財務・会計 ~H28-17-1 設備投資の経済性計算(2)意思決定モデル~

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平成28年度 第17問について説明しようと思っていますが、「貨幣の時間価値」「投資の意思決定(NPV/IRR)」と順を追って理解する方が二次試験で役に立つと思います。

 

今回は、「財務・会計 ~H28-17-1 設備投資の経済性計算(2)意思決定モデル~」について説明します。

 

「設備投資の経済性計算」は二次試験(事例Ⅳ)で出題される論点のため、一次試験の段階からしっかりと勉強しておきましょう。

 

目次

財務・会計 ~平成28年度一次試験問題一覧~

平成28年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

設備投資の経済性計算(一次試験) -リンク-

本ブログにて「設備投資の経済性計算(一次試験)」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

設備投資の経済性計算(二次試験) -リンク-

本ブログにて「設備投資の経済性計算(二次試験)」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

設備投資の意思決定モデル

投資を実行するかの判断基準をざっくりと簡単に表現すると「投資による収益 > 投資額」です。(実際には「現在価値」「資本コスト」「法人税等」などを考慮する必要があります。)

意思決定モデルとは、企業が投資を実行すべきか否かを判断するためにプロジェクトの収益状況を算出する方法で、代表的なものを以下に示します。

 

時間価値を考慮したモデル

「時間価値」とは「貨幣の時間価値」のことを示しており、プロジェクトにより得られるキャッシュフローを割り引いた現在価値とプロジェクト投資額を比較して、投資を実行すべきかを判断します。

 

  • 正味現在価値法(NPV)
    正味現在価値法(Net Present Value Method)とは、プロジェクトにより得られるキャッシュフローの現在価値からプロジェクトへの投資額を差し引いた結果がプラスであれば、投資をするという意思決定方法です。
  • 収益性指数法(PI)
    収益性指数法(Profitability Index Method)とは、プロジェクトにより得られるキャッシュフローの現在価値をプロジェクトへの投資額で割った結果が1より大きければ、投資を実行するという意思決定方法です。
  • 内部収益率法(IRR)
    内部収益率法(Internal Rate of Return Method)とは、正味現在価値が「0」となる割引率を算出した結果が「資本コスト率」よりも高ければ、投資を実行するという意思決定方法です。

 

時間価値を考慮しないモデル

  • 回収期間法
    回収期間法は、プロジェクトへの投資額を回収できる期間を算出して、その回収期間が想定するプロジェクトの終了期限よりも短い場合は、投資を実行するという意思決定方法です。

 

正味現在価値法(NPV)

正味現在価値は、以下の計算式で算出します。

問題文によっては、1年後にプロジェクトに投資するケースなどもあるため、「プロジェクトへの投資額(の現在価値)」という表記にしています。

 

 

上記の計算式で算出された結果に基づき、以下の基準で投資の可否を判断します。

正味現在価値が大きいほど、より良い投資案ということになります。

 

 

「正味現在価値=0」の場合は、投資して頑張っても結果はトントンだということなので投資は実行しない。という判断になります。

 

収益性指数法(PI)

収益性指数は、以下の計算式で算出します。

問題文によっては、1年後にプロジェクトに投資するケースなどもあるため、「プロジェクトへの投資額(の現在価値)」という表記にしています。

 

 

上記の計算式で算出された結果に基づき、以下の基準で投資の可否を判断します。

収益性指数が大きいほど、より良い投資案ということになります。

 

 

正味現在価値法と比較すると、引き算するか割り算するかの違いはありますが、両者とも「投資による収益 > 投資額」となるかを確認しています。

「収益性指数=1」の場合は、投資して頑張っても結果はトントンだということなので投資は実行しない。という判断になります。

 

内部収益率法(IRR)

内部収益率は、計算式で簡単に算出することができませんので、投資の可否を判断する基準だけ記載します。

内部収益率が高いほど、より良い投資案ということになります。

 

 

「資本コスト率」という新しい言葉が出てきましたが、本ブログでは「加重平均資本コスト(WACC)」として説明しています。

資本コストとは、企業が存続する限り最低限発生するコストであり、企業としては資本コストよりも収益性の低いプロジェクトに投資すべきではありません。

 

回収期間法

回収期間は、計算式で簡単に算出することができませんので、投資の可否を判断する基準だけ記載します。

回収期間が短いほど、より良い投資案ということになります。

 

 

回収期間法は、時間価値を考慮しないため、投資の意思決定モデルとしては不完全ですが、投資の安全性を簡単に判断することができるというメリットがあります。

 


次回は、「H28-17-2 設備投資の経済性計算(3)投資により得られるCF」として、「プロジェクトにより得られるキャッシュフローの現在価値の計算方法」について説明していきます。

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