運営管理 ~H27-30 売場構成・陳列(4)売場レイアウト~

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今回は、「運営管理 ~H27-30 売場構成・陳列(4)売場レイアウト~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~平成27年度一次試験問題一覧~

平成27年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

客単価の向上

店舗の「売上高」は「客単価」と「来店客数」を掛け合わせたものとして考えられます。

「来店客数」の増加は、広告などの店舗外活動を中心とした販売促進活動によって実現されますが、「客単価」の増加は、「インストアマーチャンダイジング」という店舗内の販売促進活動によって実現することができます。

 

 

「商品の陳列方法」も「インストアマーチャンダイジング」の1つの施策です。

顧客の購買動機形成や意思決定に関しては、最初から買うものを決めて来店する人は約1割しかおらず、店舗に来てから購入するものを決定する非計画購買が約9割を占めているというデータがあるため、商品の陳列方法を工夫することによって、顧客の衝動買いを促進するなど「客単価」の増加を図ることができます。

 

「客単価」は「動線長」「立寄率」「視認率」「買上率」「買上個数」「商品単価」を掛け合わせたものとして考えられるため、以下の式のように表現することができます。

 

 

具体的には、商品の陳列方法を工夫することによって、来店した顧客が店内を歩き回る距離を伸ばし(動線長の向上)、商品の前で顧客の足を引き留めさせ(立寄率の向上)、商品に気付かせ(視認率の向上)、興味や関心を持たせて購入してもらう(買上率の向上)という流れをイメージしてもらうと分かりやすいと思います。

 

客単価の構成要素

要素 説明
動線長 店内をどれだけ長く歩いてもらえるか。
立寄率 店内を歩きながらどれだけ売り場に立ち寄ってもらえるか。
視認率 立ち寄った売り場でどれだけ多くの商品を視認してもらえるか。
買上率 視認した商品をどれだけ購入してもらえるか。
買上個数 商品をどれだけ多く購入してもらえるか。
商品単価 より単価の高い商品を購入してもらえるか。

 

ゴールデンゾーン

「ゴールデンゾーン」とは、顧客にとって、最も商品が目に付きやすく、最も手に取りやすい高さのことをいい、商品の販売効果が高いため、売れ行きのよい商品や粗利益率の高い商品を陳列することによって、店舗の売上を効率的に増やすことができます

男性・女性・子供によって目線の高さが異なるため、ターゲットとする顧客によって「ゴールデンゾーン」の高さも変わってきます

例えば、お菓子売り場では、大人向けのお菓子は陳列棚の上の方に、子供向けのお菓子は、陳列棚の下の方に並べるといった具合に、ターゲットとする顧客の身長によって、そのゾーンを使い分ける必要があります

 

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成27年度 第30問】

小売店舗において客の動線長をのばすための施策として、最も適切なものはどれか。

 

ア 計画購買率の高い商品を店舗の奥に配置する。
イ ゴールデンラインを複数設置する。
ウ チラシ掲載の特売商品を店舗の入口付近に配置する。
エ パワーカテゴリーを集中配置する。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

小売店舗の売場レイアウトに関する知識を問う問題です。

 

店舗の「売上高」は「客単価」と「来店客数」を掛け合わせたものとして考えられます。

「来店客数」の増加は、広告などの店舗外活動を中心とした販売促進活動によって実現されますが、「客単価」の増加は、「インストアマーチャンダイジング」という店舗内の販売促進活動によって実現することができます。

 

 

「客単価」は「動線長」「立寄率」「視認率」「買上率」「買上個数」「商品単価」を掛け合わせたものとして考えられるため、以下の式のように表現することができます。

 

 

「動線長」とは「店内をどれだけ長く歩いてもらえるか。」を示す指標であり、「動線長」が長くなれば、買物客が店舗内の商品を目にする機会が増え、衝動的に商品を購入する可能性が高くなるため、「客単価」の向上を期待することができます。

 

(ア) 適切です。

買物客が、あらかじめ購入する商品を決めてから来店する購買行動のことを「計画購買」といいます。

計画購買率の高い商品を店舗の入口近くに配置すると、入口近くでお目当ての商品を手にした買物客はそのままレジに向かい会計をして帰ってしまうため「動線長」は短くなってしまいます。逆に、計画購買率の高い商品を店舗の奥に配置すれば、買物客はお目当ての商品を手に入れるために店舗の奥まで行かなければならなくなるため「動線長」が長くなります。

したがって、計画購買率の高い商品を店舗の奥に配置すれば、買物客の「動線長」を伸ばすことができるため、選択肢の内容は適切です

 

(イ) 不適切です。

「ゴールデンライン(ゴールデンゾーン)」とは、顧客にとって、最も商品が目に付きやすく、最も手に取りやすい高さのことをいい、商品の販売効果が高いため、売れ行きのよい商品や粗利益率の高い商品を陳列することによって、店舗の売上を効率的に増やすことができます

「ゴールデンライン(ゴールデンゾーン)」は「動線長」を伸ばすためではなく「立寄率」「視認率」を高めることを目的とした売場構成・陳列方法であるため、選択肢の内容は不適切です

 

(ウ) 不適切です。

チラシに特売商品を掲載するのは、店舗の「来店客数」を増加させるための販売促進方法であり、チラシを見た消費者は特売商品を購入することを目的として店舗に行こうと考えます。

つまり、チラシを見て特売商品を購入するために来店する買物客の購買行動は「計画購買」に該当します。

選択肢(ア)と同様に、チラシに掲載した特売商品を店舗の入口近くに配置すると、入口近くでお目当ての商品を手にした買物客はそのままレジに向かい会計をして帰ってしまうため「動線長」は短くなってしまいます。逆に、チラシに掲載した特売商品を店舗の奥に配置すれば、買物客はお目当ての商品を手に入れるために店舗の奥まで行かなければならなくなるため「動線長」が長くなります。

したがって、チラシに掲載した特売商品を店舗の入口近くに配置しても、買物客の「動線長」を伸ばすことはできないため、選択肢の内容は不適切です

 

(エ) 不適切です。

「パワーカテゴリー」とは、計画購買率が高く購入率が高い商品のことをいいます。

買物客の「動線長」を伸ばすためには、「パワーカテゴリー」を集中配置するのではなく分散配置した方が効果的であるため、選択肢の内容は不適切です

 

答えは(ア)です。


 

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