財務・会計 ~H30-17 効率的フロンティア(1)~

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今回は、「財務・会計 ~H30-17 効率的フロンティア(1)~」について説明します。

財務・会計 ~平成30年度一次試験問題一覧~

平成30年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

金融資産の分類

投資家が投資する金融資産には「安全資産(無リスク資産)」と「リスク資産」の2種類があります。

安全資産(無リスク資産)

安全資産(無リスク資産)は、基本的に債務不履行のリスクがなく、預貯金や国債のようにあらかじめ将来のリターンが確定されている金融資産のことをいいます。

安全資産の収益率は「安全利子率(無リスク利子率・リスクフリーレート)」といいますが、将来のリターンが確定されているということは、安全利子率が「定数」であることを意味しています。

「安全利子率」が定数ということは、リターンのばらつきを示す「分散・標準偏差」がゼロであり、この後に説明するリスク資産との「相関係数」もゼロとなります。

リスク資産

「リスク資産」は、株式投資のように、高利回りが期待されるが元本割れの危険もあり将来のリターンが不透明な金融資産のことをいいます。

「リスク資産」は、その名の通りリスクのある金融資産ということになりますが、1つの金融資産に投資するよりも、複数の金融資産に分散投資することによりリスクを低減することができます。

ポートフォリオ理論では「投資家は合理的でリスク回避的である」という前提に基づき、リターンのばらつきを示す「分散・標準偏差」でリスクを数値化して、小さなリスクで大きなリターンを得られる効率的な金融資産への投資比率を決定していきます。

リスクリターングラフ

「リスクリターングラフ」とは「リスク(標準偏差)」を横軸に「リターン(期待収益率)」を縦軸にしたグラフです。
このグラフでは「ハイリスクハイリターンな投資A」と「ローリスクローリターンな投資B」で構成されるポートフォリオのリスクとリターンが、その構成割合によってどのように推移するかを表します。

投資Aと投資Bのプロット

グラフ上に、投資Aと投資Bをプロットします。
投資Aの方がハイリスクハイリターンなので、グラフ上の右上に位置することが分かります。

ポートフォリオの構成割合に伴うリスク-リターンの推移

B点から徐々に投資Aの割合を徐々に増やしていった場合、一般的にリスクとリターンがどのように推移するのかを記載したのが以下の図です。

徐々に投資Aを増やしていくと、リスクが下がりリターンが高くなる分散効果が働きますが、ある構成比率を超えてしまうと、リスクが徐々に高まっていくというような推移をします。

効率的フロンティア(有効フロンティア)

「効率的フロンティア」とは、投資家が選択可能なリスク資産の組み合わせ(投資機会集合)の中で、投資家にとって「最も有利となる選択肢」を表現した曲線のことをいいます。

「最も有利となる選択肢」とは、リターンが同じであれば最もリスクが小さい投資の組み合わせ、リスクが同じであれば最もリターンが大きい投資の組み合わせを意味しています。

投資機会集合

効率的フロンティア

資本市場線

「資本市場線」とは、Y軸上にある「安全資産(無リスク資産)」の期待収益率である「安全利子率(無リスク利子率・リスクフリーレート)」から「効率的フロンティア」の曲線に接する直線のことをいいます。

「効率的フロンティア」はリスク資産の組み合わせにおける「最も有利となる選択肢」を表現した曲線でしたが、投資家は「リスク資産」だけではなく「無リスク資産」と組み合わせることにより、最適なポートフォリオを構成するよう試みます。

「資本市場線」は、「リスク資産」と「無リスク資産」を組み合わせて、最大の期待収益を得られるポートフォリオを構成するために活用されます。

投資家は「資本市場線」のどこかのポイントを選択して投資を行いますが、どのポイントを選択するかは、投資家のリスク嗜好度によって異なります

例えば、リスク回避型の投資家は国債などの「無リスク資産」の構成割合が高いポイントで、リスクを好む投資家は株式などの「リスク資産」の構成割合が高いポイントでポートフォリオを構成します。

なお、資本市場線と効率的フロンティアの接点のことを「マーケットポートフォリオ」といい、市場にあるすべての銘柄を、各銘柄の時価総額の構成比率に応じて購入して構成されたポートフォリオであり、市場とポートフォリオが連動してほぼ同じ値動きをします。

資本市場線

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成30年度 第17問】

以下の図は、すべての投資家が共通して直面する危険資産のみから構成される危険資産ポートフォリオの集合を示したものである。この図を用いた説明となる以下の文章の空欄①と②に入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

危険資産のみから構成されるポートフォリオの集合のうち、リスク・リターンの面から望ましい組み合わせのみを選んだ曲線ACを[ ① ]と呼ぶ。
安全資産と曲線AC上の任意の点Dで新しいポートフォリオを作ることにした。このとき、新たなポートフォリオのリスク・リターンの組み合わせは安全資産と点Dを結ぶ直線で示される。安全資産と曲線AC上の任意の点で作られる最も望ましいリスク・リターンの組み合わせを[ ② ]と呼ぶ。

[解答群]

ア ①:投資機会集合    ②:資本市場線
イ ①:投資機会集合    ②:証券市場線
ウ ①:有効フロンティア  ②:資本市場線
エ ①:有効フロンティア  ②:証券市場線

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

考え方と解答

「効率的フロンティア(有効フロンティア)」に関する知識を問う問題です。

効率的フロンティア

「効率的フロンティア」とは、投資家が選択可能なリスク資産の組み合わせ(投資機会集合)の中で、投資家にとって「最も有利となる選択肢」を表現した曲線のことをいいます。

資本市場線

「資本市場線」とは、Y軸上にある「安全資産(無リスク資産)」の期待収益率である「安全利子率(無リスク利子率・リスクフリーレート)」から「効率的フロンティア」の曲線に接する直線のことをいいます。

「資本市場線」は、「リスク資産」と「無リスク資産」を組み合わせて、最大の期待収益を得られるポートフォリオを構成するために活用されます。

上述の内容に基づき、問題文を穴埋めすると以下の文章となります。

—-

危険資産のみから構成されるポートフォリオの集合のうち、リスク・リターンの面から望ましい組み合わせのみを選んだ曲線ACを有効フロンティアと呼ぶ。
安全資産と曲線AC上の任意の点Dで新しいポートフォリオを作ることにした。このとき、新たなポートフォリオのリスク・リターンの組み合わせは安全資産と点Dを結ぶ直線で示される。安全資産と曲線AC上の任意の点で作られる最も望ましいリスク・リターンの組み合わせを資本市場線と呼ぶ。

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答えは(ウ)です。


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