運営管理 ~H30-30 販売促進(1)インストアプロモーション~

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今回は、「運営管理 ~H30-30 販売促進(1)インストアプロモーション~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~平成30年度一次試験問題一覧~

平成30年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

インストアマーチャンダイジング(ISM)

「インストアマーチャンダイジング(ISM:In Store Merchandising)」とは、小売業の店舗内において、顧客の購買動機を形成するためや購買の意思決定を高めるために実施する様々な販売促進活動のことをいいます。

「売上高」が「客単価」と「来店客数」を掛け合わせたものであるとした場合、「インストアマーチャンダイジング」では「客単価」の増加に向けた販売促進活動を中心に展開します。

これは、「来店客数」の増加が、店舗内における活動ではなく広告などの店舗外活動を中心とした販売促進活動によって実現されるものであるためです。

 

 

また、顧客の購買動機形成や購買の意思決定に関して、最初から買うものを決めて来店する人は約1割しかおらず、店舗に来てから購入するものを決定する非計画購買が約9割を占めているというデータがあるため、広告宣伝活動に比べて投入する費用を少なく抑えられるにもかかわらず「売上高」の大幅な向上を期待できる「インストアマーチャンダイジング」は、非常に重要な販売促進活動と位置付けられています。

「インストアマーチャンダイジング」では、さらに「客単価」は「商品単価」と「買上点数」を掛け合わせたものと考え、「商品単価」と「買上点数」を増加させることを目的とした販売促進活動を展開していきます。

 

 

「インストアマーチャンダイジング」は、「インストアプロモーション」と「スペースマネジメント」により構成されています。

 

 

インストアプロモーション(ISP)

「インストアプロモーション(ISP)」とは、店舗において単なる情報提供ではなくライフスタイルに関する積極的な提案を行うことによって、顧客の購買動機形成や購買の意思決定に影響を与える販売促進活動のことをいいます。

「インストアプロモーション(ISP)」は、「非価格主導型」と「価格主導型」に分類されます。

 

非価格主導型インストアプロモーション

「非価格主導型インストアプロモーション」の事例を以下に示します。

 

  • 店頭イベント
  • POP
  • 商品の陳列方法
  • マーチャンダイジング(CMD)
  • ノベルティ
  • サンプリング
  • デモンストレーション販売
  • マス広告との連動

 

価格主導型インストアプロモーション

「価格主導型インストアプロモーション」の事例を以下に示します。

「価格主導型インストアプロモーション」を行う場合は、需要の価格弾力性が高い商品(値段を下げた時に販売数量が増える割合の高い商品)を対象にすると効果的です。

 

  • 商品の特売や値引き販売
  • ポイント制の導入
  • エンド陳列
  • チラシ
  • クーポン
  • FSP(優良顧客に対する販売促進活動)

 

内的参照価格

「価格主導型インストアプロモーション」は、顧客の購買意欲を高めるために非常に有効な販売促進方法ですが「内的参照価格」の低下について注意しなければなりません。

「内的参照価格」とは「顧客の過去の購買経験によって作られた記憶による価格」のことをいいます。

例えば、ある商品の特売を長期にわたってまたは頻繁に実施していると「特売価格」でその商品を何度か購入した顧客にとっては、「特売価格」がその商品の価値(価格)だと刷り込まれてしまうため、特売が終了した後にその商品を「通常価格」で販売しても値段が高すぎると感じて購入しなくなります。

 

インストアプロモーション(ISP)の特徴と課題

小売業の店舗において展開されている「インストアプロモーション」の特徴と課題を以下に示します。

  • 商品の特売や値引き販売といった価格訴求に関する活動が圧倒的に多くみられる。
  • ポイント制の導入などの価格訴求が形を変えた活動も多くみられる。
  • ライフスタイル提案などの活動はあまり多くみられない。
  • 店舗単独で実行されており、計画的に行われていない。
  • 企業全体の戦略やマーチャンダイジング体系に沿った活動が行われていない。
  • 効果測定や振り返りは行われておらず、また投入する費用の効率化も行われていない。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成30年度 第30問】

インストアプロモーションに関する次の文章の空欄A〜Dに入る語句として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

 

特売は、インストアプロモーションの中でも[ A ]に売上を増加させるために有効である。価格弾力性が[ B ]商品は、[ C ]商品と比べて同じ値引率での売上の増加幅が大きい。ただし、特売を長期間継続した場合は、消費者の[ D ]が低下するため、特売を実施する際に注意が必要である。

 

[解答群]

ア A:短期的 B:小さい C:大きい D:外的参照価格
イ A:短期的 B:大きい C:小さい D:内的参照価格
ウ A:短期的 B:大きい C:小さい D:外的参照価格
エ A:長期的 B:小さい C:大きい D:内的参照価格
オ A:長期的 B:小さい C:大きい D:外的参照価格

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

インストアプロモーションに関する知識を問う問題です。

 

価格主導型インストアプロモーション

「価格主導型インストアプロモーション」を行う場合は、需要の価格弾力性が高い商品(値段を下げた時に販売数量が増える割合の高い商品)を対象にすると効果的です。

「価格主導型インストアプロモーション」は、顧客の購買意欲を高めるために非常に有効な販売促進方法ですが「内的参照価格」の低下について注意しなければなりません。

「内的参照価格」とは「顧客の過去の購買経験によって作られた記憶による価格」のことをいいます。

例えば、ある商品の特売を長期にわたってまたは頻繁に実施していると「特売価格」でその商品を何度か購入した顧客にとっては、「特売価格」がその商品の価値(価格)だと刷り込まれてしまうため、特売が終了した後にその商品を「通常価格」で販売しても値段が高すぎると感じて購入しなくなります。

 

上述の内容に基づき、問題文を穴埋めすると以下の文章となります。

—-

特売は、インストアプロモーションの中でも短期的に売上を増加させるために有効である。価格弾力性が大きい商品は、小さい商品と比べて同じ値引率での売上の増加幅が大きい。ただし、特売を長期間継続した場合は、消費者の内的参照価格が低下するため、特売を実施する際に注意が必要である。

—-

 

答えは(イ)です。


 

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