報告

したがって、「取締役会設置会社は、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に計算書類を提供しなければならない」という選択肢の内容は適切です

答えは(エ)です。


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