運営管理 ~H28-3 生産管理方式(2)プッシュ型/プル型管理方式~

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今回は、「運営管理 ~H28-3 生産管理方式(2)プッシュ型/プル型管理方式~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~平成28年度一次試験問題一覧~

平成28年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

プッシュ型管理方式/プル型管理方式 -リンク-

本ブログにて「プッシュ型管理方式/プル型管理方式」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

プッシュ型管理方式

「プッシュ型管理方式」は、計画主導型の生産管理方式のことであり、管理部門が策定した生産計画に基づき、「各工程」が生産して「後工程」に部品を引き渡す(プッシュ)生産管理方式です。

「前工程」は、「後工程」の生産状況にかからわず管理部門が策定した生産計画に基づき必要な数量を生産するため、工程間における不要な在庫(仕掛品)が発生します

「プッシュ型管理方式」の代表的な例としては、「MRP(広義)」が挙げられます。

 

MRP(広義)

「MRP(広義)」とは、「資材所要量計画」だけではなく、管理部門が「生産計画」を策定して全工程に作業指示を行い「生産統制」まで行う仕組みのことをいいます。

 

MRP(狭義)

「MRP(狭義)」とは、製品の生産計画である「基準生産計画(MPS)」に基づき、製品の生産に必要な部品や資材の数量を表す「部品構成表」と部品や資材の「在庫情報」「発注残情報」「調達リードタイム」から、発注すべき部品や資材の数量と時期を表す「資材所要量計画(MRP)」を作成する仕組みこのことをいいます。

 

プル型管理方式

「プル型管理方式」は、後工程引取型の生産管理方式のことであり、「後工程」が「前工程」に必要な部品の品番や数量を指示して「前工程」から部品を取り寄せる(プル)生産管理方式です。

「前工程」は「後工程」からの生産指示に基づき必要な数量だけ生産するため、工程間における不要な在庫(仕掛品)が発生しないのが特徴です。

「プル型管理方式」の代表的な例としては、トヨタ自動車が開発した「かんばん方式」が挙げられます。

 

かんばん方式

「かんばん方式」とは、トヨタ自動車が開発した生産管理方式であり、「ジャスト・イン・タイム(必要なものを必要な時に必要なだけ生産する)」の考え方に基づき、不要な在庫をできるだけ持たない仕組みのことをいいます。

「かんばん方式」では「かんばん」と呼ばれる「作業指示票」を使って、後工程が前工程に対して必要な部品の品番や数量を伝え、前工程は後工程から指示を受けた数量だけ部品を生産します。

 

「かんばん方式」は、もともと米国のスーパーマーケットをヒントに考えられた方式なので、実際のスーパーマーケットをイメージしてみると分かりやすいと思います。スーパーマーケットでは「お客様(後工程)は、必要な品物を必要なときに必要な量だけ購入」して、「お店(前工程)は、お客様(後工程)から引き取られた数量だけ品物を補充」します。

 

かんばん方式の概念図(トヨタ自動車ホームページより)

かんばん方式の概念図

引用元:トヨタ自動車ホームページ

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成28年度 第3問】

プッシュ型管理方式およびプル型管理方式に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア プッシュ型管理方式では、顧客の注文が起点となって順番に製造指示が発生するため、余分な工程間在庫を持つ必要がない。

イ プッシュ型管理方式では、生産計画の変更は最終工程のみに指示すればよい。

ウ プル型管理方式では、管理部門が生産・在庫情報を集中的に把握する必要があり、大掛かりな情報システムなどの仕掛けが必要となる。

エ プル型管理方式では、稼働率を維持するための作りだめなどができないため、過剰在庫が発生する可能性は少ない。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

「プッシュ型管理方式」と「プル型管理方式」に関する知識を問う問題です。

「プッシュ型管理方式」は、計画主導型の生産管理方式のことであり、管理部門が策定した生産計画に基づき、「各工程」が生産して「後工程」に部品を引き渡す(プッシュ)生産管理方式です。

「プル型管理方式」は、後工程引取型の生産管理方式のことであり、「後工程」が「前工程」に必要な部品の品番や数量を指示して「前工程」から部品を取り寄せる(プル)生産管理方式です。

 

(ア) 不適切です。

「プッシュ型管理方式」では、顧客の注文が起点となって策定された生産計画に基づき、各工程に製造指示が行われるため、選択肢の前半部分の内容は適切です

「各工程」は「後工程」の生産状況にかからわず管理部門が策定した生産計画に基づき必要な数量を生産するため、工程間における不要な在庫(仕掛品)が発生します

したがって、選択肢の後半部分の内容は不適切です

 

(イ) 不適切です。

「プッシュ型管理方式」は、計画主導型の生産管理方式のことであり、管理部門が策定した生産計画に基づき、「各工程」が生産して「後工程」に部品を引き渡す(プッシュ)生産管理方式です。

「生産計画の変更は最終工程のみに指示すればよい」のは、「後工程」が「前工程」に必要な部品の品番や数量を指示して「前工程」から部品を取り寄せる「プル型管理方式」のため、選択肢の内容は不適切です

 

(ウ) 不適切です。

「プル型管理方式」は、後工程引取型の生産管理方式のことであり、「後工程」が「前工程」に必要な部品の品番や数量を指示して「前工程」から部品を取り寄せる(プル)生産管理方式です。

「管理部門が生産・在庫情報を集中的に把握する必要があり、大掛かりな情報システムなどの仕掛けが必要となる」のは、管理部門が策定した生産計画に基づき、各工程が生産を行って「後工程」に部品を引き渡す「プッシュ型管理方式」のため、選択肢の内容は不適切です

 

(エ) 適切です。

「プル型管理方式」では、「前工程」が「後工程」からの生産指示に基づき必要な数量だけ生産するため、工程間における不要な在庫(仕掛品)が発生しないのが特徴です。

したがって、「稼働率を維持するための作りだめなどができず、過剰在庫が発生する可能性は少ない。」という選択肢の内容は適切です

 

答えは(エ)です。


 

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