中小企業診断士受験に向けて、今の時期は財務会計にじっくりと取り組みましょう。

事例Ⅳ ~平成24年度 解答例(8)(事業承継)~

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平成24年度の事例Ⅳに関する解答例(案)を説明していきます。

私なりの思考ロジックに基づく解答例(案)を以下に説明しますので、参考としてもらえればと思います。

 

事例Ⅳ ~平成24年度試験問題一覧~

平成24年度の他の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

事業承継

事業承継は「事例Ⅰ」でよく出題される内容です。

事業承継は、会社の経営者が後継者に会社の経営権や財産を譲り渡すことをいいます。

中小企業では、適切な後継者が見当たらないなどの理由から、事業承継をしたくてもできない企業が多く、経営者の高齢化が進んでいるのが現状です。

中小企業における事業承継の後継者としては「血縁・親戚関係」が最有力候補です。

二番目の候補として、「優秀な役員または従業員」を後継者にするという選択肢もありますが、中小企業の多くは会社の所有と経営が分離されていないため、「優秀な役員または従業員」に社長の座だけを譲り渡しても、会社の株式は元の経営者が保有するという構図となり、結果として社長の座だけを譲り受けた決定権を持たない雇われ社長となってしまいます。

仮に、会社の株式まで譲り渡そうとしても、「優秀な役員または従業員」が会社の株式を譲り受ける(購入する)だけの資金を準備することも難しく、現実的には「優秀な役員または従業員」への事業承継は難しいとされています。

「血縁・親戚関係」も「優秀な役員または従業員」も事業承継の後継者になり得ない場合は、第三者の企業に買収・合併してもらったり(M&A)社外の第三者に自社を買い取らせて経営者として入ってきてもらう(MBI:Management Buy In)などの手段も「事業承継」の選択肢として考えられます。

事業承継では「後継者の育成」や「従業員や取引先との関係構築」といった対策を、時間をかけて段階的に実施していく必要があるため、実施計画を立てて長期間に渡って徐々に進めていくこととなります。

 

事業承継税制

「事業承継税制」は、後継者が非上場会社の株式等を先代経営者等から贈与・相続により取得した際、経営承継円滑化法による都道府県知事の認定を受けると、贈与税・相続税の納税が猶予される制度であり、平成30年4月1日に改正されました。

中小企業庁ホームページにおいて、「事業承継税制」について説明されていますので、リンクを紹介しておきます。

 

第3問(設問2)

第3問(配点30点)

 

前述したように、オーナー夫妻には後継者がなく、親族にも経営を任せられる人材が見当たらないという。場合によっては、旅館の売却を伴う事業承継も視野に入れているといい、今年度の状況を前提とした具体的なケースについて説明を求められた。

 

(設問2)

事業承継を考える際、承継先としてどのような相手が考えられるか。また、その際の留意点について中小企業診断士の立場から200字以内で説明せよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方(設問2)

「事業承継」に関する後継者の候補選定や事業承継のプロセス実行における留意点に関する知識を問われています。

 

事業承継先

中小企業における事業承継の後継者としては「血縁・親戚関係」が最有力候補ですが、血縁者や親戚に事業承継の後継者となる人材がいない場合は、「優秀な役員または従業員」「第三者」を事業承継先として考えていくこととなります。

 

  • 血縁・親戚関係
  • 優秀な役員または従業員
  • 第三者

 

「第三者」を事業承継先の候補とする場合

「第三者」への事業承継では、自社を買収・合併してもらったり(M&A)自社を買い取らせて経営者として入ってきてもらう(MBI:Management Buy In)などの方法により事業を譲渡していきます。

また、「第三者」を事業承継先の候補とする場合は、譲り渡した事業を継続して発展してもらえるように、自社の経営理念を理解してもらえる経営者であり、かつ自社が運営する事業に精通した同業他社であることが好ましいと考えられます。

 

解答(前半)

試験問題の前半部分「事業承継を考える際、承継先としてどのような相手が考えられるか。」については、以下のような趣旨で解答します。

 

  • 子供がいないオーナーが経営するD旅館の承継先としては、D旅館の優秀な役員または従業員、もしくはオーナーの経営理念を理解して事業を引き継いでくれる同業他社が考えられる。(83文字)

 

事業承継に際しての留意事項

事象承継に際しての留意事項は事業承継先により若干変わってきます。

 

血縁・親戚関係/優秀な役員または従業員の場合

血縁・親戚関係/優秀な役員または従業員に事業承継する場合は、後継者の育成や様々な関係者との関係づくりなど、事業承継までの計画を策定して、時間をかけて事業承継していくことが重要です。

  • 後継者の育成(幅広い業務知識と経験)
  • 従業員、取引先からの理解と信頼関係の構築
  • 会社の株式の分配
  • 血縁・親戚からの理解(役員または従業員に事業承継する場合)

 

第三者(敵対していない同業他社)

第三者に事業承継する場合は、従業員の労働条件と継続雇用の確保が重要な要素として追加されます。事業承継した後、従業員の給料が削減されたり、解雇されないように事業承継先の企業と事前に取り決めをしておきます。

  • 経営理念、経営状況の継承
  • 従業員、取引先からの理解と信頼関係の構築
  • 従業員の雇用条件と継続雇用の取り決め
  • 売却価格の交渉

 

解答(後半)

試験問題の後半部分「その際の留意点」については、以下のような趣旨で解答します。
かなり長文になってしまったので、コンパクトに整理しなければなりません。

 

  • 優秀な役員または従業員に事業承継する場合は、事前に事業承継計画を策定して時間をかけて事業承継を行う必要がある。後継者を育成するために、一般業務からマネジメントまで一通り経験させるとともに、現オーナーが退任後も良好な事業運営を継続できるよう従業員や取引先と信頼関係を構築しておく必要がある。また、後継者がオーナーの座を譲り受けた際に経営に関する権限を発揮できるようD旅館の株式の分配を行う必要がある。(200文字)
  • 同業他社に事業継承する場合は、現オーナーの経営理念やD旅館の経営状況について十分に理解してもらうだけでなく、従業員の雇用条件や継続雇用について取り決めをしておく必要がある。また、事業承継後も良好な事業運営を継続できるよう従業員や取引先にも事前に説明を行い理解を得て信頼関係を構築しておく必要がある。(149文字)

 

解答(設問2)

D旅館の事業承継における「承継先」と「留意点」は以下の通りです。

承継先としては従業員と同業他社が考えられる。従業員に事業承継する場合は、後継者に幅広い業務を経験させること、従業員や取引先から理解を得て信頼関係を構築すること、D旅館の株式の分配について留意する。同業他社に事業継承する場合は、経営理念や経営状況を十分に理解してもらうこと、従業員の雇用条件や継続雇用について取り決めをしておくこと、従業員や取引先からの理解を得て信頼関係を構築することについて留意する。(200文字)

 


 

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