事例Ⅲ ~平成26年度 解答例(1) 全体構成の理解~

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今回は、「事例Ⅲ ~平成26年度 解答例(1) 全体構成の理解~」について説明します。

 

目次

事例Ⅲ ~平成26年度試験問題一覧~

平成26年度のその他の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

全体構成の理解

事例Ⅰ~事例Ⅲの問題では、最初に、試験問題の全体像を把握して、それぞれの問題で与件文のどこを参考にして解答するかを考えることをお薦めします。

平成26年度の問題では、【C社の生産概要】の最後の段落に記述されている「C社のコストに占める原材料費の割合は高い」という問題に対する対策を、どこの解答に取り入れるかという切り分けが非常に難しくなっています。

試験問題の構成上、「C社のコストに占める原材料費の割合は高い」という問題に対する対策は「第3問(設問1)」か「第3問(設問2)」のいずれかで解答すべきですが、試験問題の全体像を把握せずに問題を解き始めると、「第3問(設問1)」は「業務移管によるメリット」を求める問題であり、普通に考えると「C社のコストに占める原材料費の割合は高い」という問題に対する解決策を解答に取り入れるという発想は浮かばないと考えられます。

また、「第3問(設問2)」では「業務移管に向けて納期の観点から改革すべき内容」を求められているため、普通に考えると「C社のコストに占める原材料費の割合は高い」という「コスト」に関する観点の内容は解答に取り入れないという判断をする可能性があります。

その結果、与件文には「C社のコストに占める原材料費の割合は高い」ことが「問題視されている」と明確に記述されているにも関わらず、この問題を解決するための対策を解答に取り入れるのを忘れてしまうというミスをしてしまう可能性があります。

こういったミスを起こさないためにも、最初に、試験問題の全体像を把握して、それぞれの問題で与件文のどこを参考にして解答するかを考えることが非常に重要です

 

第1問

第1問(配点10点)

 

C社の創業からの事業変遷を理解した上で、精密小型部品加工業界におけるC社の強みと弱みを60字以内で述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

第1問では、X社からの受注を拡大してきたC社の事業の変遷を把握し、C社の強みと弱みを分析する能力を問われています。

 

「事例Ⅲ」の第1問としてよくあるパターンの問題であり、与件文から該当する文言を抜き出して列挙していきます。与件文から該当する文言を抜き出すのはそれほど難しくありませんが、抜き出した強みと弱みを文字数内に収めるために取捨選択するのが難しい問題です。

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文では、【C社の概要】と【C社の主要取引先X社の動向】の中盤に記載されています。

C社の強みと弱みは【C社の概要】に記述されているものだ。と思い込んで解答を考えていくと、【C社の主要取引先X社の動向】に記述されているキーワードを見逃してしまう恐れがありますので、注意が必要です。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

第2問

第2問(配点20点)

 

C社の切削工程で問題視されている加工不良率の増加について、その改善を図るために必要な具体的対応策を100字以内で述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

第2問では、C社の切削工程の作業方法や設備メンテナンス方法の課題を把握し、問題視されている加工不良率を解決する能力を問われています。

 

事例Ⅲにおいて、品質の問題が発生している場合は「作業の標準化・マニュアル化・教育の実施」により解決することができるパターンが多いですが、思い込みは禁物なので、与件文をしっかりと読んでから、対応策を解答として取りまとめていきます。

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文では、【C社の生産概要】の後半に記述されています。

複雑な生産計画、資材発注管理、在庫管理に関する記述が多い中で、加工不良率の増加に関する記述は独立しているため、関連している箇所を抜粋しやすい問題です。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

第3問(設問1)

第3問(配点40点)

 

C社では、主要取引先X社精密部品事業部の国内部品調達および物流の合理化計画に対応するための対策が検討されている。この課題について、以下の設問に答えよ。

 

(設問1)

C社がX社の唯一の国内調達先となり、部品在庫管理および受注・発送業務の移管が行われると、C社にはどのようなメリットがあるのか、100字以内で述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

第3問(設問1)では、X社の国内調達先の集約と在庫管理業務および発送業務の移管が行われることによって得られるC社のメリットを分析する能力を問われています。

 

与件文において、C社のメリットが明確に記述されている箇所は見当たりませんが、事例Ⅲなので、「技術力やノウハウが習得できる」とか「習得した技術やノウハウを活用して新規事業の展開ができる。」といった趣旨の解答になるのではないかと考えられます。

また、【C社の生産概要】の最後の1段落において「C社のコストに占める原材料費の割合は高い」ことが「問題視されている」と明確に記述されており、この問題を解決するための対策を「第3問(設問1)」で解答することとします。

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文では、【C社の生産概要】の最後と【C社の主要取引先X 社の動向】の冒頭と後半に記述されています。

少し違和感を感じながらも、上述したように、【C社の生産概要】の最後の1段落を「第3問(設問1)」で解答に取り入れています。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

第3問(設問2)

第3問(配点40点)

 

C社では、主要取引先X社精密部品事業部の国内部品調達および物流の合理化計画に対応するための対策が検討されている。この課題について、以下の設問に答えよ。

 

(設問2)

X社からの業務の移管に対応するためには、C社の生産計画や資材調達計画を今後どのように改革していくことが必要となるのか、160字以内で述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

第3問(設問2)では、X社からの在庫管理業務および発送業務の移管に対応するために必要となるC社の生産計画や資材調達計画の課題を把握し、解決する能力を問われています。

 

第3問(設問2)で、問われているのは「改善」ではなく「改革」です。

「C社の納品リードタイムは1.5 カ月から1週間に短縮される」という要求に応えるためには「改善」ではなく「改革」レベルの対策を講じる必要があるということですが、「改革」と言われると、あるべき姿を一般論で解答しがちになってしまいます

ただし、中小企業診断士の二次試験では、一般論で述べるのではなく、できるだけC社にとって有益な提言を解答として取りまとめていく必要がありますので注意が必要です。

 

また、第3問(設問2)では、「改革」していくべきとされている対象は「生産計画」「資材調達計画」に限定されているため、解答における主たる観点は「納期」です。

つまり、【C社の生産概要】の最後の段落に記述されている「C社のコストに占める原材料費の割合は高い」というC社の問題は、第3問(設問2)では解答しないと判断しましたので、注意してください。

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文において、【C社の生産概要】と【C社の主要取引先X 社の動向】の全体に渡って記載されています。

80分間という限られた試験時間の中で解読できるのかと思うほど複雑で、指摘する箇所が山ほどある問題です。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

第4問

第4問(配点30点)

 

C社社長は、主要取引先X社で進められている国内部品調達先の集約化の動きに対応して、X社との取引を高める一方で、X社以外の販路開拓を行う方針である。この方針を実現するためには、中小企業診断士としてどのような提案を行うか、C社の経営資源に注目して160字以内で述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

第4問では、X社1社への依存状態にあるC社の現状を把握し、今後C社がX社依存状態から脱却を図るために必要な戦略を提案する能力を問われています。

 

X社以外の販路を開拓するための戦略を求められています。
事例Ⅱのような視点となりますが、販路を開拓するためには以下のような対策が考えられます。

 

  • 営業力の強化
  • C社の強みを活かした販売促進
  • 需要の多いマーケットへの進出

 

「第1問」でC社の強みを解答していますが、あまり他社と差別化を図れるような強みではない(ということは第1問の解答が間違っている可能性も考えられる)ので、「営業力の強化」と「需要の多いマーケットへの進出」を中心とした提案になると考えられます。

 

与件文で関連しそうな箇所

あまりヒントがありませんが、与件文において、【C社の概要】と【C社の主要取引先X社の動向】の中盤に記述されている情報を解答に取り入れていきます。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

事例Ⅰ~事例Ⅲは正解のない試験なので、あくまで解答例として参考にしてもらえればと思います。

 


 

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