事例Ⅲ ~平成23年度 解答例(1) 全体構成の理解~

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今回は、「事例Ⅲ ~平成23年度 解答例(1) 全体構成の理解~」について説明します。

 

目次

事例Ⅲ ~平成23年度試験問題一覧~

平成23年度のその他の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

全体構成の理解

事例Ⅰ~事例Ⅲの問題では、最初に、試験問題の全体像を把握して、それぞれの問題で与件文のどこを参考にして解答するかを考えることをお薦めします。

 

平成23年度の問題文は章立てになっておらず、文章が羅列されているため、頭から最後まで文章を一通り読んで、構成を理解する必要があります。

1ページ目と2ページ目の最初の段落(1ページ目からの続きの部分)にかけて「C社概要」に相当する内容が記述されており、2ページ目の中盤からと3ページ目にかけて「C社の生産概要」に相当する内容が記述されています。

「第1問」「第3問(設問1)」については、与件文から該当する箇所を比較的簡単に抜粋することができますが、「第2問」「第3問(設問2)」「第4問」については、与件文に記述されている内容との関連付けが非常に難しくなっています。

例えば、特注品を提案する「フリーデザインシリーズ」事業を実現するには設計要員の業務量を削減する必要がありますが、そのために、業務自体を他部署に移管するのか、CAD/CAM化により削減するのかなど、どの問題に与件文のどこを使って解答するかを自分の中で予め決めてから解答を考えていく必要があります。

 

そのためにも、最初に、試験問題の全体像を把握して、それぞれの問題で与件文のどこを参考にして解答するかを考えることが非常に重要です

 

第1問

第1問(配点20点)

 

C社の創業からの事業変遷を理解した上で、生産技術面の特徴を(a)欄に、営業面での特徴を(b)欄に、40字以内でそれぞれ述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

第1問では、金属パネル加工事業、屋内用電力制御盤事業、オフィス用金属製家具事業へ至るC社の創業からの事業変遷を把握し、生産技術面と営業面での特徴を分析する能力を問われています。

 

今回の問題では、事例Ⅲの第1問でよく出題される単なる「C社の強みや弱み」ではなく、「C社の生産技術面と営業面の特徴」を求められています。

「C社の強みや弱み」を解答するときと同じように、与件文から該当する文言を抜き出して列挙していくこととなりますが、「特徴」を解答するよう求められており、問題文を読んだ段階では、それが「強み」なのか「弱み」なのかを判断することができないため、慎重に与件文を読んでいく必要があります

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文では、1ページ目の前半から後半に渡って記述されています。

 

「C社概要」に相当する内容が記述されている「1ページ」から「C社の生産技術面と営業面の特徴」を抜粋していきます。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

第2問

第2問(配点20点)

 

C社の生産計画は計画期間中に変更されることが多い。C社社長は、当社製品の納期に対する顧客の満足度を上げるためにも生産計画の精度を向上させたいと考えているが、そのための対応策を200字以内で具体的に述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

第2問では、生産計画の変更が多く生じているC社の現状を分析し、その原因を把握、改善するために検討すべき具体的対策を提示できるかについて、分析能力と問題解決能力を問われています。

 

事例Ⅲで出題される「生産計画」に関連する主なポイントは以下の通りです。

 

  • 営業部門が入手した受注情報は、迅速に製造部門に連携して、生産計画に反映されるべき
  • 生産計画は、全ての製品および全ての工程を対象にして立案されるべき
  • 生産計画に基づき、一元的に生産統制(進捗管理、現品管理、余力管理)されるべき

 

与件文から「生産計画」に関する問題を抜き出して対応策を考えていくこととなりますが、上記のポイントを意識しながら、解答を構成していきます。

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文では、2ページ目に記述されています。

 

「第2問」「第3問(設問2)」「第4問」で解答すべき内容と、与件文に記述されている内容の関連付けが非常に難しくなっています。

「第2問」では「生産計画」の問題に対する対応策を求められているため、「C社の生産概要」に相当する内容が記述されている「2ページ」から、生産計画に関する記述を抜粋していきます。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

第3問(設問1)

第3問(配点40点)

 

C社では自社ブランド規格品「ビルトインシリーズ」に加え、特注品の「フリーデザインシリーズ」事業を計画している。

 

(設問1)

「フリーデザインシリーズ」事業は、既存事業の営業先からの要望によって計画、検討されている。顧客からの要望に応えこの事業を推進するためには、C社の営業スタイルをどのように変えるべきか80字以内で提案せよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

第3問(設問1)では、OEM生産を中心に事業展開してきたC社にとって、自社ブランド事業を拡大するために必要な営業活動のあり方を提示できるかについて、分析能力と問題解決能力を問われています。

 

営業スタイルとして理想的なのは「提案型営業/ソリューション営業」です。

顧客が必要としている製品やサービスを聞いて提案する「御用聞き営業」ではなく、「顧客の課題」を把握して、その課題を解決するために、自社の既存製品や既存サービスに限らず、「提案型営業/ソリューション営業」により様々な側面からアプローチを行い、顧客との信頼関係を深め、付加価値を高めることによって、他社と差別化を図った営業活動を実現することができます。

今回の問題でも、営業スタイルを「御用聞き営業」から「提案型営業/ソリューション営業」に変革していくという観点で解答を構成していきます。

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文では、「1ページ目の中盤」から「2ページ目の前半」に記述されています。

 

10年ほど前に業績が悪化して低迷した時期に開発した「ビルトインシリーズ」と、最近1~2年で再び売上の減少傾向が見られるために開発しようとしている「フリーデザインシリーズ」について記述されている箇所を抜粋して、その販売方法の違いから解答を構成していきます。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

第3問(設問2)

第3問(配点40点)

 

C社では自社ブランド規格品「ビルトインシリーズ」に加え、特注品の「フリーデザインシリーズ」事業を計画している。

 

(設問2)

「フリーデザインシリーズ」事業を成功させるため、設計面の課題と生産面の課題を100字以内で述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

第3問(設問2)では、OEM生産を中心に事業展開してきたC社の現状を分析し、自社ブランド事業を成功に導くために必要な設計面および生産面での課題を分析する能力を問われています。

 

設計面の課題は分かりやすく記述されていますが、生産面の課題は見つけにくくなっています。「第2問」と「第4問」の解答を考えた後、その両方の問題で取り上げなかった課題を整理して解答を構成していくという対応になると考えられます。

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文では、2ページと3ページに記述されています。

 

「第2問」「第3問(設問2)」「第4問」で解答すべき内容と、与件文に記述されている内容の関連付けが非常に難しくなっています。

「第3問(設問2)」では、「C社の生産概要」に相当する内容が記述されている「2ページ」と「3ページ」の中から、「第2問」と「第4問」で解答に盛り込まなかった内容を探して抜粋していきます。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

第4問

第4問(配点20点)

 

「フリーデザインシリーズ」事業に対応するため、CAD/CAMの導入を考えているが、このCAD/CAM化はC社にどのようなメリットをもたらすのか140字以内で述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

第4問では、OEM生産を中心に事業展開してきたC社の現状を把握し、計画されているCAD/CAM化のメリットを分析する能力を問われています。

 

事例Ⅲで出題される「CAD/CAM化」に関連する主なポイントは以下の通りです。

 

  • 過去の設計データを流用することによって設計業務を効率化することができる
  • 顧客との仕様調整において発生する設計データの変更を簡易化することができる
  • 製造部門に最新の設計データを迅速に共有することができる
  • CADデータを活用してNC加工プログラムを自動作成することによって生産リードタイムを短縮することができる
  • 部品等を標準化することによって種類の増加を抑制して管理コストを低減することができる

 

今回の問題では、そのまま活用することができそうです。

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文では、2ページと3ページに記述されています。

 

「第2問」「第3問(設問2)」「第4問」で解答すべき内容と、与件文に記述されている内容の関連付けが非常に難しくなっています。

「第4問」では「CAD/CAM化」によるメリットを求められているため、「C社の生産概要」に相当する内容が記述されている「2ページ」から、CAD/CAM化に関する記述を抜粋していきます。

また、「3ページ」の最後の段落に記述されている「品種が非常に多くなっていること」についても「CAD/CAM化」により改善を図っていきます。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

事例Ⅰ~事例Ⅲは正解のない試験なので、あくまで解答例として参考にしてもらえればと思います。

 


 

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