事例Ⅳ ~経営分析(2)(財務指標の種類)~

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今回は、「経営分析(2)(財務指標の種類)」について説明します。

 

目次

経営分析

「経営分析」は「事例Ⅳの第1問」として必ず出題され、配点も「20点~25点」と高いので確実に得点を稼ぎたい問題です。
「経営分析」に関連する記事は、以下のページに整理しています。

 

経営分析とは

「経営分析」では、企業の財務諸表に基づき、その企業の経営状況を定量的に分析していきます。定量的に分析して企業の経営状況を正確に把握することによって、経営者が意思決定を行うための情報を提供することを目的としています。

 

財務指標

「経営分析」で使用する「財務指標」では、企業が利益を生み出すことができているかを表す「収益性」と、企業が保有する資産から効率的に収益を上げることができているかを表す「効率性」と、企業の資本バランスや債務に対する支払能力を表す「安全性」の観点から、経営状況を分析していきます。

 

収益性

「収益性」では、企業が利益を生み出すことができているか、また利益が減少している場合、どこに問題があるのかを数値から分析することができます。(売上原価なのか、販管費なのか、営業外費用なのか)

「収益性」を表す「財務諸表」の一覧を以下に示します。

 

例えば、売上高総利益率が減少(売上高売上原価比率が増加)しているようであれば、材料費や労務費などの製造原価が増加していることで収益性が悪化していると考えられるため、製造工程の管理を強化するなどの対策を提案することが可能です。

売上高営業利益率が減少(売上高販管費比率が増加)しているようであれば、新たな社屋を建てたり活用できていない遊休資産があるなど収益に貢献してしていない固定資産を多く保有していることで減価償却費(販管費)が増加しており収益性が悪化しているなどの理由が考えられます。

売上高経常利益率が減少(売上高営業外費用比率が増加)しているようであれば、借入金が多く支払利息(営業外費用)が多額となっているなどの理由が考えられるため、内部留保を切り崩して借入金の早期返済を行うなどの対策を提案することが可能です。

 

効率性

「効率性」では、企業が保有する資産から効率的に収益を上げることができているか、また効率性が低下している場合、どこに問題があるのかを数値から分析することができます。

「効率性」を表す「財務諸表」の一覧を以下に示します。

 

例えば、売上債権回転率が低下しているようであれば、販売先からの支払いが滞っているなどの理由が考えられるため、販売先からの売上回収に関するルール決めをして早期に確実に支払ってもらうなどの対策を提案することが可能です。

棚卸資産回転率が低下しているようであれば、在庫管理ができておらず常に余剰在庫が残っているなどの理由が考えられるため、在庫管理を徹底して適正在庫を確保するなどの対策を提案することが可能です。

固定資産回転率や有形固定資産回転率が低下しているようであれば、新たに導入した設備が収益を上げていなかったり、複数の店舗経営をしていて収益性が低い店舗が企業全体の業績の足を引っ張っているなどの理由が考えられます

 

安全性

「安全性」では、企業における自己資本(純資産)と他人資本(負債)のバランスが適正であるか、また債務を返済するための支払能力があるのかを数値から分析することができます。

「安全性」は、さらに「短期安全性」「長期安全性」「資本調達構造」に分類されます。

 

短期安全性

「短期安全性」である「流動比率」や「当座比率」が悪化している(数値が低くなっている)場合、特に100%を下回っている場合は、1年以内に支払わなければならない負債(流動負債)を返済するだけのキャッシュ(流動資産/当座資産)が足りないことを意味しています。

短期借入金を長期借入金に借り換えて1年間の返済額を抑えたり、売上債権を回収するまでの期間を短くして手許にある現金を増やしたり、棚卸資産の余剰在庫を減らして適正在庫を確保するなどの対策を提案することが可能です。

 

長期安全性

「長期安全性」である「固定比率」や「固定長期適合率」が悪化している(数値が高くなっている)場合は、新たな社屋を建てたり活用できていない遊休資産があるなど収益に貢献していない固定資産を多く保有していることが主な理由と考えられ、収益性の財務指標である「売上高販管費比率/売上高営業利益率」や効率性の財務指標である「固定資産回転率/有形固定資産回転率」の数値も悪化している可能性があります。

 

資本調達構造

「資本調達構造」である「自己資本比率」や「負債比率」は、自己資本と負債のバランスを確認するための指標です。事例Ⅳでは借入金が多く、負債比率が高い(自己資本比率が低い)という企業が非常に多く出題されます。負債比率が高いと「支払利息」も多額となり、収益性の財務指標である「売上高営業外費用比率/売上高経常利益率」の数値も悪化するため、内部留保を切り崩して借入金の早期返済を行うなどの対策を提案することが可能です。

 


 

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