平成27年度の中小企業診断士二次試験(事例Ⅳ)の全ての問題について解説を掲載しましたので、記事の対応表を以下に示します。
2018年6月10日 08:00現在
目次
本ブログの対応表
問題 | 配点 | カテゴリ | 該当記事 | |
第1問 | 設問1 | 28点 | 経営分析 | 事例Ⅳ 解答例(1) 事例Ⅳ 解答例(2) |
設問2 | 経営分析 | |||
第2問 | 設問1 | 34点 | 予測損益計算書の作成 | 事例Ⅳ 解答例(5) |
設問2 | 営業レバレッジ | 事例Ⅳ 解答例(6) | ||
設問3 | 損益分岐点分析 | 事例Ⅳ 解答例(7) | ||
第3問 | 設問1 | 26点 | 各期のキャッシュフローの計算 | 事例Ⅳ 解答例(3) |
設問2 | 設備投資の経済性計算(収益性) | |||
設問3 | 設備投資の経済性計算(安全性) | 事例Ⅳ 解答例(4) | ||
第4問 | 設問1 | 12点 | 主要顧客への依存によるデメリット | 事例Ⅳ 解答例(8) |
設問2 | 主要顧客への依存に対する対策 |
事例Ⅳの出題の趣旨
「中小企業診断協会」のWebサイトに公開されている出題の趣旨を以下に示します。
第1問(配点28点)
(設問1)
D社と同業他社の財務諸表の数値をもとに、D社の財務状態の評価目的にかなった財務比率を選択し、計算する能力を問う問題である。
(設問2)
適切な財務比率に基づいて、同業他社と比較した場合のD社の財務的な特徴を説明する能力を問う問題である。
第2問(配点34点)
(設問1)
損益予測に関する情報を理解し、予測損益計算書を作成する能力を問う問題である。
(設問2)
予測損益計算書をもとに、D社の将来における損益状況の特徴を理解し、そのような傾向が生じる原因を推定する能力を問う問題である。
(設問3)
予測損益計算書をもとに、与えられた条件に応じて、短期利益計画に有用なCVP分析を実施する能力を問う問題である。
第3問(配点26点)
(設問1)
各プロジェクトの内容を理解し、全社的損益の状況に関する条件のもとで各プロジェクトの将来におけるキャッシュ・フローを予想する能力を問う問題である。
(設問2)
将来の予想キャッシュ・フローに基づき、正味現在価値によってプロジェクトの採算性を判断する能力を問う問題である。
(設問3)
プロジェクトの流動性評価の指標を理解したうえで、将来の予想キャッシュ・フローに基づき、プロジェクトの流動性を判断する能力を問う問題である。
第4問(配点12点)
(設問1)
大口得意先が存在することが、D社の企業経営に与えるデメリットに関する理解を問う問題である。
(設問2)
大口得意先の存在が経営に与えるデメリットを解消するために、特定の製品を製造・販売することによる効果についての理解を問う問題である。
一次試験と二次試験の違い
二次試験の事例Ⅳでは「商業簿記」に関する知識はあまり必要とされません。
昨年の試験では、連結財務諸表に関する知識が求められましたが、与件文に出てきた「圧縮記帳」については記述試験の中で問われませんでした。おそらく、口述試験で「圧縮記帳によりD社の業務成績にどのような影響があるか?」などの質問をするために挿入されたものだと想定されます。(口述試験であれば、記述試験の合格通知が来てから勉強すれば十分に間に合います。)
つまり、二次試験は「工業簿記」を中心に勉強を進めれば、合格圏に近い得点を取ることができます。「工業簿記」は、ロジカルな思考でじっくりと読んでいけば理解することができ、あとは何度も何度も問題を繰り返して体で覚えていけば解けるようになっていきます。
もちろん、二次試験に向けて勉強すべきなのは「工業簿記」だけではありませんが、以下の図に示すように、「商業簿記」は「論述問題」を中心に「工業簿記」は「計算問題」を中心に意識して勉強していくことをお薦めします。
二次試験の中で「事例Ⅰ~事例Ⅲ」は正解のない試験なので、試験当日の自身の体調や、たった一つの勘違いによって得点が大きくぶれる可能性がありますが、「事例Ⅳ」の試験問題は半分以上が計算により正解を求める試験なので、得意科目にしておけば、自信をもって試験に臨むことができますし、ある程度安定した得点を取ることができます。
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