財務・会計 ~製造原価の構造(3)~

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今回は、「製造原価の構造(3)」について説明します。

製造原価の構造

「製造原価」の区分などに関する考え方は「原価計算基準」に定義されています。
「原価計算基準」は、昭和37年(1962年)に大蔵省企業会計審議会から公表された会計基準であり「企業会計原則」の一環をなす原価計算の実践規範とされています。

「原価計算基準」および「製造原価の構造」については、過去にも説明していますので、以下のページにもアクセスしてみてください。

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成24年度 第6問】

原価計算制度において、原価に算入される項目として最も適切なものはどれか。

ア 支払利息等の財務費用
イ 任意積立金繰入額
ウ 福利施設負担額
エ 臨時多額の退職手当

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

考え方と解答

製造原価は、費用の発生形態により「材料費・労務費・経費」に分類されます。
今回の問題では、「材料費」や「労務費」に区分されそうな費用はなく「経費」に区分される項目なのかについて確認していくこととなるため、「経費」の原価要素に関する内訳を以下に示します。

(ア)不適切です。

「支払利息等の財務費用」は営業外費用に区分されるため、不適切です。

「営業外費用」とは、企業の営業活動ではなく財務活動などから発生する費用であり、支払利息、社債利息、有価証券売却損、売上割引などが挙げられます。
企業の営業活動以外の活動により発生する費用のため、損益計算書では営業利益の下に区分されます。

(イ)不適切です。

「任意積立金繰入額」は、貸借対照表で純資産に区分される項目(繰越利益剰余金)の増減として表されるため、不適切です。

(ウ)適切です。

「福利施設負担額」は間接経費であり原価に区分されるため、適切です。

「福利厚生費」「福利施設負担額」「法定福利費」など、総務系の仕事をしていない方には馴染みのない費用について、以下に補足説明しておきます。

福利厚生費

福利厚生費とは、従業員に給与以外に支給される通勤費、健康診断費用、食事代の補助費用、社内レクリエーション費用、社宅費用、保養所費用、慶弔見舞金などの費用であり、「間接経費」に区分されます。

福利施設負担額

「福利施設負担額」とは「福利厚生費」の一部で、福利厚生のための施設(社宅、保養所など)に対して企業が負担する費用あり、「間接経費」に区分されます。

法定福利費

従業員の健康保険、厚生保険に基づく社会保険料などの保険料は、企業と従業員が法律によって定められた割合で支払うこととなっています。
企業が負担する費用は「法定福利費」として「労務費(間接労務費)」に区分されます。(製造原価の構造(2)

(エ)不適切です。

「臨時多額の退職手当」は特別損失に区分されるため、不適切です。

「特別損失」とは、企業の経常的な活動ではなく特別な要因で一時的に発生する費用であり、固定資産売却損、減損損失、有価証券評価損、火災損失などが挙げられます。
企業の経常的な活動ではなく、一時的に発生する費用のため、損益計算書では経常利益の下に区分されます。

答えは(ウ)です。


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