今回は、「運営管理 ~H28-30 商品計画(2)商品構成~」について説明します。
目次
運営管理 ~平成28年度一次試験問題一覧~
平成28年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。
生産財と消費財
「生産財」とは、企業が生産のために消費・使用する財・サービスのことをいい、「消費財」とは、消費者が個人や家族で消費・使用する財・サービスのことをいいます。
また、「生産財」は消費者に提供する財・サービスの生産過程において消費・使用されることから「中間財」と呼ばれ、「消費財」は実際に消費・使用される最終生産物そのものであることから「最終財」とも呼ばれます。
「生産財」と「消費財」は、財・サービスの属性ではなくその用途に基づいて分類されます。
例えば、「石油(ガソリン・軽油など)」は、工場で機械設備の燃料として使用されれば「生産財」に、一般家庭で自動車の燃料に使用されれば「消費財」に分類されます。
消費財
「消費財」とは、消費者が個人や家族で消費・使用する財・サービスのことをいいます。
「消費財」は「その便益を受けられる期間」や「消費者の購買慣習や行動の違い」などの観点から、さらに分類されます。
便益を受けられる期間に基づく分類
「消費財」は、その財・サービスによって便益を受けられる期間によって「耐久消費財」「非耐久消費財」に分類されます。
「耐久消費財」は、その便益がかなりの長期間に渡って受けられる「自動車・テレビ・冷蔵庫」などが該当し、「非耐久消費財」は、1回きりの使用により消費されてしまう「食料品」などが該当します。
消費者の購買慣習や行動の違いに基づく分類
「消費財」は、消費者の購買慣習や行動の違いによって「最寄品」「買回品」「専門品」に分類されます。
最寄品
「最寄品」とは、特別な比較検討は行わず、消費者が最寄りの店舗で購入するような財・サービスのことをいい、購入頻度は高く価格が低い「一般食料品・日用雑貨・歯磨き・雑誌・タバコ」などが該当します。
「最寄品」は、計画的に購入されることが少ないため、できるだけ多くの店舗にできるだけ多くの製品を陳列してもらうための販売戦略が必要となります。
買回品
「買回品」とは、複数の店舗に足を運ぶなど、比較的時間をかけて「価格・品質・スタイル」などの要素で、複数の商品を比較検討したうえで購入するような財・サービスのことをいい、購入頻度は低く価格が高い「衣料品・家電製品」などが該当します。
「買回品」は、複数の商品を比較検討した上で購入されるため、価格と品質のバランスや他社商品との差別化を図るための販売戦略が必要となります。
専門品
「専門品」とは、消費者が特定の商標など価格以外の要素に魅力を感じて、限られた店舗にわざわざ足を運んでその商品を指名買いするなど、購入するための時間や努力を惜しまないような財・サービスのことをいい、購入頻度が低く価格が高い「高級家具、高級自動車、高級ブランド品、ピアノ」などが該当します。
「専門品」は、消費者からブランドへの愛顧が重要となるため、ブランドイメージの構築や維持を最優先にした販売戦略が必要となります。
試験問題
それでは、実際の試験問題を解いてみます。
【平成28年度 第30問】
消費者の購買慣習からみた商品分類として、最寄品、買回品、専門品という分類がある。これら3つの分類と分類にあてはまる商品の一般的な特徴に関する次のa~cの記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 消費者は商品へのこだわりがあり、複数の店舗を比較して買う。
b 消費者は手近にある情報により、買うことを決める。
c 消費者は時間をかけることを惜しまずに、遠方の店舗でも買いに行く。
[解答群]
ア 買回品 - b
イ 専門品 - b
ウ 専門品 - c
エ 最寄品 - a
オ 最寄品 - c
中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html)
考え方と解答
消費者の購買慣習や行動の違いに基づく消費財の分類に関する知識を問う問題です。
「消費財」は消費者の購買慣習や行動に基づき「最寄品」「買回品」「専門品」に分類されます。選択肢の内容と消費財の分類の対応表は以下の通りです。
選択肢 | 消費財の分類 | |
a | 消費者は商品へのこだわりがあり、複数の店舗を比較して買う。 | 買回品 |
b | 消費者は手近にある情報により、買うことを決める。 | 最寄品 |
c | 消費者は時間をかけることを惜しまずに、遠方の店舗でも買いに行く。 | 専門品 |
答えは(ウ)です。
コメント