平成30年度の事例Ⅳの「第4問」に関する解答例(案)を説明していきます。
私なりの思考ロジックに基づく解答例(案)を以下に説明しますので、参考としてもらえればと思います。
目次
事例Ⅳ ~平成30年度試験問題一覧~
平成30年度のその他の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。
第4問
第4問(配点15点)
D社が受注したサポート業務にあたる際に業務委託を行うことについて、同社の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があるのはどのような場合か。また、それを防ぐにはどのような方策が考えられるか。70字以内で説明せよ。
中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html)
考え方(第4問)
「事例Ⅳ」ではなく「事例Ⅲ」の出題範囲である「外注管理」に関する出題です。
「事例Ⅳ」の最後の問題では、このように「事例Ⅳ」とは直接関係のない問題が出題されることがよくあります。
「事例Ⅰ~事例Ⅲ」のように、与件文から問題に関連する箇所を抜き出して解答を考えていきます。
与件文で関連する箇所
与件文の後半に記述されている以下の段落(最後から3段落目)が該当します。
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D社は受注した業務について、協力個人事業主等に業務委託を行うとともに、配送ネットワークに加盟した物流業者に梱包、発送等の業務や顧客への受け渡し、代金回収業務等を委託しており、協力個人事業主等の確保・育成および加盟物流業者との緊密な連携とサービス水準の把握・向上がビジネスを展開するうえで重要な要素になっている。
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与件文の記述内容の整理
与件文に記述されている内容を簡単に整理します。
協力個人事業主等への委託業務
協力個人事業主等に委託している業務は、明確には記述されていませんが、整理するとすれば以下の感じかと。
- 同社の拠点がない地域でのサービス業務
配送ネットワークに加盟した物流業者への委託業務
配送ネットワークに加盟した物流業者に委託している業務は以下の通りです。
- 梱包、発送等の業務
- 顧客への受け渡し
- 代金回収業務等
ビジネスを展開するうえで重要な要素
ビジネスを展開するうえで重要な要素として、以下の3点が列挙されています。
逆に言うと、これらの要素で問題が発生すると、事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があるということを示しています。
- 協力個人事業主等の確保・育成
- 加盟物流業者との緊密な連携
- サービス水準の把握・向上
D社の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性
「ビジネスを展開するうえで重要な要素」から想定される「D社の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性」は以下の通りです。
- 協力個人事業主等が確保できない場合は、顧客に対してサービスを提供できないため、D社の事業展開に悪影響を及ぼす可能性がある。
- サービス水準を維持できない場合は、顧客からのクレーム等につながり、D社の業績に悪影響を及ぼす可能性がある。
方策
方策については、「協力個人事業主等」と「加盟物流業者」に分けて考えるのではなく、「業務委託先」として整理します。
- 「業務委託先を確保するための体制を強化する」
- 「協力個人事業主等の育成」と「加盟物流業者との緊密な連携」と「サービス水準の把握・向上」については「外注管理を強化する」という方策で取りまとめる。
解答(第4問)
「D社の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性がある場合」と「それを防ぐための方策」は以下の通りです。
悪影響を及ぼすのは、協力個人事業主等の確保やサービス水準の維持ができない場合である。方策として、業務委託先の確保体制と外注管理の強化を行う。(70文字) |
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