運営管理 ~H27-33 商品計画(3)業種業態~

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今回は、「運営管理 ~H27-33 商品計画(3)業種業態~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~平成27年度一次試験問題一覧~

平成27年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

商圏

「商圏」とは、小売店舗や集積の商業施設が顧客を吸引できる地理的範囲のことであり、潜在的に対象とする顧客が存在する地域のことをいいます。

「商圏」は物理的な距離だけではなく、交通事情、施設の規模、取扱商品の種類なども踏まえて把握する必要があります

例えば、最寄品(日用品など)では「商圏」の範囲は狭くなり、買回品(高級品、専門品、選好品など)では「商圏」の範囲は広くなります。

また、インターネットが普及した現在は、インターネット販売などの業態では、物理的な制約が取り払われたため「商圏」の範囲が一気にグローバルに拡大しました。

 

購買意思決定プロセス

「購買意思決定プロセス」とは、消費者が商品を知ってから購入するまでの心理的なプロセスのことをいいます。

「購買意思決定プロセス」には、1920年代にサミュエル・ローランド・ホールが提唱した購買活動を考える際の汎用的なプロセスである「AIDMA」や、2004年に株式会社電通が提唱したインターネットにおける購買活動の要素が加わった「AISAS」などがあります。

 

AIDMAモデル

「AIDMAモデル」とは、インターネットを利用する消費者が、商品を知ってから購入するまでの「購買意思決定プロセス」のことをいいます。

「AIDMAモデル」では、「購買意思の決定プロセス」を「注目」「興味」「欲求」「記憶」「行動」に分けて考えます。

 

 

「AIDMAモデル」の「M(Memory:記憶)」を「C(Conviction:確信)」に変更した「AIDCAモデル」や、「AIDMAモデル」の「M(Memory:記憶)」を省略した「AIDAモデル」という「購買意思の決定プロセス」もあります。

 

AISASモデル

「AISASモデル」とは、インターネットを利用する消費者が、商品を知ってから購入するまでの「購買意思決定プロセス」のことをいいます。

「AISASモデル」では、「購買意思の決定プロセス」を「注目」「興味」「検索」「行動」「共有」に分けて考えます。

インターネットを利用する消費者は、商品に興味を持った後、インターネットで商品を検索して、商品の機能を調査したり、他店の商品と価格を比較してから、購入することを決定します。また、インターネットを利用する消費者は、商品を購入した後、その評価をインターネット上に掲載して共有します。

 

 

ロングテール

「ロングテール」とは、インターネット販売において、売れ筋の商品だけでなく「ニッチ」な商品も大量に取り揃えて販売することで、サイト全体の売上が拡大する現象のことをいい、横軸に商品を販売数量の多い順に並べて、縦軸に販売数量を描いたグラフの右側部分(販売数量の少ないニッチな商品)の形状が動物の尻尾のように見えることから「ロングテール」と呼ばれています。

「ニッチ」とは「隙間」を意味する言葉であり、「ニッチ市場」とは大きな市場の中で特定のニーズを持つ一部の小さな市場で、潜在的な消費者のニーズはあるが市場の規模が小さいため、大企業はターゲットとして進出しない領域のことをいいます。

 

 

店舗で商品を販売する場合は、限られた陳列スペースを有効に使って売上を効率的に拡大するため、売れ筋の商品を選んで陳列する必要がありますが、インターネット販売では、陳列スペースの制約を考える必要がない(どこかに商品の在庫を保管することを考慮する必要はあります)ため、売れ筋の商品からニッチな商品まで取り揃えた豊富な商品ラインナップで、多様化する消費者のニーズに応えることができます。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成27年度 第33問】

インターネット通信販売に関する記述として、最も不適切なものはどれか

 

ア インターネットショッピングモールで販売する場合は、消費者が他店との価格比較を容易にできるため、他店との価格競争にさらされやすい。

イ 売れ筋の商品を中心に品揃えすることによって、いわゆるロングテールを形成することができる。

ウ 実店舗よりも商圏を広くすることができる。

エ 資本金が少ない企業でも、実店舗を持たずにウェブサイトを通じて商品を販売することができる。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

インターネット販売に関する知識を問う問題です。

 

(ア) 適切です。

インターネットを利用する消費者は、商品に興味を持った後、インターネットで商品を検索して、商品の機能を調査したり、他店の商品と価格を比較してから、購入することを決定します。また、インターネットを利用する消費者は、商品を購入した後、その評価をインターネット上に掲載して共有します。

インターネットショッピングモールで販売する場合は、消費者が他店との価格比較を容易にできるため、他店との価格競争にさらされやすくなります。したがって、選択肢の内容は適切です

 

 

(イ) 不適切です。

「ロングテール」とは、インターネット販売において、売れ筋の商品だけでなく「ニッチ」な商品も大量に取り揃えて販売することで、サイト全体の売上が拡大する現象のことをいい、横軸に商品を販売数量の多い順に並べて、縦軸に販売数量を描いたグラフの右側部分(販売数量の少ないニッチな商品)の形状が動物の尻尾のように見えることから「ロングテール」と呼ばれています。

したがって、「ロングテール」とは、売れ筋の商品を中心に品揃えするのではなく、ニッチな商品も取り揃えることによって形成することができるため、選択肢の内容は不適切です

 

 

(ウ) 適切です。

「商圏」とは、小売店舗や集積の商業施設が顧客を吸引できる地理的範囲のことであり、潜在的に対象とする顧客が存在する地域のことをいいます。

「商圏」は物理的な距離だけではなく、交通事情、施設の規模、取扱商品の種類なども踏まえて把握する必要がありますが、インターネット販売などの業態では、物理的な制約が取り払われたため「商圏」の範囲が一気にグローバルまで拡大しました。

したがって、インターネット通信販売では、実店舗よりも商圏を広くすることができるため、選択肢の内容は適切です

 

(エ) 適切です。

2006年5月に施行された新会社法では、資本金が1円以上であれば、株式会社を設立することができます

資本金は、株式会社を設立してから当面の事業運営のための資金であり、開業するために必要な経費に加え、開業してから利益がでるまでの間の運転資金を賄える程度の金額を準備する必要があります

実店舗とネットショップの立ち上げに必要な資金を比較すると、ネットショップを立ち上げる方が少ない資金で立ち上げることができるため、株式会社を設立するための資本金も少なく抑えることができます。

したがって、資本金が少ない企業でも、実店舗を持たずにウェブサイトを通じて商品を販売することができるため、選択肢の内容は適切です

 

答えは(イ)です。


 

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