運営管理 ~H30-37 物流情報システム(1)バーコード~

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今回は、「運営管理 ~H30-37 物流情報システム(1)バーコード~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~平成30年度一次試験問題一覧~

平成30年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

POSシステムによる販売データの収集

企業や店舗では「業務の効率化」「商品の在庫状況の把握」「販売傾向の分析」を行うために「POSシステム(販売時点情報管理システム)」を活用して商品の販売データを収集します。

「POSシステム」を活用して商品の販売データを収集するためには、それぞれの商品に「バーコード」を付ける必要がありますが、その「バーコード」にも色々な種類があります。

 

バーコードの種類

PLUとNON=PLU

「バーコード」は、その中に価格情報を含むか否かによって「PLU(Price Look Up)タイプ」と「NON=PLU(Non Price Look Up)タイプ」に分類されます。

 

タイプ 価格情報 説明
PLU 含まない スキャンするとシステムに価格情報を照会する
NON=PLU 含む スキャンしてもシステムに価格情報を照会しない

 

PLU(Price Look Up)タイプ

「PLUタイプ」のバーコードには価格情報を含んでいません

バーコードに価格情報を含んでいないため、バーコードをスキャンしたときに、価格情報(Price)をPOSシステムのデータベースに照会(LookUp)して、価格情報を表示します。

 

この後、説明する「JANコード」には価格情報を含んでいないため「PLUタイプ」に分類されます。

 

NON=PLU(Non Price Look Up)タイプ

「NON=PLUタイプ」のバーコードには価格情報を含んでいます

バーコードに価格情報を含んでいるため、バーコードをスキャンしたときに価格情報(Price)をPOSシステムのデータベースに照会(LookUp)することなく、価格情報を表示することができます。

「NON=PLUタイプ」のバーコードは、量り売りする惣菜や生鮮食品のように包装単位ごとの値段が異なる商品、プロダクトサイクルの短い商品で使用されます

 

ソースマーキングとインストアマーキング

「バーコード」は、グローバルにおいて商品を一意に識別する「ソースマーキング」と、小売業などの企業が独自で商品に設定する「インストアマーキング」に分類されます。

 

ソースマーキング

「ソースマーキング」とは、グローバルにおいて商品を一意に識別するために、商品のブランドを持つ事業者(商品の主体的な供給者)が出荷するタイミングで商品にバーコードを印刷することをいいます。

「ソースマーキング」で使用するバーコードを「JAN コード」といい、グローバルにおいて一意に識別する必要があるため規格に則ってバーコードを設定する必要があります

詳細については、後述する「JAN(Japanese Article Number)コード」にて説明します。

 

「ソースマーキング」で使用する「JANコード」には価格情報を含んでいないため「PLUタイプ」に分類されます。
「ソースマーキング」で使用する「JANコード」の最初の「2桁」は「国コード」を示しており、「日本」の事業者(商品の主体的な供給者)には「45/49」が割り当てられています。
インストアマーキング

「インストアマーキング」とは、「POSシステム」を活用して商品の販売データを収集するために、小売業などの企業が独自で商品にバーコードを印刷することをいいます。

「インストアマーキング」で使用するバーコードは、企業独自で自由に設定することができるため、価格情報が含まれる「NON=PLUタイプ」と価格情報を含まない「PLUタイプ」のどちらを採用することもできます

ただし、バーコードをスキャンする機械は「JANコード」をスキャンするものと同じであり、「インストアマーキング」で設定するバーコードと「JANコード」の混同を避ける必要があるため、「インストアマーキング」で使用するバーコードの最初の2桁には「02」「20~29」を使用します

なお、「インストアマーキング」を行った商品は消費者に対して販売することができますが、他の企業に販売することはできません

 

JAN(Japanese Article Number)コード

「JAN コード」は、商品のブランドを持つ事業者(商品の主体的な供給者)が、商品の消費者購入単位または最小取引単位に設定するコードであり、「どの事業者のどの商品か」を識別するために利用されます。

「JAN コード」は、その桁数により「標準タイプ(13 桁)」と「短縮タイプ(8桁)」があり、「短縮タイプ(8桁)」はバーコードの印刷スペースが確保できないような小さな商品にのみ使用することができます。

バーコードリーダーで読み取れるように、「JANコード」を太さの異なるバーとスペースの組み合わせとして表記したものを「JANシンボル」といいますが、「JAN コード」と「JANシンボル」は世界共通の仕組みであり、多くの国で使用されています。

日本国内では「JANコード」と呼ばれていますが、国際的には「EANコード(European Article Number)」、または「GTIN-13」「GTIN-8」 と呼ばれます。

 

  • JANコード標準タイプ(GTIN-13)
  • JANコード短縮タイプ(GTIN-8)

 

JANコード標準タイプ(GTIN-13)

「GTIN-13」は、以下の3つの情報で構成されています。
「GS1事業者コード」が「9桁」の場合は「商品アイテムコード」が「3桁」に、「GS1事業者コード」が「7桁」の場合は「商品アイテムコード」が「5桁」になります。

 

  • GS1事業者コード(9桁/7桁)
  • 商品アイテムコード(3桁/5桁)
  • チェックデジット(1桁)

 

GS1事業者コード(JAN企業コード)

「GS1事業者コード」は事業者(商品の主体的な供給者)を一意に識別するコードです。

「GS1事業者コード」を利用するには「流通システム開発センター」への登録および更新(3年ごと)を行う必要があります。

「GS1事業者コード」は、従来は「7桁」で構成されていましたが、桁数が不足したため、2001年以降の新規登録分からは原則として「9桁」のコードが利用されるようになり、現在は「9桁/7桁」が併用されています。

なお、「GS1事業者コード」の最初の「2桁」は「国コード」を示しており、「日本」の事業者(商品の主体的な供給者)には「45/49」が割り当てられています。

 

「GS1 事業者コード」の注意事項

  • 「GS1 事業者コード」は事業者単位(法人、団体、個人)で登録するため、事業者の一部門(支社、支店、営業所単位)で登録することはできません。
  • 既に「GS1 事業者コード」を登録している事業者は、重複して登録することはできません。
    ただし、商品アイテム数が増えて商品アイテムコードの空きが少なくなった場合に限り、「GS1 事業者コード」の追加登録を申請することができます
  • 「GS1 事業者コード」は、登録事業者のみが利用できます。
    親子会社やグループ会社の関係があっても他の事業者の「GS1事業者コード」を利用することはできません

 

商品アイテムコード

「商品アイテムコード」は、「GS1事業者コード」に登録された事業者の「どの商品か」を識別するコードであり、各事業者が一定の設定基準にしたがって任意に設定することができます。

 

「商品アイテムコード」の注意事項

「商品アイテムコード」が同じ商品は、在庫管理や売上管理において同一商品として管理されてしまうため、以下に該当する場合は、それぞれ異なる「商品アイテムコード」を設定する必要があります。

 

  • 商品名が異なる場合
  • 容量が異なる場合
  • 包装サイズが異なる場合
  • 味が異なる場合
  • 色が異なる場合
  • 素材が異なる場合
  • 香りが異なる場合
  • 販売単位が異なる場合

 

チェックデジット

「チェックデジット」とは、バーコードリーダによる「コード」の読み誤りを防ぐ仕組みで、あらかじめ定められた計算式によって算出される「1桁」の数字です。

 

JANコード短縮タイプ(GTIN-8)

「GTIN-8」は、バーコードの印刷スペースが確保できないような小さな商品にのみ利用することができるコードであり、以下の3つの情報で構成されています。

なお、「GTIN-8」を利用するには、「GS1事業者コード」とは別に「短縮タイプのGS1事業者コード」を取得する必要があります。

 

  • GS1事業者コード(6桁)
  • 商品アイテムコード(1桁)
  • チェックデジット(1桁)

 

「バーコードの印刷スペースが確保できない」の基準

「JANシンボル」を印刷するときの「サイズ・色」などについては、JIS規格によって定められていますが、印刷するスペースが確保できない場合は、縮小したり、高さを削るといった対応をすることができます。
しかし、そのような対応を行っても「JANコード標準タイプ(GTIN-13)」を印刷するスペースが確保できない場合は、「JANコード短縮タイプ(GTIN-8)」を利用することができます。

 

  1. バーコードを縮小する。
    バーコードは最小で0.8 倍まで縮小して印刷することができる
  2. 高さを削る。(トランケーション)
    バーコードのバーの高さは、以下のサイズまで削る(トランケーション)ことができます
    ただし、海外に輸出する商品では、トランケーションすることはできません。

 

引用元:一般財団法人 流通システム開発センター「はじめてのバーコードガイド」

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成30年度 第37問】

ソースマーキングとインストアマーキングに関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア JANコードにおける日本の国番号は“49”のみである。
イ JANコードには、大きく分けると拡張タイプ、標準タイプ、短縮タイプの3種類が存在する。
ウ JANコードの先頭2桁は国番号であり、当該製品の原産国を表している。
エ インストアマーキングには、バーコードの中に価格情報が含まれるPLU(PriceLookUp)タイプがある。
オ インストアマーキングの場合、先頭2桁のプリフィックスに“20”を利用することは正しい利用方法である。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

 

(ア) 不適切です。

「JANコード」の最初の「2桁」は「国コード」を示しており、「日本」の事業者(商品の主体的な供給者)には「45/49」が割り当てられているため、選択肢の内容は不適切です

 

(イ) 不適切です。

「JAN コード」は、その桁数により「標準タイプ(13 桁)」と「短縮タイプ(8桁)」があり、「短縮タイプ(8桁)」はバーコードの印刷スペースが確保できないような小さな商品にのみ使用することができます。

 

  • JANコード標準タイプ(GTIN-13)
  • JANコード短縮タイプ(GTIN-8)

 

したがって、選択肢の内容は不適切です

 

(ウ) 不適切です。

「JAN コード」は、商品のブランドを持つ事業者(商品の主体的な供給者)が、商品の消費者購入単位または最小取引単位に設定するコードであり、「どの事業者のどの商品か」を識別するために利用されます。

「JANコード」における最初の「2桁」は「国コード」を表していますが、当該製品の原産国ではなく、商品のブランドを持つ事業者(商品の主体的な供給者)の国を表しているため、選択肢の内容は不適切です

 

(エ) 不適切です。

「インストアマーキング」で使用するバーコードは、企業独自で自由に設定することができるため、価格情報が含まれる「NON=PLUタイプ」と価格情報を含まない「PLUタイプ」のどちらを採用することもできます

「PLUタイプ」には価格情報を含んでいないため、選択肢の内容は不適切です

 

(オ) 適切です。

「インストアマーキング」で設定するバーコードと「JANコード」の混同を避ける必要があるため、「インストアマーキング」で使用するバーコードの最初の2桁には「02」「20~29」を使用します

「インストアマーキング」において、最初の2桁に「20」を利用することは正しい利用方法であるため、選択肢の内容は適切です

 

答えは(オ)です。


 

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