事例Ⅲ ~平成28年度 解答例(1) 全体構成の理解~

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今回は、「事例Ⅲ ~平成28年度 解答例(1) 全体構成の理解~」について説明します。

 

目次

事例Ⅲ ~平成28年度試験問題一覧~

平成28年度のその他の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

全体構成の理解

事例Ⅰ~事例Ⅲの問題では、最初に、試験問題の全体像を把握して、それぞれの問題で与件文のどこを参考にして解答するかを考えることをお薦めします。

例えば、平成28年度の第1問目では、「カット野菜業界におけるC社の強みと弱み」を求められていますが、与件文を読んでいくと、C社は、販売先からは通年取引の要望にも応えられておらず、製造グループの人事異動も行われておらず、営業利益もマイナスであり、クレームも多く、衛生管理の管理レベルにも課題がある、という風に課題が多くありすぎて、どれを弱みとして取り上げればよいか迷ってしまいます。

二次試験の問題では、与件文に記載されている問題や課題を網羅的に解答のどこかに盛り込むべきですが、試験問題の全体像を把握せずに、第1問で「衛生管理の管理レベル」に関する課題だけを取り上げて解答してしまうと、問題全体を通して「通年取引の要望にも応えられていない」という課題について触れる箇所がなくなってしまいます。

実際の試験では、自分の解答の中で「通年取引の要望にも応えられていない」という課題について触れていないことにすら気が付かないでしょう。

こういった失敗を起こさないためにも、最初に、試験問題の全体像を把握して、それぞれの問題で与件文のどこを参考にして解答するかを考えることが非常に重要です

 

第1問

第1問(配点20点)

 

カット野菜業界におけるC社の(a)強みと(b)弱みを、それぞれ40字以内で述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

第1問では、X農業法人時代の事業経過、およびC社の現在の事業内容を把握し、カット野菜業界におけるC社の強みと弱みを分析する能力を問われています。

 

「事例Ⅲ」の第1問としてよくあるパターンの問題であり、与件文から該当する文言を抜き出して列挙していきます。与件文から該当する文言を抜き出すのはそれほど難しくありませんが、抜き出した強みと弱みを文字数内に収めるために取捨選択するのが難しい問題です。

 

「カット野菜業界における」という枕詞が入っていることに注意して解答を考えていきます。

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文では、【C社の概要】に分散して記載されています。
また、【生産概要】の最下行に記載されている「衛生管理レベルの課題」が該当しそうです。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

第2問

第2問(配点30点)

 

現在C社が抱えている最大の経営課題は、収益改善を早急に図ることである。生産管理面での対応策を160字以内で述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

第2問では、C社が収益改善を図るために必要な生産管理面での対応策を提案する能力を問われています。

「生産管理面での対応策」を解答するため「C社の概要」ではなく、与件文後半の「生産概要」に記載されている内容に基づき、解答を構成していくことになります。

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文において、【C社の概要】の中盤に「C社の経営状況が悪化した経緯」「C社の従業員構成」が、【生産概要】の前半に「製造グループの生産管理方法と問題点」が、【表1 C社作成の社内コスト管理資料】として「損益計算書の数値データ」が記載されています。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

 

第3問

第3問(配点20点)

 

C社では、クレームを削減する改善活動を計画している。このクレーム改善活動を最も効果的に実施するために、着目するクレーム内容、それを解決するための具体的対応策を120字以内で述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

第3問では、C社の生産現場の課題を把握し、クレームを削減する改善活動を最も効果的に実施する方法として、着目するクレーム内容とその解決策を提案する能力を問われています。

 

問題文に「クレーム改善活動を最も効果的に実施するために」と記述されているため、「表2 C社の年間クレーム件数」に記載されている内容から解決するとクレーム件数を大幅に削減することができるものを「注目するクレーム内容」として選定した後、「図1 C社作成の加工不良に関する特性要因図」に記載されている原因を解決するための具体的対応策を整理して、解答として取りまとめていくという流れで考えていきます。

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文において、【C社の概要】の中盤の文章に記載されている「C社の組織体制に関する記述」と【表2 C社の年間クレーム件数】と【図1 C社作成の加工不良に関する特性要因図】と【生産概要】に記載されている文章全般の内容から、活用できそうな箇所を抜粋していきます。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

第4問

第4問(配点30点)

 

C社社長は、経営体質の強化を目指し、今後カット野菜の新事業による収益拡大を狙っている。またその内容は、顧客からの新たな取引の要望、およびC社の生産管理レベルや経営資源などを勘案して計画しようとしている。この計画について、中小企業診断士としてどのような新事業を提案するか、その理由、その事業を成功に導くために必要な社内対応策とともに160字以内で述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

第4問では、C社の顧客動向など外部環境を把握した上で、今後野菜の加工事業を強化して収益拡大を図るために必要な戦略について、中小企業診断士として助言する能力を問われています。

C社社長が有望と考えている2つの新事業から、どちらかを選択して解答していきます。

 

  • カット野菜を原料としたソースや乾燥野菜などの高付加価値製品の事業であり、設備投資を必要とする事業
  • 新鮮さを売りものにしている中小地場スーパーマーケットなどから要望がある一般消費者向けのサラダ用や調理用のカット野菜パックの事業であり、現在の製造工程を利用できる事業

 

ちなみに、どちらの事業を選択するかで「正解・不正解」が決まるような採点はされないはずです。どちらの事業を選択したとしても、C社の顧客動向など外部環境を把握した上で、論理的に説明ができているかがポイントです。

 

また、与件文において「まず現状の生産管理を見直し、早急に収益改善を図ることを第1の目標としているが、それが達成された後には新事業に着手してさらなる収益拡大を目指す。」と記述されているため、限界利益がマイナスとなっている現在の経営状況は改善されていることが大前提となっています。

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文において、【C社の概要】の前半に記述されている「カット野菜需要の傾向」と後半に記載されている「新事業の2つの案」の内容に基づき、「C社に提案すべき新事業の選定理由と成功に導くための社内対応策」に活用できそうな箇所を抜粋していきます。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

事例Ⅰ~事例Ⅲは正解のない試験なので、あくまで解答例として参考にしてもらえればと思います。

 


 

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