財務・会計 ~H27-7 原価計算(個別原価計算)(1)製造原価~

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今回は、「財務・会計 ~H27-7 原価計算(個別原価計算)(1)製造原価~」について説明します。

 

目次

財務・会計 ~平成27年度一次試験問題一覧~

平成27年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

原価計算(個別原価計算) -リンク-

本ブログにて「個別原価計算」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

個別原価計算とは

個別原価計算は、顧客からの注文を受けてから生産する受注生産品に適用される原価計算方法です。

個別原価計算では、顧客注文に応じて世の中に一つしかない製品を生産するため、「製造指図書」を発行して、製品単位で製造原価を管理していきます。

 

原価の区分

個別原価計算では、製品原価を「製造直接費(直接材料費・直接労務費・直接経費)」と「製造間接費」に区分して管理します。「H29-10 製造原価の構造(1)」

製造直接費は、製品ごとにその発生原価を管理できるため製品に直接割り当てられます(賦課という)が、製品間接費は各部門ごとに発生原価を集計して、その集計原価をある一定の基準に基づき各製品に割り当てます。(配賦という)

 

分類 項目 説明
製造直接費 直接材料費 どの製品の製造にかかった費用なのかを判別できる費用であり、製品に直接割り当てられます。(賦課)
直接労務費
直接経費
製造間接費 間接材料費 どの製品の製造にかかった費用なのかを判別できない費用であり、ある一定の基準によって各製品に割り当てられます。(配賦)
(例:直接作業時間を配賦基準とする。)
間接労務費
間接経費

 

仕掛品と完成品

もう一つ個別原価計算を理解するために、必要な知識として「仕掛品」と「完成品」いう言葉がありますので、以下に簡単に示します。

  • 仕掛品:製造中の製品
  • 完成品:製造完了した製品

 

製造指図書別原価計算表

製造指図書のフォーマットイメージを以下に示します。
製品単位(#101/#102/#103)に、製造原価を管理します。

 

各製品の生産状況と原価計上

  • #101
    先月着手。先月から繰り越した仕掛品原価と今月の原価を合計して製品原価に計上。
  • #102
    今月着手して今月完成。原価合計は製品原価に計上。
  • #103
    今月着手したが完成せず。原価合計は仕掛品原価に計上して来月に繰り越し。

 

製造原価が「売上原価」となるタイミングについて補足します。

製品の生産を完了したタイミングで、その製品の製造原価は「仕掛品勘定」から「製品勘定」に移行しますが、その時点では「売上原価」とはなりません。

該当の製品が販売されたタイミングで、その製品の製造原価は「製品勘定」から「売上原価勘定」に移行され、「売上原価」として計上されます。

あくまで売上原価となるのは製品が販売されたタイミングです。

 

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成27年度 第7問】

次の資料は、工場の20X1年8月分のデータである。このとき、製造指図書#123 の製造原価として最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、すべて当月に製造を開始した。

[資料]

(1) 製造直接費

製造指図書 材料消費量 材料単価 直接作業時間 賃率
#121 650kg @110円/kg 90時間 1,000円/時
#122 750kg @110円/kg 100時間 1,000円/時
#123 1,000kg @110円/kg 110時間 1,000円/時

(2) 製造間接費 実際発生額:90,000 円
(3) 製造間接費は直接作業時間を配賦基準として各製品に配賦する。

 

[解答群]

ア 212,500円
イ 220,300円
ウ 253,000円
エ 262,500円

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

原価要素としては、製造直接費(材料費・労務費)と製造間接費に区分されています。

 

製造直接費

製造直接費は、各製品ごとに発生原価を計算することができます。
#123の製造直接費(材料費・労務費)は以下の通りです。

  • 直接材料費
    1,000kg × @110円/kg = 110,000円
  • 直接労務費
    1,000円/時 × 110時間 = 110,000円

 

製造間接費

製造間接費は、各製品に直接割り当てることができないため、製造間接費の合計額を配賦基準によって各製品に割り当てます。

今回の問題では、実際に発生した製造間接費「90,000円」を直接作業時間を配賦基準として各製品に配賦するという条件です。

  • 直接作業時間の合計
    90時間 + 100時間 + 110時間 = 300時間
  • 単位時間当たりの製造間接費配賦額
    90,000円 ÷ 300時間 = 300円/時間
  • 製品#123に配賦する製造間接費
    300円/時間 × 110時間 = 33,000 円

 

製造原価

製品#123の製造原価 = 直接材料費 + 労務費 + 製造間接費 = 253,000円

 

全ての製品の製造原価は以下の通りです。

 

答えは(ウ)です。


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