運営管理 ~H27-23 まちづくり三法(5)都市計画法~

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今回は、「運営管理 ~H27-23 まちづくり三法(5)都市計画法~」について説明します。

運営管理 ~平成27年度一次試験問題一覧~

平成27年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

まちづくり三法

「まちづくり三法」は、市街地の郊外への拡散を抑制し、街の機能を中心市街地に集中させるコンパクトシティの考え方に基づいており、「大規模小売店舗立地法(大店立地法)」「中心市街地活性化法」「都市計画法」の3つの法律で構成されています。

まちづくり三法の出題傾向

「まちづくり三法」は、毎年出題されているカテゴリなので、少し詳しく説明していきます。

年度 まちづくり三法
大規模小売店舗立地法 中心市街地活性化法 都市計画法
平成30年度 第21問(まちづくり三法共通問題で出題)
平成29年度 第26問 第23問
平成28年度 第23問
平成27年度 第23問
平成26年度 第22問 第23問
平成25年度 第23問 第22問
平成24年度 第22問 第23問
平成23年度 第23問 第22問
平成22年度 第21問
出題回数 5回 3回 5回

まちづくり三法の背景と関係性

中小小売業の事業機会を確保することを目的として「大規模小売店舗法(大店法)」が、1973年に制定、1974年に施行されましたが、1990年代に入ってから「大規模小売店舗法(大店法)」が「トイザらス」の日本出店に対する障壁となったことをきっかけとして国際社会から批判を受けたため、1998年に「大規模小売店舗法(大店法)」が廃止され、その代わりに「大規模小売店舗立地法(大店立地法)」が1998年に制定、2000年に施行されました

しかし、「大規模小売店舗立地法(大店立地法)」が施行されると、郊外への大規模小売店舗の出店が増加して中心市街地の衰退や空洞化が目立つようになったため、「中心市街地活性化法」と「都市計画法」を改正して、郊外に大規模小売店舗を出店できないようにしました

大規模小売店舗立地法(大店立地法)

「大規模小売店舗立地法(大店立地法)」では、周辺地域の生活環境を保護するという観点から、建物内の店舗面積の合計が1,000㎡を超える大規模小売店舗を対象として、配慮すべき交通渋滞、騒音、廃棄物等に関する事項を定め、施設の配置や運営方法について規制しています。

中小小売業の事業機会を確保するという目的で大規模店舗の新設を禁止した「大規模小売店舗法(大店法)」に対する国際社会からの批判に対処する形で、1998年に同法を廃止しましたが、その代わりに同年に制定され、2000年に施行されたのが「大規模小売店舗立地法(大店立地法)」です。

「大規模小売店舗立地法(大店立地法)」は、「大規模小売店舗法(大店法)」に代わって制定された法律です。引っ掛け問題に注意してください。

中心市街地活性化法

1990年代に、日本全国の地方都市で郊外化が進み、中心市街地の衰退や空洞化が目立つようになってきたため、これらを抑止するために「中心市街地の整備改善」と「商業等の活性化」を目的として、1998年に「中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律」という名称で制定されました。

その後、2006年に「街なか居住」や「都市福利施設の整備」等の支援措置を追加することにより、中心市街地における「都市機能の増進」や「経済活力の向上」を図る総合的な支援法に改め、法律名を「中心市街地の活性化に関する法律」に変更されました。

都市計画法

「都市計画法」は、都市の健全な発展と秩序ある整備を図ることを目的として、1968年に制定され1969年に施行されました。
都市計画法では、都市計画の内容とその決定手続、都市計画による規制、都市計画による都市整備事業の実施などに関する事項を定めています。
直近では、2006年に改正が行われ、郊外に大規模集客施設を建設するための条件が厳しくなりました。

今回は、「都市計画法」について説明していきます。

都市計画法

「都市計画法」は、都市の健全な発展と秩序ある整備を図ることを目的として、都市計画の内容とその決定手続、都市計画による規制、都市計画による都市整備事業の実施などに関する事項を定めています

都市計画区域

「都市計画区域」とは、一体的に整備・開発・保全する必要がある市町村の中心部を含む区域のことをいい、都道府県が指定を行います。

さらに、「都市計画区域」を「市街化区域」と「市街化調整区域」に区分していくことを「区域区分」といい、都道府県が指定を行います。このように区域区分された区域のことを「線引き都市計画区域」といいます。

なお、「都市計画区域」の中には、「市街化区域」や「市街化調整区域」のいずれにも区分されない区域も多数存在します。このように区域区分されない区域のことを「非線引き都市計画区域(区域区分が定められていない都市計画区域)」といいます。

都市計画区域の区分
区域 説明
線引き都市計画区域 市街化区域 以下の条件に該当する区域

  • 既に市街地を形成している区域
  • おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図る区域
市街化調整区域 市街化を抑制すべき区域
市街化調整区域内における開発・建築行為を抑制する規制が適用されます。

  • 土地の区画形質の変更をする場合には、原則として許可が必要
  • 特別な事情にある場合を除いて、住宅のための宅地造成等は許可されない。
非線引き都市計画区域 「都市計画区域」のうち「市街化区域」や「市街化調整区域」に区分されない区域

準都市計画区域

「準都市計画区域」とは、都市計画区域外において都道府県が指定を行う区域であり、相当数の住居その他の建築物の建築又はその敷地の造成が現に行われ、又は行われると見込まれる一定の区域で、そのまま放置すれば、将来における都市としての整備、開発及び保全に支障が生じるおそれがあると認められる区域のことをいいます。

用途地域

近隣の地域に似通った種類の建物が立地していると、それぞれの用途にあった環境が守られ、効率的な活動を行うことができますが、「住居」「商業施設」「工場」といった種類の異なる建物が乱立している場合は、互いの生活環境や利便性が悪くなります。

「都市計画法」では、地域を「住宅地」「商業地」「工業地」といった用途に応じて「12種類」の「用途地域」に区分しており、それぞれの地域に建設することが建物の種類(用途や容積)が規制されています。

住宅地
用途地域 説明
第一種低層住居専用地域
  • 低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
  • 絶対高さ制限(10mまたは12m)があり、高い建物は建築できない
  • 住宅・店舗兼住宅・事務所兼住宅・幼稚園・小学校・中学校・高等学校・図書館・診療所や、老人福祉センター・児童厚生施設(600㎡以内)を建築できるが、店舗・飲食店は建築できない
第二種低層住居専用地域
  • 主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
  • 絶対高さ制限(10mまたは12m)があり、高い建物は建築できない
  • 第一種低層住居専用地域で建築可能な建物に加えて、店舗・飲食店(150㎡以内かつ店舗部は2階以下)を建築できる
第一種中高層住居専用地域
  • 中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
  • 第二種低層住居専用地域で建築可能な建物に加えて、店舗・飲食店(500㎡以内かつ店舗部は2階以下)、大学、病院、自動車車庫(300㎡以内かつ2階以下)、老人福祉センタ・児童厚生施設(600㎡を超えるもの)を建築できる
第二種中高層住居専用地域
  • 主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
  • 第一種中高層住居専用地域で建築可能な建物に加えて、店舗・飲食店(1,500㎡以内かつ店舗部は2階以下)、事務所(1,500㎡以内かつ店舗部は2階以下)、非常に少ない量の危険物の貯蔵・処理施設(1,500㎡以内かつ店舗部は2階以下)を建築できる
第一種住居地域
  • 住居の環境を保護するため定める地域
  • 第二種中高層住居専用地域で建築可能な建物に加えて、店舗・飲食店(3,000㎡以内)、事務所・ホテル・旅館・ボーリング場・スケート場・水泳場・自動車教習所(3,000㎡以内)、工場(50㎡以内)、非常に少ない量の危険物の貯蔵・処理施設(3,000㎡以内)を建築できる
第二種住居地域
  • 主として住居の環境を保護するため定める地域
  • 第一種住居地域で建築可能な建物に加えて、店舗・飲食店(10,000㎡以内)、事務所・ホテル・旅館・ボーリング場・スケート場・水泳場・自動車教習所(3,000㎡を超えるもの)、マージャン店、パチンコ店、カラオケボックス(10,000㎡以内)、非常に少ない量の危険物の貯蔵・処理施設(3,000㎡を超えるもの)を建築できる
準住居地域
  • 道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域
  • 第二種住居地域で建築可能な建物に加えて、営業用倉庫、自動車車庫(3階以上または300㎡を超えるもの)、劇場・映画館(200㎡未満)、自動車修理工場(150㎡以内)を建築できる
  • 店舗・飲食店(10,000㎡以内)は第二種住居地域と同じ

商業地
用途地域 説明
近隣商業地域
  • 近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域
  • 準住居地域で建築可能な建物に加えて、店舗・飲食店(10,000㎡を超えるもの)、マージャン店、パチンコ店、カラオケボックス(10,000㎡を超えるもの)、劇場・映画館(200㎡以上)、工場(150㎡以内)、自動車修理工場(300㎡以内)、少ない量の危険物の貯蔵・処理施設(3,000㎡を超えるもの)を建築できる
商業地域
  • 主として商業その他の業務の利便を増進するため定める地域
  • 近隣商業地域で建築可能な建物に加えて、キャバレー・ダンスホールを構築できる
  • 店舗・飲食店(10,000㎡を超えるもの)は近隣商業地域と同じ

工業地
用途地域 説明
準工業地域
  • 主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域
  • 商業地域で建築可能な建物に加えて、工場(150㎡を超えるもの)、やや多い量の危険物の貯蔵・処理施設(3,000㎡を超えるもの)を建築できる
  • 店舗・飲食店(10,000㎡を超えるもの)は商業地域と同じ
工業地域
  • 主として工業の利便を増進するため定める地域
  • 全ての工場を立てることができる。具体的には危険性が大きいかまたは環境路著しく悪化させる恐れがある工場、多量の危険物の貯蔵・処理施設なども建築できる
  • 準工業地域で建築可能であった学校、病院、ホテル・旅館、劇場・映画館を建築できなくなる。また、店舗・飲食店(10,000㎡以内)に制限される。
工業専用地域
  • 工業の利便を増進するため定める地域
  • 全ての工場を立てることができる。具体的には危険性が大きいかまたは環境路著しく悪化させる恐れがある工場、多量の危険物の貯蔵・処理施設なども建築できる
  • 工業地域で建築可能であった住居・店舗兼住宅・事務所兼住宅・図書館・ボーリング場・スケート場・水泳場・マージャン店、パチンコ店、カラオケボックスなどを建築できなくなる。また、物品販売店舗・飲食店は建築できない

都市計画法の改正ポイント(2006年)

大規模集客施設の立地規制の強化

改正前は、3,000㎡以上の大規模商業施設を、市街化区域の中では「6つ」の用途地域に建設することができましたが、改正によって、延べ床面積10,000㎡を超える大規模集客施設を建設できる用途地域が「商業地域」「近隣商業地域」「準工業地域」の「3つ」に限定されました。

また、都市計画区域と準都市計画区域内の白地地域においては、延べ床面積10,000㎡を超える大規模集客施設を建設することが原則不可能となっています。

公共公益施設の開発許可制度

改正によって、社会福祉施設、医療施設、学校といった施設の開発行為、および国や都道府県が行う開発行為についても、開発許可が必要となりました。

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成27年度 第23問】

都市計画法および建築基準法による用途地域に関する説明として、最も適切なものはどれか。

ア 床面積が1,000㎡の店舗の場合、第一種低層住居専用地域に出店することができる。
イ 床面積が2,000㎡の店舗の場合、第二種中高層住居専用地域に出店することができる。
ウ 床面積が5,000㎡の店舗の場合、第一種住居地域に出店することができる。
エ 床面積が12,000㎡の店舗の場合、準住居地域に出店することができる。
オ 床面積が15,000㎡の店舗の場合、近隣商業地域に出店することができる。

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

考え方と解答

「都市計画法」に関する知識を問う問題です。

「都市計画法」では、地域を「住宅地」「商業地」「工業地」といった用途に応じて「12種類」の「用途地域」に区分しており、それぞれの地域に建設することが建物の種類(用途や容積)が規制されています。

それぞれの「用途地域」における店舗等の建物に関する制限を以下に示します。

用途地域 店舗等の建物制限
第一種低層住居専用地域 店舗・飲食店は建築できない
第二種低層住居専用地域 店舗・飲食店(150㎡以内かつ店舗部は2階以下)を建築できる
第一種中高層住居専用地域 店舗・飲食店(500㎡以内かつ店舗部は2階以下)を建築できる
第二種中高層住居専用地域 店舗・飲食店(1,500㎡以内かつ店舗部は2階以下)を建築できる
第一種住居地域 店舗・飲食店(3,000㎡以内)を建築できる
第二種住居地域 店舗・飲食店(10,000㎡以内)を建築できる
準住居地域
近隣商業地域 店舗・飲食店(10,000㎡を超えるもの)を建築できる
商業地域
準工業地域
工業地域 店舗・飲食店(10,000㎡以内)を建築できる
工業専用地域 物品販売店舗・飲食店は建築できない

(ア) 不適切です。

「第一種低層住居専用地域」は「低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」です。
「第一種低層住居専用地域」には店舗を出店することはできないため、選択肢の内容は不適切です

(イ) 不適切です。

「第二種中高層住居専用地域」は、「主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」です。
「第二種中高層住居専用地域」に出店できる店舗は「1,500㎡以内かつ店舗部は2階以下」との規制があり、床面積が「2,000㎡」の店舗は出店することができないため、選択肢の内容は不適切です

(ウ) 不適切です。

「第一種住居地域」は、「住居の環境を保護するため定める地域」です。
「第一種住居地域」に出店できる店舗は「3,000㎡以内」との規制があり、床面積が「5,000㎡」の店舗は出店することができないため、選択肢の内容は不適切です

(エ) 不適切です。

「準住居地域」は、「道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域」です。
「準住居地域」に出店できる店舗は「10,000㎡以内」との規制があり、床面積が「12,000㎡」の店舗は出店することができないため、選択肢の内容は不適切です

(オ) 適切です。

「近隣商業地域」は、「近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域」です。
「近隣商業地域」には店舗の出店に際して床面積の制限はなく、床面積が「15,000㎡」の店舗であっても出店することができるため、選択肢の内容は適切です

答えは(オ)です。


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